頭頸部がんとは
頭頸部がんは頭頸部にできるがんの総称です。脳より下、鎖骨より上の範囲、つまり耳、鼻、口、のど、顔面、頸部(くび)にできるがんが含まれます。脳腫瘍(脳のがん)は含まれません。頭頸部は話す、食べる、飲み込む、呼吸するといった重要な機能に関わっており、手術を行うとこれらの機能に影響を与える可能性があります。また、美容的な観点からも負担が大きいといえます。以前は放射線治療が主流でしたが、最近では技術の向上により、積極的に手術を行う場合が増えてきました。抗がん剤による化学療法は補助的な治療として行われることがあります。
中咽頭がん、下咽頭がん、喉頭がんが比較的頻度の高いがんです。中咽頭がんは口の奥にできるがんで圧倒的に男性に多く発症します。下咽頭がんは「のどぼとけ」の後ろのがんで、喫煙量、飲酒量が多いとかかりやすくなります。喉頭がんは「のどぼとけ」の位置のがんで、患者さんの多くが男性です。
* 参考文献:ビジュアル版 がんの教科書(三省堂)