プレスリリース
2型糖尿病治療薬「ビデュリオン®」発売のお知らせ
-世界初の週1回投与の2型糖尿病治療薬-
2013/05/16
アストラゼネカ株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:ガブリエル・ベルチ)、ブリストル・マイヤーズ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長兼CEO:エマニュエル・ブリン)は、本日、2型糖尿病治療薬「ビデュリオン®皮下注(一般名:エキセナチド)」を発売いたしましたのでお知らせいたします。
ビデュリオン®皮下注は、GLP-1受容体作動薬であるエキセナチドを有効成分とする週1回投与の2型糖尿病治療薬です。GLP-1は食事摂取に伴い消化管から分泌され、すい臓からのインスリン分泌を促進するホルモン「インクレチン」のひとつです。エキセナチドはこのGLP-1と同様の作用を有し、血糖値が高い状態においてインスリン分泌を促し、血糖値を改善します。
エキセナチドは1日2回投与製剤であるバイエッタ®皮下注として日本においては2010年10月に製造販売承認を取得いたしましたが、この度、新たなエキセナチド製剤として持続性製剤であるビデュリオン®皮下注を、世界で初めての週1回投与の2型糖尿病治療薬として発売することとなりました。
【ビデュリオン®皮下注の特長】
- GLP-1受容体作動薬であるエキセナチドを有効成分とする世界で初めての週1回投与の2型糖尿病治療薬です。
- 週1回の投与で安定かつ優れた血糖コンロトール改善効果を示し*、アドヒアランスの向上が期待できます。
(* 国内第3相試験: GWBX試験, 日本含むアジア地域の第3相試験: GWCK試験)
本製品はアストラゼネカ株式会社が製造・販売を行い、ブリストル・マイヤーズ株式会社と販売提携し、本年4月1日から共同で情報提供活動を展開しております。アストラゼネカ株式会社とブリストル・マイヤーズ株式会社は日本の2型糖尿病の患者さんに貢献してまいります。
1)GLP-1の作用について
GLP-1は食事摂取に反応して、下部小腸(空腸および回腸)に存在するL細胞で合成・分泌されます。GLP-1は消化管から血中に分泌された後、膵β細胞膜上や他の組織に発現しているGLP-1受容体に結合します。
GLP-1は、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進し、食後(食事時)グルカゴン分泌を抑制するほか、胃での胃内容物排出の遅延などの複数の作用により血糖調節の役割を果たしています。また、脳における摂取抑制作用を示します。
2)インクレチンとは
インクレチンとは、食事摂取に伴って消化管から分泌され、膵β細胞からのインスリン分泌を促進するホルモンの総称です。これまでに、GLP-1とGIPの2つが確認されています。グルコースが小腸から吸収されると、上部小腸のK細胞からGIP、下部小腸のL細胞からGLP-1が分泌され、膵β細胞のGIP受容体またはGLP-1受容体に結合し、インスリン分泌を促進します。体内では、血中に存在する分解酵素DPP-4により速やかに分解されます。
<アストラゼネカ株式会社について>
アストラゼネカは、イノベーション志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細はこちらでご覧ください。http://www.astrazeneca.com
日本においては、主にがん、循環器、消化器、呼吸器、糖尿病、ニューロサイエンスを重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社についてはこちらでご覧ください。http://www.astrazeneca.co.jp
<ブリストル・マイヤーズ株式会社について>
ブリストル・マイヤーズ株式会社は、深刻な病気を持つ患者さんを助けるための革新的な医薬品を発見、開発し、提供することを使命とする世界的なバイオファーマ企業です。革新的な科学への熱意、いまだ有効な治療法がない重篤な疾患に対する研究開発力、そして生物学的製剤分野における優れた競争力を備えています。私たちの企業戦略は「バイオファーマ」に変化を遂げて、さらに進化させることです。これは、伝統ある大規模な製薬企業の基盤と革新的なバイオテクノロジー企業、この2つの特長を兼ね備えた新しい種類の事業体です。この戦略で重要なことは、革新的な新薬を可能な限り迅速に患者さんに提供するのに役立つ、適切な優先課題と選択事項に注力することです。詳細についてはhttp://www.bms.co.jp/rd/strategy.htmlにてご覧いただけます。
【製品概要】
ビデュリオン®皮下注用2mg (英語表記 Bydureon®)
一般名 | エキセナチド(Exenatide) |
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効能・効果 | 2型糖尿病 ただし、食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤及びチアゾリジン系薬剤(各薬剤単独療法又は併用療法を含む)による治療で十分な効果が得られない場合に限る。 |
用法・用量 | 通常、成人には、エキセナチドとして、2mgを週に1回、皮下注射する。 ビデュリオン®皮下注用2mg: 1キット [注射剤(バイアル):1本、専用懸濁用液0.75mL(シリンジ):1本、バイアルコネクター:1個、注射針1本] |
製造販売承認日 | 2012年3月30日 |
薬価基準収載日 | 2013年2月22日 |
発売日 | 2013年5月16日 |
製造販売元 | アストラゼネカ株式会社 |
販売提携 | ブリストル・マイヤーズ株式会社 |
薬価 | ビデュリオン®皮下注用2mg:1キット 3,486 円 |