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プレスリリース

BARACLUDERを用いた長期治療成績により
B型慢性肝炎を原因とする肝障害が軽減される可能性を示唆

2008/11/18

線維症を含む肝組織とウイルス量減少について長期コホート評価を実施


本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が11月2日に発表しましたプレスリリースの日本語訳(抜粋)をご参考までにお届けするものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:アメリカ・ニューヨーク/CEO:ジェームズ・M・コーネリアス)は11月2日に、2件の別個のコホート評価から得られたデータを発表しました。これらの評価では、B型慢性肝炎患者においてBARACLUDER(バラクルード)を用いた長期治療が線維症を含む肝組織像の改善と関連していることが明らかになりました。肝組織のデータは、米国肝臓病学会(AASLD:American Association for the Study of Liver Diseases)の第59回年次会議で発表されました。

ロールオーバー試験ETV-901からのヌクレオシド系薬剤未治療患者57人のコホートから得られた新たな長期的組織学的結果が発表されました。ETV-901では、第II相~第III相試験を完了した患者に対し、BARACLUDER 1 mgを投与する長期治療を行いました。このコホートにおける追跡調査の対象患者は、中央値6年の期間にわたり、各試験(ETV-022、ETV-027、およびETV-901)でBARACLUDERを投与され、ベースライン時と長期投与時に評価可能な肝生検を受けました。患者57人のうち96%(57人中55人)において肝組織像に改善が見られました(顕微鏡下で確認した肝組織の状態の改善)。肝組織像の改善は、Knodell壊死炎症スコアの2ポイント以上の減少およびKnodell線維化スコアの悪化がないことと定義されました。さらに、患者の88%(57人中50人)において、Ishak線維化スコアの改善(1ポイント以上の減少)と定義された肝線維化の抑制が確認されました。B型慢性肝炎の感染によって引き起こされる慢性的な炎症のために、過剰な線維性結合組織が肝臓内に増加し、線維化が生じます。

ウイルス複製の抑制は、B型慢性肝炎の治療における重要な目標です。ETV-901の長期投与時の生検時に、評価可能な肝生検を受けた被験者の100%(57人中57人)において、ウイルス量が検出限界未満[ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で測定したHBV DNAが300コピー/mL未満]となりました。

また、B型慢性肝炎の日本人患者で検討したオープンラベルのロールオーバー試験ETV-060からの組織学的結果も発表されました。このコホートには、2つの第II相試験(ETV-053およびETV-052)からの未治療の患者37人とラミブジン治療に耐性がある患者27人が含まれ、BARACLUDERによる治療を3年以上受けた後、肝生検が実施されました。これら64人の患者のうち、未治療患者の100%(37人中37人)とラミブジン耐性患者の89%(26人*中23人)において、肝組織像の改善(Knodell壊死炎症スコアの2ポイント以上の減少)が見られ、未治療患者の47%(36人†中17人)ラミブジン耐性患者の32%(25人‡中8人)で肝線維化の改善(Knodell線維化スコアの1ポイント以上の減少)が見られました。

長期的組織学コホート(ETV-901のサブセット)の治験責任医師を務めた台湾・台北にある長庚大学医学部の長庚記念病院に勤務するYun-Fan Liaw教授は、次のように述べています。「これらのデータから、BARACLUDERによる長期治療により、B型慢性肝炎の感染によって引き起こされる肝障害が抑制され、肝線維化が改善される可能性もあることがわかりました。耐性を最小限に抑える強力な抗ウイルス剤を用いて効果的な長期治療を行うことができるということは、一歩前進を意味しています」。

 

ETV-901の解析について


ETV-901は、エンテカビルの第II相~第III相試験を完了した患者を対象とした長期的なロールオーバー試験です。長期的組織学的コホートには、ヌクレオシド系薬剤未治療患者57人が含まれ、3年以上にわたりBARACLUDERの投与を受け、ベースライン時と長期投与後に適切な肝生検を受けました。これらの患者は、中央値6年の期間にわたり、BARACLUDERの投与を受けました。組織学的な主要エンドポイントは、ベースライン時と比較して、組織学的改善(Knodell壊死炎症スコアの2ポイント以上の減少およびKnodell線維化スコアの悪化がないことと定義)が認められた患者の割合、およびIshak線維化スコアの改善(1ポイント以上の減少)が認められた患者の割合でした。

