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プレスリリース

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、2014年度第4四半期および通年の業績を報告

2015/02/03

本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2015年1月27日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースの日本語訳(抜粋)をご参考までにお届けするものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

  • Opdivo®(オプジーボ®)が進行期悪性黒色腫を適応として米国当局の迅速承認を取得
  • オプジーボ®の第Ⅲ相試験であるCheckMate -017試験にて優れた全生存期間を示したため、同試験の早期中止を発表
  • 第4四半期の GAAP(一般会計原則) のEPS(1株当たり利益)は0.01 ドル、非GAAP のEPS は0.46ドル
  • 2015年度の GAAP および非GAAPのEPS 見通しを1.55~1.70ドルとして発表

(米国ニューヨーク、 2015年1月27日) - ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社(NYSE:BMY)は本日、2014年度第4四半期および通年の業績を発表しました。同四半期のハイライトとして、主要ブランドの全世界での売上が堅調であったこと、当社の腫瘍免疫ポートフォリオにおいて重要な進展があったことが挙げられます。当社は米国でのオプジーボ®の迅速承認を受け、当社が実施した広範囲にわたる臨床プログラムで複数の癌腫に関して肯定的な臨床データを示しました。また、肺扁平上皮がん(NSCLC)を適応としたオプジーボ®の第Ⅲ相試験が肯定的な結果に基づき、早期終了となりました。(※NSCLCは非小細胞肺がんの略称としても使用されるため、本和訳文中ではSquamous NSCLCを肺扁平上皮がんと標記しています) さらに、当社はEliquis®(エリキュース®)と ダクラタスビルについても重要な臨床データを発表しました。また、2015年度の財務見通しを示しました。

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社CEOのランベルト・アンドレオッティは次のように述べています。「当社は第4四半期も好調で、財務面でも事業面でも堅調だった1年を締めくくることができました。腫瘍免疫パイプラインにおいても、オプジーボ®が米国で進行期悪性黒色腫を適応として承認されるという重要な進展がありました。当社の全ブランドと全地域における2014年度の業績、研究開発のイノベーションと生産性に対する投資継続、新たな事業開発機会への投資は、当社のバイオファーマ戦略が堅調で順調に進行していることを示しており、2015年度も期待が持たれます」。

 

第4四半期(EPSのデータ以外は100万ドル単位)


 

  2014 2013 前年度比
純売上高 $4,258 $4,441 (4)%
希薄化後EPS(GAAPベース) 0.01 0.44 (98)%
希薄化後EPS(非GAAPベース) 0.46 0.51 (10)%

 

通年(EPSのデータ以外は100万ドル単位)


 

  2014 2013 前年度比
純売上高 $15,879 $16,385 (3)%
希薄化後EPS(GAAPベース) 1.20 1.54 (22)%
希薄化後EPS(非GAAPベース) 1.85 1.82 2%

 

第4四半期の業績


 

  • 2014年度第4四半期のブリストル・マイヤーズ スクイブ社の純売上高は、前年同期比4%減の43億ドルとなりました。売却した糖尿病領域における提携を除いた世界売上高は、 6%増(為替影響を調整後9%)でした。
  • 第4四半期の米国純売上高は、前年同期比8%減の21億ドルとなりました。米国外の純売上高は横ばいでした。
  • 第4四半期の純売上高に対する売上総利益の割合は、前年同期の71.3%に対し、77.3%となりました。 この増加は主として、糖尿病領域の売却によるものです。
  • 第4四半期のマーケティング費・販売費・一般管理費は、前年同期比8%増の12億ドルとなりました。
  • 第4四半期の広告販促費は、前年同期比16%減の2億1,300万ドルとなりました。
  • 第4四半期の研究開発費は、主として時期の関係で、前年同期比24%増の12億ドルとなりました。
  • 第4四半期の利益(税金控除前)に対する実効税率は、前年同期の15.4%に対し、145%となりました。当期の所得税には、2014年度全体の特定項目および研究開発に対する税額控除による税制優遇措置の正味金額が含まれています。
  • 第4四半期のブリストル・マイヤーズ スクイブ社に帰属する純利益は、前年同期の7億2,600万ドル(1株当たり0.44ドル)に対し、1,300万ドル(同0.01ドル)でした。当期の結果には、米国における年金債務15億ドルのプルデンシャル社への移管で発生した非現金支出による1株当たり0.28ドル(税引後)の影響が含まれています。
  • 非GAAPベースでは、第4四半期のブリストル・マイヤーズ スクイブ社に帰属する純利益は、前年同期の8億4,200万ドル(1株当たり0.51ドル)に対し、7億7,100万ドル(同0.46ドル)でした。上記の年金関連の支出を含む特定項目の概要は、「非GAAPに基づく財務情報の使用」セクションで説明しています。
  • 2014年12月31日時点の現金、現金等価物、および有価証券は118億ドルであり、純キャッシュポジションは40億ドルとなりました。

