BMS logo

プレスリリース

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、2015年度第4四半期および通年の業績を報告

2016/02/03

本資料は、米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2016年1月28日(米国現地時間)に発表しましたプレスリリースの日本語訳(抜粋)をご参考までにお届けするものです。内容につきましては原本である英文が優先します。

  • 第4四半期の売上高は、1%増の43億ドル、通年の売上高は、4%増の166億ドルでした。
  • 第4四半期のGAAP(一般会計原則)の1株当たり損失は0.08ドル、非GAAPベースの1株当たり利益は0.38ドルでした。
  • がん免疫療法領域において、薬事の重要なマイルストーンを達成しました。
    • オプジーボが進行期腎細胞がんの治療薬として、またBRAF V600野生型の転移性悪性黒色腫の一次治療薬として、米国で承認を取得しました。
    • オプジーボとヤーボイの併用療法がBRAF変異の有無にかかわらず転移性悪性黒色腫の治療薬として、米国で承認を取得しました。
    • Emplicitiが多発性骨髄腫の併用療法として、米国で承認を取得しました。
    • 欧州で腎細胞がんにおけるオプジーボの承認申請が受理されました。
    • 頭頸部がん患者を対象にオプジーボを評価する第Ⅲ相臨床試験のCheckMate -141試験において、優れた全生存期間を示したため、早期に終了しました。
  • 2016年度のGAAPベースおよび非GAAPベースの1株当たり利益見通しを2.30ドル~2.40ドルと発表しました。

(米国ニューヨーク、2016年1月28日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(本社:アメリカ・ニューヨーク/ NYSE:BMY)は本日、2015年度第4四半期および通年の業績を発表しました。同期間では、オプジーボ、エリキュース、オレンシアが好調な売上高を記録し、がん免疫療法ポートフォリオが引き続き進展しました。

ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社CEOのジョバンニ・カフォリオ(M.D.)は次のように述べています。「当社は、2015年度にがん免疫療法領域でこれまでにない成果を上げ、全体的に好業績を記録し、今後の成長に向けての戦略的投資を行いました。2016年度もがん免疫療法領域のリーディングカンパニーとして、上市後製品の業績を向上させ、多様な研究開発ポートフォリオを進展させて、充実した1年にしたいと考えています。」

 

第4四半期(EPSのデータ以外は100万ドル単位)


  2015 2014 前年度比
総売上高 $4,287 $4,258 1%
希薄化後EPS (GAAPベース) (0.08) 0.01 **
希薄化後EPS (非GAAPベース) 0.38 0.46 (17%)

**± 100%超

 

通年(EPSのデータ以外は100万ドル単位)


  2015 2014 前年度比
総売上高 $16,560 $15,879 4%
希薄化後EPS (GAAPベース) 0.97 1.20 (19%)
希薄化後EPS (非GAAPベース) 2.01 1.85 9%

 

第4四半期の業績


  • ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2015年度第4四半期は、前年同期比1%増となる43億ドルの売上高となりました。為替変動の影響調整後の全世界売上高は、6%増となりました。
  • 米国における第4四半期の売上高は、前年同期比9%増の23億ドルとなりました。米国外の売上高は7%減でした。為替変動の影響調整後は3%増となりました。
  • 第4四半期の売上高に対する売上総利益の割合は、前年同期の77.3%に対し、77.8%となりました。
  • 第4四半期のマーケティング費・販売費・一般管理費(広告・販促費を含む)は、前年同期比10%増の15億ドルとなりました。
  • 第4四半期の研究開発費は、事業開発取引の費用と進行中の研究開発費(IPRD)の減損費用が拡大したことにより、前年同期比61%増の19億ドルとなりました。
  • 第4四半期の実効税率は、前年同期の145.0%に対し、59.7%となりました。両期間における法人税には、通年の特定項目および研究開発クレジットに起因する税制上の優遇措置が含まれています。
  • 第4四半期のブリストル・マイヤーズ スクイブ社に帰属する純損益は、前年同期の1,300万ドル(1株当たり0.01ドル)の純利益に対し、1億3,800万ドル(同0.08ドル)の純損失でした。今四半期の業績には、Five Prime Therapeutics, Inc.およびCardioxyl Pharmaceuticals, Inc.との事業開発取引の費用(税引後1株当たり0.24ドル)、線維症において研究中の経口リゾホスファチジン酸1受容体拮抗剤であるBMS-986020のIPRD減損による非現金費用、および北米におけるアービタックス事業のイーライ・リリー社への譲渡(税引後1株当たり0.14ドル)が含まれています。
  • 第4四半期のブリストル・マイヤーズ スクイブ社に帰属する非GAAPベースの純利益は、前年同期の7億7,100万ドル(1株当たり0.46ドル)に対し、6億4,700万ドル(同0.38ドル)でした。特定項目の概要は、「非GAAP財務情報の使用」セクションで説明しています。
  • 2015年12月31日時点の現金、現金等価物、および市場性のある有価証券は89億ドルであり、ネットキャッシュポジションは22億ドルとなりました。