 

ETV-901において長期的な肝生検を受けることに同意した患者の結果(治療期間の中央値は6年間)


  • 長期的な肝生検の際に肝組織像の改善が認められた患者の割合は、48週の時点の78%から増加し、96%でした。
  • 長期的な肝生検の際にIshak線維化スコアの改善が認められた患者の割合は、48週の時点の32%から増加し、88%でした。
  • ベースライン時の線維化スコアが2%以上であった患者43人のうち、Ishak線維化スコアが2ポイント以上減少した患者の割合は58%でした。
  • ウイルス量が検出限界未満(PCRで測定したHBV DNAが300コピー/mL未満)を達成した患者の割合は、100%でした。
  • グレード3~4の有害事象は患者の20%で報告され、重篤な有害事象は患者の25%で報告されました。最も一般的に見られた有害事象は以下のとおりです:上気道感染症(23%)、頭痛(16%)、鼻咽頭炎(16%)、肝酵素ALTの生成が増加すること、すなわち肝炎や肝障害の指標となるALT上昇(14%)、腹痛(13%)、インフルエンザ(13%)、腰痛(12%)、発熱(12%)、関節痛(10%)、咳(10%)、高血圧(10%)、不眠症(10%)、のどの痛み(10%)

 

ETV-060の解析について


ETV-060は、ETV-053試験において未治療でBARACLUDER 0.1 mgまたは0.5 mgによる52週間の治療を完了した患者66人、およびETV-052試験においてラミブジン耐性でBARACLUDER 0.5 mgまたは1 mgによる52週間の治療を完了した患者82人を含め、日本のB型慢性肝炎患者を対象として実施されたオープンラベルのロールオーバー試験です。ETV-060ロールオーバー試験では、患者はBARACLUDER0.5 mg(未治療患者)または1 mg(ラミブジン耐性患者)が継続的に投与されました。解析では、BARACLUDERによる3年以上の継続的治療を受けた後に肝生検を受けた患者(ETV-053から37人、ETV-052から27人)の長期的な組織学的結果を評価しました。ベースライン、48週目、148週目の時点で患者の生検を行い、組織学的改善(Knodell壊死炎症スコアの2ポイント以上の減少)とKnodell線維化スコアの改善(1ポイント以上の減少)を評価しました。

 

ETV-060において長期投与後の肝生検を受けることに同意した患者の結果(治療期間の中央値は3年間)


  • 未治療のB型慢性肝炎患者およびラミブジン耐性のあるB型慢性肝炎患者の両方において、BARACLUDERによる3年以上の継続的治療後に肝組織像の改善が認められました。148週目の時点で、Knodell壊死炎症スコアが改善した患者の割合は、未治療群では100%(37人中37人)、ラミブジン耐性群では89%(26人*中23人)であり、Knodell線維化スコアで評価した肝線維化が改善した患者の割合は、未治療群では47%(36人†中17人)、ラミブジン耐性群では32%(25人‡中8人)でした。
  • 148週目の時点で、HBV DNAが400コピー/mLを下回った患者の割合は、未治療群では95%(37人中35人)、ラミブジン耐性群では56%(27人中15人)でした。

 

BARACLUDERについて


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が開発したBARACLUDERは、代償性肝疾患、活動的なウイルス複製の証拠、および血中アミノトランスフェラーゼ濃度の恒常的な亢進(肝疾患のマーカー)あるいは生検で診断された活動性肝疾患を伴うB型慢性肝炎に感染した成人に適応されます。BARACLUDERは、世界中の86を超える国および地域で承認されています。

  • 注*1名の患者は腐敗性炎症が評価可能ではないベースライン時の生検を受けました。
  • †1名の患者は線維症が評価可能でないベースライン時の生検を受けました。
  • ‡2名の患者は線維症が評価可能でないベースライン時の生検を受けました。

日本におけるBARACLUDERの製品情報に関しては、ブリストル・マイヤーズ株式会社のウェブサイト(www.bms.co.jp)に掲載している添付文書をご覧ください。

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