 

第4四半期の製品とパイプラインの最新情報


 

第4四半期のブリストル・マイヤーズ スクイブ社の世界売上高には、Eliquis®(エリキュース®)(2億1,000万ドル増)、Yervoy®(41%増)、Orencia®(オレンシア®)(12%増)、Sprycel®(スプリセル®)(9%増)、Daklinza®(ダクルインザ®)とSunvepra®(スンベプラ®)(合計売上高2億700万ドル)が含まれています。

 

オプジーボ® (一般名:ニボルマブ)

 

  • 2015年1月、当社は、前治療歴のある進行期肺扁平上皮がんの患者さんにおいてヒト型抗ヒトPD-1(programmed death receptor-1)モノクローナル抗体であるオプジーボ®をドセタキセルと比較して評価する第III相非盲検無作為化試験が早期終了となったことを発表しました。これは、独立データモニタリング委員会による評価にて、オプジーボ®群が対照群と比較して優れた全生存期間を示し、試験が主要評価項目を達成したと結論されたためです。当社はPD-1免疫チェックポイント阻害薬が肺がんに対して優れた生存期間を初めて示したこれらのデータを保健当局と共有します。
  • 12月、米国食品医薬品局(FDA)がオプジーボ®点滴静注を承認しました。オプジーボ®は、Yervoy投与後、かつBRAF V600変異陽性の場合は、BRAF阻害剤で治療後に病勢進行が認められた切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療を適応としています。この適応は、奏効率と奏効期間に基づき、迅速審査にて承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明し、示すことです。
  • 12月、サンフランシスコで開催された米国血液学会(ASH)年次会議にて、再発性または難治性血液がんの患者さん(n=23)に対してオプジーボ®を評価する進行中の第Ib相臨床試験であるCheckMate-039の患者群から得られた肯定的な結果を発表しました。この結果から、再発性または難治性古典的ホジキンリンパ腫の患者さんにおいて87%(n=20)の奏効率と13%(n=3)の病勢安定という高い抗腫瘍効果が得られました。この結果は、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌(NEJM)に掲載されました。
  • 11月、スイス・チューリッヒで開催された黒色腫研究学会(SMR)の国際会議にて、当社は、未治療のBRAF野生型進行期悪性黒色腫患者(n=418)に対してオプジーボ®を化学療法薬のダカルバジンと比較して評価する第III相無作為化二重盲検試験であるCheckMate-066試験の結果を発表しました。この試験では、全生存期間中央値はオプジーボ®が未達、ダカルバジンが10.8カ月であり、全生存期間の主要評価項目を達成しました。1年生存率は、オプジーボ®の73%に対してダカルバジンは42%であり、オプジーボ®群では死亡リスクが58%低減されました(ハザード比0.42、P<0.0001)。また、オプジーボ®群のPD-L1に対する陽性または陰性に関わらず、生存期間に対する効果が、患者さんに認められました。この結果は、NEJM誌に掲載されました。
  • 10月、シカゴ集学的胸部腫瘍学シンポジウムにおいて、当社は、少なくとも2種類の全身治療後に病勢が進行した進行期肺扁平上皮がんの患者に対してオプジーボ®を単剤として投与する第II相単群非盲検試験であるCheckMate-063試験の結果を発表しました。被験者の65%が治療歴3回以上でした。最低でも約11ヵ月間の追跡調査を行った時点で、独立判定委員会(IRC)がRECIST 1.1の基準を用いて評価した同試験の主要評価項目である客観的奏効率は15%(95%信頼区間8.7~22.2)で、奏効期間の中央値には到達しませんでした。1年生存率は41%(95%信頼区間31.6~49.7)と推定されており、全生存期間の中央値は8.2ヵ月(95%信頼区間6.05~10.91)でした。

 

Eliquis®(エリキュース®)(一般名:アピキサバン)

 