 

第4四半期の製品とパイプラインの最新情報


第4四半期のブリストル・マイヤーズ スクイブ社の全世界売上高は2014年第4四半期と比較して、オプジーボ(4億7,000万ドル増)、エリキュース(3億2,100万ドル増)、ダクルインザとスンベプラ(2億5,100万ドル増)、オレンシア(22%増)、スプリセル(8%増)に牽引されました。

 

オプジーボ

  • 1月、当社は、プラチナ製剤抵抗性の再発または転移性頭頸部扁平上皮がん患者においてオプジーボ(一般名:ニボルマブ)と治験担当医師が選択した治療を比較評価した無作為化第Ⅲ相試験(CheckMate -141)について、独立データモニタリング委員会(DMC)が実施した評価により、対照群と比較してオプジーボの投与を受けた患者において優れた全生存期間が認められ、臨床試験の主要評価項目を達成したと結論付けられたため、同試験を早期に終了したことを発表しました。当社は、速やかにこれらのデータを保健当局と共有します。
  • 1月、当社は、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法がBRAF V600野生型(WT)およびBRAF V600変異陽性の切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表しました。無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を主要評価項目である第Ⅲ相 CheckMate -067 試験のデータに基づく今回の承認により、BRAF V600 野生型の切除不能または転移性悪性黒色腫患者さんの治療におけるオプジーボとヤーボイの併用療法の当初の適応が拡大され、BRAF 変異の有無が問われなくなります。この適応は、PFSに基づき、迅速審査により承認されました。この適応の承認の継続条件は、検証試験において臨床的有用性を証明することです。
  • 12月、当社とパートナーの小野薬品工業は、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん患者の治療薬として、日本でオプジーボの製造販売承認を小野薬品工業が取得したことを発表しました。
  • 12月、当社とパートナーのSeattle Genetics, Inc.は、CD30を発現している再発または難治性B細胞およびT細胞非ホジキンリンパ腫患者(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫を含む)を対象としたADCETRIS®(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン)とオプジーボの併用療法の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を開始したことを発表しました。これは、以前に発表した当社とSeattle Genetics, Inc.との共同臨床試験実施契約に基づく2件の試験の2つ目です。
  • 11月、当社は、オプジーボ点滴静注が血管新生阻害剤の治療歴を有する進行期腎細胞がん(RCC)患者の治療用としてFDAの承認を取得したことを発表しました。オプジーボは、血管新生阻害剤の治療歴を有する進行期RCC患者において優れた全生存期間(OS)を示した初めて、そして唯一承認されたPD-1阻害剤です。FDAのブレークスルーセラピー(画期的治療薬)指定に基づくこの承認は、血管新生阻害剤の治療歴を有する進行期RCC患者を対象にオプジーボをエベロリムスと比較評価する非盲検無作為化第Ⅲ相臨床試験であるCheckMate -025試験を根拠としています。
  • 11月、当社は、オプジーボ点滴静注がBRAF V600野生型の切除不能または転移性悪性黒色腫の単剤療法としてFDA承認を取得したことを発表しました。この承認は、未治療のBRAF WTの切除不能または転移性悪性黒色腫患者を対象に、全生存期間を主要評価項目として、化学療法薬(ダカルバジン)との比較評価を行った第Ⅲ相臨床試験であるCheckMate -066試験のデータを根拠としています。これとは別に、当社は、BRAF V600変異陽性の切除不能または転移性悪性黒色腫の未治療患者における単剤療法としてのオプジーボ(一般名:ニボルマブ)の生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)について、米国食品医薬品局(FDA)から審査完了通知(Complete Response Letter)が発行されたことを発表しました。これに基づき、当社は、BRAF V600変異陽性の転移性悪性黒色腫におけるオプジーボのデータを提出しました。
  • 11月、当社は、欧州医薬品庁(EMA)がオプジーボの適応を、治療歴を有する進行期腎細胞がんの成人患者に拡大する適応追加承認申請を受理したことを発表しました。申請の受理により、提出が完了したことが確認され、EMAの中央審査が開始されます。適応追加承認申請は、血管新生阻害剤による治療歴を有する進行期または転移性腎明細胞がん患者において、全生存期間(OS)を主要評価項目として、オプジーボを現在の標準治療であるエベロリムスと比較評価した第Ⅲ相臨床試験であるCheckMate -025試験のデータを根拠としています。
  • 11月、当社は、カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたSociety for Melanoma Research (SMR) 2015 International Congressにて複数の臨床試験の結果を発表しました。
    • CheckMate -066試験-未治療のBRAF野生型切除不能または転移性悪性黒色腫患者を対象に、単剤療法としてのオプジーボをダカルバジンと比較評価したこの試験において、2年生存率がオプジーボ群で57.7%、ダカルバジン群で26.7%となり、オプジーボ単剤療法はダカルバジンに対して全生存期間の優位性を示しました。オプジーボの安全性プロファイルは、これまでの試験と一貫していました。
    • 004試験-切除不能または転移性悪性黒色腫患者を対象とした、オプジーボとヤーボイの併用療法の承認のProof of Conceptとなった用量探索臨床試験で、併用療法として最も長い追跡期間となる第Ⅰ相試験の様々なコホートで、3年の全生存率が68%となりました。治療関連の有害事象発現率は、コホート1~3とコホート8で同等であり、併用療法の第Ⅱおよび第Ⅲ相臨床試験と一貫していました。

