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プレスリリース

抗悪性腫瘍剤「スプリセル®」の発売開始について

2009/03/16

ブリストル・マイヤーズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼CEO:マーク・W・ライト、以下、ブリストル・マイヤーズ)は3月16日に、抗悪性腫瘍剤「スプリセル®錠20mg、同50mg」(一般名:ダサチニブ水和物、以下、スプリセル®)の販売を開始します。

スプリセル® は、新規構造のチロシンキナーゼ阻害剤であり、がん細胞の増殖に関与する5種類のチロシンキナーゼ/キナーゼファミリー(BCR-ABL、SRCファミリーキナーゼ、c-KIT、EPH(エフリン)A2受容体及びPDGF(血小板由来増殖因子)β受容体)に対するATPの結合を競合的に阻止し、がん細胞増殖シグナルの伝達を阻害することにより、抗腫瘍効果を発揮します。

スプリセル®は「イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病」(慢性期、移行期、急性期)及び「再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」を適応症としています。既存の治療薬イマチニブでは効果が不十分または副作用のために治療を継続できない(忍容性のない)慢性骨髄性白血病の患者さんや、他に有効な治療法がほとんどないフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の患者さんの治療に使われる、医療上の必要性が高い薬剤です。

ブリストル・マイヤーズ株式会社の代表取締役社長兼CEOマーク・W・ライトは、「スプリセル®の発売により、これまで十分な治療が受けられず、慢性骨髄性白血病やフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病で苦しむ患者さんたちに、新たな治療オプションを提供できることをうれしく思います。そうした患者さんのもとにスプリセル®をいち早く届け、希望へと導けることを期待しています」と述べています。

ブリストル・マイヤーズは、これまでに国内で本剤の投与を受けた症例数が限られているため、発売後一定期間は、本剤を使用する医療機関や医師、また服用される患者さんに対して要件を設け、本剤の使用成績調査(全例調査)を実施します。対象となる医療機関と医師の方々に、当社より本剤の適正使用と副作用に関して説明させていただくと同時に、医療機関と医師の方々から、事前に患者さん又はそのご家族の方に本剤に関する適切なご説明を十分に行っていただくことをお願いし、患者さんの同意を得た上でご使用いただくよう情報提供活動を行ってまいります。

また、スプリセル®を適正にご使用いただくため、国内の医療関係者の方々を対象とした専用ウェブサイト(http://www.sprycel.jp/)を開設しました。このサイト内で、全例調査の実施状況や副作用発現状況等、スプリセル®に関する最新の安全性情報を掲載し、定期的に更新してまいります。

海外では、2006年6月に米国、同年11月にヨーロッパで承認されて以来、50ヵ国以上で承認され、販売されています。日本では、2009年1月21日に厚生労働省より製造販売承認を取得し、3月13日の薬価収載を経て、本日の発売開始に至りました。

 

慢性骨髄性白血病及びフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病について*1


慢性骨髄性白血病(CML)は、国内で8,200人の患者数が推定される*2造血器腫瘍で、フィラデルフィア染色体とよばれる融合染色体に由来するBCR-ABLチロシンキナーゼが病因とされています。また、腫瘍細胞で活性化されるSRCチロシンキナーゼが、BCR-ABLとともに病態を悪化させることが知られています。この疾患は、比較的安定した慢性期から、骨髄中及び末梢血中に幼若細胞(芽球)の増加をみる移行期を経て急性期へと悪化し、疾患の進行とともに予後が悪化します。BCR-ABLは一部の急性リンパ性白血病(ALL)においても認められており、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)と呼ばれ、国内の患者数は350人と推定されております*2。CML、Ph+ALLとも難治性の白血病とされています。

  • *1大野竜三 編「よくわかる白血病のすべて」(2005年、永井書店)
  • *26地域がん登録データより算出した年齢調整罹患率に基づく

 

スプリセル®の概要


製品名 「スプリセル®錠20mg」及び「スプリセル®錠50mg」
一般名 ダサチニブ水和物
製造販売承認日 2009年1月21日
薬価基準収載日 2009年3月13日
発売開始日 2009年3月16日
製造販売 ブリストル・マイヤーズ株式会社
効能又は効果 1,イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病
2,再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
用法及び用量

1,イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病
(1) 慢性期
通常、成人にはダサチニブとして1日1回100mgを経口投与する。
なお、患者の状態により適宜減量する。
(2) 移行期又は急性期
通常、成人にはダサチニブとして1回70mgを1日2回経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1回90mgを1日2回まで増量できる。

2,再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
通常、成人にはダサチニブとして1回70mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1回90mgを1日2回まで増量できる。

薬価 スプリセル®錠20mg 4,565.20円
スプリセル®錠50mg 10,793.30円
承認条件 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

 

ブリストル・マイヤーズ株式会社について


ブリストル・マイヤーズ株式会社は、「より長く豊かな人生の実現」をミッションとする世界的なバイオ医薬品企業です。詳細については、http://www.bms.co.jp/をご覧ください。

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