得てきた知識と経験を伝えることでも
貢献をしていきたいと考えています

R. F. イノベーティブ医薬品事業部門 マーケティング統括部

2023/08/01     

マーケティング畑一筋に歩んできたFは、新しい取り組みを次々と提案している。現在は、免疫系疾患や心血管疾患領域のマーケティングリーダーとして、患者さんとご家族に対する病気や治療の理解醸成などに取り組む。その提案力の源には、豊富な経験と柔軟な発想がある。

人の健康に関わる仕事がしたいという
強い気持ちを持って転職をしました

コンサルティング会社から製薬会社へと転職したF。そのきっかけは、一体どのようなものだったのか。

「以前、勤めていた会社でコンタクトレンズユーザーの女子高校生にインタビューをしたら、『コンタクトレンズで私の人生が変わったんです』と話してくださって。その言葉は、今、思い出しても鳥肌が立つほどです。人の人生を変えられるような製品、とりわけ健康に関するものに携わりたいと思うようになり、その後、製薬会社に転職しました」。

以前、勤めていた会社では、他の領域を担当していたが、オンコロジーのマーケティングをやってみたいと思い、ブリストル マイヤーズ スクイブに入社した。

「オンコロジーは大きな領域ですし、がんは、人の生死に関わるってくる病気です。そうした領域に取り組むのは、仕事のやりがいも大きいのではと思って希望しました。ただ、特殊な領域でもあるので、中途採用の場合、大抵の製薬会社では即戦力を求めて経験者が優遇されていました。そんな中でブリストル マイヤーズ スクイブだけが、『やる気とマーケターとしての基本的な能力があり、自分がどのように貢献できるかが大事』と言ってくれたので決めました」。

研修から生まれた全社的な取り組みは
リーダーシップ精神も生み出しました

2022年には、次期経営層の候補者を対象としたリーダーシップ開発プログラム「SOAR」にも参加。SOARでは、さまざまな部門の社員が集まり、いくつかのチームに分かれて、経営層の視点から見た問題点の改善提案を行う。Fのチームでは、環境が激変する昨今、各部門同士や社内外とのコラボレーションを円滑に進める方法を提案するという課題が与えられた。

「私達のチームは製品の販売に関わるコマーシャルサイドの人が多かったので、製品ローンチの際の部門を横断した連携がカギになると考えました。まずは問題点をヒアリングし、そこから改善点を提案しようということになったのです。ヒアリングでわかったのは、各部門の能力は高いのですが、それぞれの部門が自分たちの分担が終わればすべて終わりと考えて、他部署へのバトンを上手に渡すことができていないのではないかということでした。そこで、各部門が最初に目線合わせを行うように提案しました。最初に患者さん目線を意識したマインドセットを作るようにするのです。そうすればコミュニケーションの仕方やアクションも変わってくると考えました。私たちの提案は、『Patient Centricity(患者さん中心)』のマインドセットをローンチプロセスにも組み込むというもので、実際に約2年後にローンチ予定の製品に向けて、関係部署で目線合わせのためのワークショップなどが行われる予定です」。

研修の成果としての提案を、社内のコラボレーションの形を変えるところまで昇華できたのは、日ごろから業務の課題を模索し、明確な回答を探し続ける姿勢を持っていたから。SOARで培われたリーダーシップの精神は、部内でも生かされている。

「何かプロジェクトに取り組むときに、それは再現性があるものなのかという視点が大事だと思うようになりました。このメンバーだからできる、この製品だからできるというのは、その業務ではよくても、全社的な視点で考えてみるとあまり意味がありません。そこで終わってしまうのではなく、メンバーが替わっても、次の製品に生かせることが大切だと考えるようになりました」。

スピード感を重視するという
マインドセットの醸成を目指しています

転職によって、いくつかの企業を経てきたFには、ブリストル マイヤーズ スクイブのマーケテイングチームにぜひ伝えたいことがあると言う。それはスピード感を持って、仕事をすること。

「スピードとクオリティを二択で選ばなければいけないのであれば、スピードを重視することが大切だと、以前いたコンサルティング会社で叩きこまれました。これだけ環境変化が激しくなってきている中で、より早くという意識は、さらに重要になってくると思います。今後は、大型の製品が出てくる機会は少なくなるでしょう。製品が小型化していくと、その製品のライフサイクルも短くなっていきます。ですから、その製品の価値が高い時期をしっかりと捉え、きちんと準備をする必要があります。そうしたメンタリティは、マーケターにとって重要なものだと思っているので、そのマインドセットの醸成には、もっと貢献していきたいと考えています」。

そしてFにとっての「Patient Centricity(患者さん中心)」とは、どんなことなのかを聞いてみた。それは、患者さんのベネフィットになるのか否かを判断することだと言う。

「患者さんのベネフィットになることを考え続けていることは基本ですが、チームのみんなにその思いを伝え続け、言葉にして共有していくことも重要だと思っています。チームのメンバーとしっかりコミュニケーションを取り、患者さんに貢献しようという意識を共有することで、ぶれない方向性が生まれると考えています」。