 

ヤーボイ

  • 10月、当社は、米国食品医薬品局(FDA)が、リンパ節全摘出を含む局所リンパ節への1 mmを超える病理学的転移を伴う悪性黒色腫患者の根治切除後の術後補助療法として、ヤーボイ10mg/kgを承認したことを発表しました。この承認は、2008年にEORTC : European Organization for Research and Treatment of Cancerによって開始され、術後補助療法としてヤーボイ10mg/kgを評価した第Ⅲ相臨床試験であるCA184-029(EORTC 18071)試験の臨床データに基づいています。

 

Empliciti

  • 11月、当社とパートナーのアッヴィ社は、Emplicitiが1から3種類の前治療歴を有する多発性骨髄腫患者の治療薬として、レブラミド®およびデキサメタゾンとの併用療法としてFDAの承認を取得したことを発表しました。多発性骨髄腫に対する免疫賦活性抗体として初めて、そして唯一の本薬剤の承認は、非盲検無作為化第3Ⅲ相ELOQUENT-2試験のデータに基づいています。この試験では、Emplicitiと レブラミドおよびデキサメタゾンとの併用療法(ERd)が、レブラミドおよびデキサメタゾン併用療法(Rd)と比較して、病勢進行または死亡のリスクを30%低減しました。
  • 12月、当社は、再発または難治性の多発性骨髄腫患者においてELOQUENT-2試験からのEmplicitiとレブラミドおよびデキサメタゾンの併用療法に関する長期フォローデータおよびあらかじめ計画されたOSの中間結果を発表しました。フォローデータから、3年時点のPFS率において44%の相対改善が認められ、2年時点の主要解析結果と一貫していました。また、ERdは、次治療開始までの期間をRdと比較して中央値で1年間遅らせました。このデータは、フロリダ州オーランドで開催された第57回米国血液学会(ASH)年次会議および展示会で発表されました。

 

ダクルインザ

  • 11月、当社は、線維化進行例または肝硬変を有するジェノタイプ3型C型肝炎患者を対象に12週間および16週間にわたってダクルインザとソホスブビルおよびリバビリンの併用療法を評価する第Ⅲ相ALLY-3+試験の結果を発表しました。これによると、線維化進行例コホートに対して12週間投与群と16週間投与群のどちらにおいても、100%のウイルス学的著効(SVR12)を達成しました。肝硬変患者に対するSVR12達成率は、12週間投与群で83%、16週間投与群で89%でした。併用療法群では、有害事象による投与中止例はなく、4例で再発が見られました(16週間投与群で2例、12週間投与群で2例)。死亡は1例(12週間投与群、治療薬との関連性なし)であり、ウイルス再燃例は認められませんでした。この結果は、カリフォルニア州サンフランシスコで開催された米国肝臓学会のLiver Meeting 2015で発表されました。

 

エリキュース

  • 12月、当社とパートナーのファイザー社は、第Ⅲ相AMPLIFY試験の事後サブ解析結果を発表しました。この結果から、エリキュースが再発性の静脈血栓塞栓症(VTE)およびVTE関連死に関して従来療法(初期のエノキサパリンの皮下投与及び、国際標準比2.0~3.0に調整したワルファリンの経口投与による治療法)と同様の有効性を持つことが明らかになりました。投与開始後7日間、21日間、90日間の大出血は、有意に減少しました。このデータは、Thrombosis and Haemostasis誌に掲載されました。

