がん研究における併用療法の探索

腫瘍微小環境には、腫瘍が免疫の攻撃を回避するために操作する複数の免疫経路があります。大抵の場合、腫瘍は1つ以上の免疫抑制機構を利用するか、病気の進行の過程で新たな機構を作り出します。つまり、患者さんそれぞれに異なる腫瘍の生物学に対応するために、さまざまなアプローチが必要なのです。

ブリストル・マイヤーズ スクイブでは、相補的なシグナル伝達経路の作用について理解を進めるとともに、抗腫瘍免疫を再活性化して適切に作用させるため、研究を通じて、複雑な腫瘍微小環境の活用方法を探索しています。

複数の経路を標的に――併用療法研究の根拠

免疫系は、腫瘍細胞を検出し、排除することができますが、一定の条件下では、この能力が損なわれ、腫瘍が増殖してしまうことがあります。免疫経路を調節することによって、がん細胞を検出し破壊する免疫系の能力を回復させることができます。しかしながら、がんの生物学はそれぞれに異なるため、より個別化されたアプローチが必要です。腫瘍微小環境内のさまざまな標的候補や、それらの相互作用から、無限の研究機会が生まれています。当社の研究チームは、全力を挙げて、免疫応答を引き起こす可能性がある膨大な数の組み合わせを探索しています。

オンコロジー・バイオロジー・ディスカバリー部門のシニアバイスプレジデントであるニルス・ロンバーグ(Ph.D.)は、次のように述べています。「私たちが免疫経路の相互作用について研究を開始した頃、このタイプの研究アプローチは、業界内であまり評価されていませんでした。そんな中、多数の免疫経路へと研究範囲を拡大し、大きな進展を達成してきました。今後も、科学的根拠に基づく併用療法の組み合わせを追求していきます」

活性化したエフェクター細胞(ナチュラルキラー細胞やT細胞)は、免疫応答の主力部隊であり、抗腫瘍免疫の中心的役割を果たします。それを踏まえ、私たちは、免疫エフェクター細胞の働きが正常な免疫機構を介して妨げられる仕組みを研究しています。この研究を通じて、患者さんそれぞれのがんに対する最も有望なアプローチの組み合わせを見極めたいと考えています。さらに、腫瘍の生物学に基づいた効果予測により、相補的な併用療法の選択に役立つ腫瘍のバイオマーカーの特定にも取り組んでいます。

革新的ながん免疫療法の併用療法を探索する

私たちは、これらの標的やバイオマーカーを評価する臨床試験において、がん免疫療法薬による有望な併用療法の開発を進め、がん治療の基礎となる可能性のある研究に集中して取り組んでいます。

がん免疫療法ディスカバリー部門バイスプレジデントのアラン・コーマン(Ph.D.)は、次のように述べています。「免疫機構の複数のカテゴリーにおいて、研究すべき効果的な免疫経路の組み合わせを見つけるべく、スピードをもって、かつ入念にアプローチの評価を進めています。私たちは、治療に変革をもたらす経路を特定するために必要なサポート、手段、ノウハウを有しているのです」