  • 12月、サンフランシスコで開催された米国血液学会(ASH)にて、当社とパートナーのファイザー社は、健康な被験者において、4因子含有プロトロンビン複合体製剤(PCC)によるエリキュース®の抗凝固作用の中和効果を評価する初の臨床試験の結果を発表しました。この試験結果から、Sanquin社のCofact(ヘパリン・フリー製剤)とCSLベーリング社のBeriplex P/N(ヘパリン含有製剤)のどちらにおいても、エリキュース®の定常状態での薬理作用が中和されました。
  • 11月、当社とパートナーのファイザー社は、エリキュース®の抗凝固作用の中和剤としてPortola Pharmaceuticals社が研究中の抗Xa因子阻害剤であるandexanet alfaに関する第III相ANNEXA™-A試験の第1部の結果をPortola Pharmaceuticals社と共同で発表しました。andexanet alfaは、50歳から75歳までの健康な被験者において、エリキュース®の抗凝固作用に対し、ほぼ完全な中和効果を即座に発揮しました(約94%、p<0.0001)。このデータは、シカゴで開催された米国心臓協会(AHA)学術会議で発表されました。

 

ダクラタスビル

 

  • 11月、FDAは、C型肝炎(HCV)治療薬として他の薬剤と併用するNS5A複製複合体阻害薬であるダクラタスビルの新薬承認申請(NDA)に関し、審査完了通知(CRL)を発行しました。当初のダクラタスビルのNDAでは、NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤であるアスナプレビルとの併用に重点を置いていましたが、10月にブリストル・マイヤーズ スクイブ社が米国でアスナプレビルの申請を取り下げたことを受けて、FDAは他の抗ウイルス薬とダクラタスビルの併用によるC型肝炎治療の追加データを要求しています。ダクラタスビルは、日本とEUでDaklinza®(ダクルインザ®)として販売されています。
  • 11月、当社は最も治療困難であるジェノタイプ3型のC型肝炎患者群を、リバビリンなしでダクラタスビルとsofosbuvirを12週間併用投与する画期的なALLY試験の結果を発表しました。本試験において、投与後12週目のウイルス学的著効(SVR12)は、未治療患者さんにおいて90%、既治療患者さんにおいて86%達成されました。このデータはボストンで開催された米国肝臓学会議(AASLD)年次会議で発表されました。
  • 11月、同じくAASLDにて、当社は、幅広いジェノタイプ1型C型肝炎患者さんにおいてダクラタスビルを用いた経口薬のみの3剤配合錠(TRIO)療法(ダクラタスビル、アスナプレビル、およびbeclabuvir)の12週間治療を評価するUNITY試験プログラムのデータを発表しました。肝硬変患者さんを評価したUNITY-2試験では、TRIO療法とリバビリンを併用した肝硬変患者さんのうち、未治療患者さんの98%、既治療患者さんの93%がSVR12を達成し、リバビリンを併用せずにTRIO療法を受けた肝硬変患者さんのうち、未治療患者さんの93%、既治療患者さんの87%がSVR12を達成しました。非盲検のUNITY-1試験において、未治療および既治療の肝硬変のない患者さんを対象とし、リバビリンを併用せずに12週間TRIO療法を行い、24週間の追跡調査を行ったところ、91%の患者さんがSVR12を達成し、未治療患者さんでは92%、既治療患者さんでは89%がリバビリンなしで治癒を達成しました。

 

Orencia®(オレンシア®)(一般名:アバタセプト)

 

  • 11月、ボストンで開催された米国リウマチ学会(ACR)年次会議にて、当社は、抗環状シトルリン化抗体(ACPA)陽性例のうち生物学的製剤およびメトトレキサート未治療症例の中等度から重度までの早期関節リウマチ(RA)患者さんを対象に、オレンシア®とメトトレキサート(MTX)の併用による骨破壊抑制効果を評価した第IIIb相AVERT試験の新たなサブ解析の結果を発表しました。このサブ解析では、ファーストラインの治療としてオレンシア®+メトトレキサート併用療法を受けた早期関節リウマチ患者さんでは、メトトレキサート単剤群と比較して、達成が困難な寛解基準において有意に高い達成率を示し、急速に進行する重度での持続性のびらん性疾患の指標となる抗CCP抗体(ACPA)の産生を抑制し、12カ月目の時点で滑膜炎および骨炎スコアが改善し、12カ月目および18カ月目の時点で骨びらんスコアが改善しました。

 

第4四半期の事業開発の最新情報


 