ADCETRIS®は、Seattle Genetics社の登録商標です。レブラミド®は、セルジーン社の登録商標です。

 

事業開発の最新情報


  • 12月、当社は、グローバルなHIV企業であるViiV Healthcareと、多くの治療歴を有する患者に対する治療選択肢として第Ⅲ相試験の開発中のattachment inhibitor(BMS-663068)と、未治療患者と既治療患者を対象に第Ⅱb相試験の開発中のmaturation inhibitor(BMS-955176)を含む研究中のHIV医薬品パイプラインを売却する契約を締結したことを発表しました。これらの取引は、6月に発表したウイルス領域での創薬活動停止の決定を含む当社の戦略的フォーカスの変革に基づいています。
  • 12月、当社は、分子合成センター(BMS-CMS)の設置を含め、プリンストン大学化学部との共同研究を新たに開始することを発表しました。この契約によって、プリンストン大学の研究者と当社が最高水準の合成化学研究に関して協力し、両者の施設が近接していることを活かして研究者の交流や意見交換を促進します。研究プロジェクトでは、双方に利益・便益のある分野を対象に、プリンストン大学の各研究室で培われた経験を活かして、製薬業界における最先端の科学的研究を行います。また、同センターは今後5年間にわたり、毎年1つの研究グループを選定し、資金提供を行います。
  • 11月、当社は、心血管疾患に対する新しい治療薬を創薬・開発する非公開のバイオテクノロジー企業であるCardioxyl Pharmaceuticals, Inc.のすべての発行済み株式を取得する正式契約を発表しました。当社は、12月に買収を完了しました。この買収により、当社は、Cardioxyl Pharmaceuticals, Inc.が急性非代償性心不全の静脈投与薬として第Ⅱ相段階で臨床開発中の新しいニトロキシル(HNO)ドナー(プロドラッグ)の候補化合物CXL-1427に対するすべての権利を取得します。
  • 11月、当社は、Five Prime Therapeutics, Inc.との間で、免疫およびがん領域での適応を目指して第I相開発段階にあるFPA008を含むFive Prime社のコロニー刺激因子-1受容体(CSF1R)抗体プログラムの開発および販売に関し、以前に発表した独占的な世界的ライセンスおよび提携契約を完了したことを発表しました。
  • 当社は、米国におけるがん免疫療法希少がん(I-O RPM)プログラムの一環として、複数の提携を発表しました。
    • 12月、当社は、幅広い初期段階の臨床試験を実施するUCLAのデイヴィッド・ゲフィン医科大学院との契約を発表しました。当社は、UCLA血液・腫瘍学科のUCLAフェローシッププログラム内の職務に資金を提供します。
    • 12月、当社は、幅広い初期段階の臨床試験を実施するオハイオ州立大学総合がんセンターのアーサー・G・ジェームズがん病院およびリチャード・J・ソロブ研究所との契約を発表しました。当社は、オハイオ州立大学医学部および内科学部の血液学および内科腫瘍学フェローシッププログラム内の研修職に資金を提供します。
    • 11月、当社は、幅広い初期段階の臨床試験を実施するジョンズ・ホプキンス大学シドニー・キンメル総合がんセンターとの契約を発表しました。当社は、ジョンズ・ホプキンス大学医学部フェローシッププログラム内の職務に資金を提供します。

 

2016年度の財務見通し


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2016年度のGAAPベースおよび非GAAPベースのEPS見通しを2.30ドル~2.40ドルに設定しています。GAAPベースの見通しと非GAAPベースの見通しのどちらも、現在の為替レートを前提としています。2016年度の非GAAPの見通しの主な前提条件は、以下のとおりです。

  • 全世界売上高の1桁台半ばの増加
  • 約75%~76%の通年の売上総利益率
  • マーケティング費・販売費・一般管理費の1桁台半ばの減少
  • 研究開発費の1桁台後半の増加
  • 21%~22%の実効税率

この2016年度の財務見通しには、潜在的な将来の戦略的買収や売却、あるいは特定および算定されていない項目の影響は含まれていません。2016年度の非GAAPベースの見通しでは、「非GAAP財務情報の使用」で説明するとおり、特定項目も除外しています。特定項目を反映させた値に合わせて調整した非GAAP値の詳細情報は、当社Webサイトの補足資料に記載されています。