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プレスリリース

オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんに対する効能・効果に係る製造販売承認事項一部変更承認申請

2016/07/27

小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁)とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY)は、本日、小野薬品工業株式会社が、ヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体「オプジーボ®点滴静注20mg、100mg(以下、オプジーボ)」について、再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんに対する効能・効果に係る製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたのでお知らせします。

今回の承認申請は、第Ⅲ相無作為化非盲検臨床試験であるCheckMate-141に基づいています。あらかじめ計画されていた中間解析の結果に基づき、この臨床試験は2016年1月に早期有効中止しました。これは、独立データモニタリング委員会が実施した評価により、治験担当医師が選択した治療法と比較して、プラチナ製剤による治療後にオプジーボの投与を受けた再発または転移性頭頸部扁平上皮がん患者群において主要評価項目である全生存期間で有意に延長が認められたと結論付けられたためです。

頭頸部がんは頭頸部領域に発生する悪性腫瘍の総称であり、原発部位には口唇、口腔、鼻腔、副鼻腔、上咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭、大唾液腺、甲状腺および粘膜悪性黒色腫があり、国内における年間患者数(甲状腺がんを除く)は約2万4千人と推定されています*。再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんに対しては、プラチナ製剤を中心とした化学療法が推奨されておりますが、化学療法施行後早期に再発が認められ、局所治療の適応とならない場合において生存期間の延長が検証された治療選択肢がなく、新たな治療選択肢が切望されています。

オプジーボは、世界初のヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体として、2014年7月に「根治切除不能な悪性黒色腫」を効能・効果として、日本で製造販売承認されました。また昨年12月には「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」に対する効能・効果が追加承認されています。さらに、腎細胞がんおよびホジキンリンパ腫についても、すでに国内で承認申請を行っています。海外では、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と協力し、現在、54ヵ国でオプジーボについて当局から承認を受けています。

なお、日本では小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(およびその日本法人であるブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)はがん患者さん向けに複数の免疫療法薬の日本、韓国、台湾での共同開発、共同商業化、共同販売促進を含む戦略的提携関係を結んでいます。

 

CheckMate-141試験について


CheckMate-141試験は、プラチナ製剤による治療歴を有する再発または転移性頭頸部扁平上皮がん患者を対象とし、オプジーボと治験担当医師が選択した治療(メトトレキサート、ドセタキセル、またはセツキシマブ)を比較評価した第Ⅲ相無作為化非盲検臨床試験です。全生存期間(OS)を主要評価項目としたこの試験において、オプジーボ群で30%の死亡リスクの低下が認められ、OSの中央値は、オプジーボ群で7.5カ月(95% 信頼区間:5.5-9.1)であったのに対し、治験担当医師が選択した治療群では5.1カ月(95% 信頼区間:4.0-6.0)でした(ハザード比=0.70 [97.73% 信頼区間:0.51-0.96] p=0.0101])。1年の全生存率は、オプジーボ群の36%に対して、対照群では16.6%でした。また、CheckMate-141試験におけるオプジーボの安全性プロファイルはこれまでの試験結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

 

小野薬品工業株式会社について


小野薬品工業株式会社は、日本の大阪市に本社を置き、特定領域における革新的な医薬品の創製に取り組む研究開発型の製薬企業で、がん領域と糖尿病領域を重点領域として活動しています。詳細については、http://www.ono.co.jp にてご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、http://www.bms.comをご覧ください。

 

小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブ社の提携について


2011年、小野薬品工業株式会社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業株式会社がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利をブリストル・マイヤーズ スクイブ社に供与しました。2014年7月、小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾においてがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

*:独立行政法人 国立がん研究センター、がん対策情報センター、全国がん罹患モニタリング集計 2012年罹患数・率報告(MCIJ2012)