  • 1月、当社は、2件の第I相/II相臨床試験にてオプジーボ®とSeattle Genetics社の抗体薬物複合体であるAdcetris®(一般名:ブレンツキマシブ ベドチン)の併用療法を評価する提携契約をSeattle Genetics社と締結したことを発表しました。1件目の試験では、再発性または難治性ホジキンリンパ腫治療薬候補としてオプジーボ®とAdcetris®の評価を行い、2件目の試験では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含む再発性または難治性B細胞およびT細胞非ホジキンリンパ腫の患者さんに重点を置きます。
  • 1月、当社は、オプジーボ®とイーライリリー社のTGFベータR1キナーゼ阻害剤であるgalunisertib(LY2157299)の併用の安全性、忍容性、および予備的な有効性を評価する臨床試験に関する提携契約をイーライリリー社と締結したことを発表しました。第I/II相試験では、進行性(転移性および/または切除不能)膠芽腫、肝細胞がん、および肺扁平上皮がんの患者さんを対象に、オプジーボ®とgalunisertibの併用を治療薬候補として評価します。
  • 1月、当社は、カリフォルニア生物医学研究所(Calibr)との間で、新規低分子抗線維化薬を開発する世界的な共同研究契約と、提携によってもたらされるCalibrの前臨床化合物をブリストル・マイヤーズ スクイブ社が開発・製造・販売する独占的ライセンス契約を締結したことを発表しました。
  • 12月、当社とパートナーの小野薬品工業は、協和発酵キリンと共同で、オプジーボ®と抗CCR4抗体であるモガムリズマブの併用を評価する第I相併用試験を実施する提携契約を締結したことを発表しました。この試験は、日本で実施され、進行性または転移性固形腫瘍の患者さんに対する治療薬候補として、オプジーボ®とモガムリズマブの併用の安全性、忍容性、抗腫瘍効果の評価に重点が置かれます。
  • 11月、当社とFive Prime Therapeutics社は、オプジーボ®と、コロニー刺激因子-1受容体を阻害するFive Prime社のモノクローナル抗体であるFPA008を併用した場合の安全性、忍容性、および予備的な有効性を評価する臨床試験に関する独占的提携契約を締結したことを発表しました。この第1a/1b相試験では、オプジーボ®とFPA008の併用について、肺扁平上皮がん、悪性黒色腫、頭頸部がん、膵臓がん、結腸直腸がん、および悪性神経膠腫の患者さんに対する治療薬候補として評価を行います。
  • 11月、当社はアイルランド・ダブリン州のクルーセーラスに生物学的製剤の最先端大規模製造施設を建設する計画を発表しました。この施設では、拡大する生物学的製剤のポートフォリオのために複数の治療薬が製造される予定であり、当社の生物学的製剤の製造能力が大きく向上します。
  • 11月、当社とGalecto Biotech AB社は、Galecto Biotech AB社の株主と共に、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に対し、Galecto Biotech AB社を取得し、リード資産であり、特発性肺線維症の治療薬として第I相開発段階にある新規吸入用ガレクチン-3阻害剤、TD139の世界的な権利を得る独占的権利を認める契約を締結したことを発表しました。
  • 10月、当社とLonza社は、既存の生物学的製剤製造契約を複数年にわたり延長することを発表しました。Lonza社は、ニューハンプシャー州ポーツマスにあるほ乳類細胞培養施設でブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2つ目の生物学的製剤を商業規模で生産する予定です。
  • 10月、当社とF-star Alpha社は、F-star Alpha社の株主とともに、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に対し、F-star Alpha社を取得し、リード資産であるFS102の世界的権利を得る独占的権利を与える契約を締結したことを発表しました。FS102は、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER 2)を標的として開発中の新規治療薬であり、現在の治療に反応しないか、または抵抗性となった十分に定義されたHER2陽性患者さんの乳がんおよび胃がんの治療薬として第I相に入る準備が整っています。
  • Adcetris®は、Seattle Genetics社の登録商標です。
  • ANNEXA™は、Portola Pharmaceuticals社の登録商標です。
  • Beriplex® P/Nは、CSLベーリング社の登録商標です。

 

2015年度の財務見通し


 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2015年度のGAAPと非GAAPのEPS見通しを1.55ドル~1.70ドルに設定しています。GAAPの見通しと非GAAPの見通しのどちらも、現在の為替レートを前提としています。 2015年度の非GAAPの見通しの主な前提条件は、以下のとおりです。

  • 144億ドル~150億ドルの全世界の売上高
  • 約74%の通年の売上総利益率
  • 広告販促費の10%台半ばから後半の減少
  • マーケティング費・販売費・一般管理費の1桁台半ばから後半の減少
  • 研究開発費の1桁台前半の減少
  • 約19%の実効税率

この2015年度財務見通しには、潜在的な戦略的買収や売却、あるいは特定し定量化されていない項目の影響は含まれていません。2015年度の非GAAPの見通しでは、「非GAAP(一般会計原則)に基づく財務情報の使用」で説明するとおり、特定項目を除外しています。特定項目を反映させた値に合わせて調整した非GAAP値の詳細情報は、当社Webサイトの補足資料に記載されています。