プレスリリース
オプジーボ®点滴静注(一般名:ニボルマブ)再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんに対する国内製造販売承認事項一部変更承認取得
2017/03/24
小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁)とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY)は、本日、小野薬品工業株式会社が、ヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体「オプジーボ®点滴静注20mg、100mg(以下、オプジーボ)」について、「再発又は遠隔転移を有する頭頸部がん」に対する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得しましたのでお知らせします。
頭頸部がんは頭頸部領域に発生する悪性腫瘍の総称であり、原発部位には口唇、口腔、鼻腔、副鼻腔、上咽頭、中咽頭、下咽頭、喉頭、大唾液腺および粘膜悪性黒色腫があり、国内における年間患者数(甲状腺がんを除く)は約2万4千人と推定されています*1。再発または遠隔転移を有する頭頸部がんに対しては、プラチナ製剤による化学療法が第一選択として推奨されています。大多数の患者で局所領域に病勢進行が認められ、50%以上の患者で3年以内に再発が認められています*2-4。プラチナ製剤投与後の早期に再発または転移が認められた患者に対しては、既存治療で全生存期間(OS)の延長が検証された薬剤はなく、新たな治療選択肢が期待されています。
オプジーボは、プラチナ製剤を含む化学療法後に再発または病勢進行した、および局所治療が適応とならない頭頸部がん患者において、対照群(治験担当医師が選択した治療)と比較して、OSの延長を示した世界で初めての治療薬です。さらに、オプジーボは対照群と比較して、生活の質の改善が確認されています。オプジーボは、頭頸部がんの治療薬として日本で承認された初めての免疫チェックポイント阻害薬です。
日本人を含む再発または転移性頭頸部がん患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(ONO-4538-11/CA209141試験)において、主要評価項目である全生存期間(中央値 [95%信頼区間])は、本剤群で7.49 [5.49~9.10]ヵ月と、対照群の5.06 [4.04~6.05]ヵ月に対して統計学的に有意な延長を示しました(ハザード比0.70 [97.73%信頼区間:0.51~0.96]、p=0.0101 [層別log-rank検定])。本試験におけるオプジーボの安全性プロファイルは、これまでの臨床試験の結果と一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
小野薬品工業株式会社は、オプジーボがより適正かつ有効に使用されるために一層の臨床データの蓄積が重要であると考えています。本剤の承認条件に従い、製造販売承認後の使用成績調査(全例調査)を実施し、安全性および有効性に関する臨床データを収集して、本剤の適正使用に必要な措置を講じていきます。
*1:独立行政法人国立がん研究センター、がん対策情報センター、全国がん罹患モニタリング集計2012年罹患数・率報告(MCIJ2012)
*2:Pignon JP, le Maître A, Maillard E, Bourhis J. Meta-analysis of chemotherapy in head and neck cancer (MACH-NC): an update on 93 randomised trials and 17,346 patients. Radiother Oncol 2009; 92:4-14.
*3:Bernier J, Domenge C, Ozsahin M, et al. Postoperative irradiation with or without concomitant chemotherapy for locally advanced head and neck cancer. N Engl J Med 2004; 350: 1945-52.
*4:Cooper JS, Pajak TF, Forastiere AA, et al. Postoperative concurrent radiotherapy and chemotherapy for high-risk squamouscell carcinoma of the head and neck. N Engl J Med 2004; 350: 1937-44.
オプジーボ®点滴静注20mg、100mgの概要
オプジーボ®点滴静注20mg、100mgの概要 | |
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製品名 | オプジーボ®点滴静注20mg、100mg |
一般名(JAN) | ニボルマブ(遺伝子組換え) |
効能・効果 | ・根治切除不能な悪性黒色腫 ・切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌 ・根治切除不能又は転移性の腎細胞癌 ・再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫 ・再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌 |
用法・用量 | 1. 根治切除不能な悪性黒色腫 化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者の場合: 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する。 化学療法既治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者の場合: 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔又は1回2mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静注する。 2. 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する。 |
製造販売 | 小野薬品工業株式会社 |
プロモーション提携 | ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 |
承認条件 | 1. 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。 |
※今回の製造販売承認事項一部変更の承認による改訂箇所は下線で表示
オプジーボについて
オプジーボは、PD-1とPD-1リガンドの経路を阻害することで抗腫瘍免疫応答を再活性化する免疫チェックポイント阻害薬です。日本では、小野薬品工業株式会社が2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売しました。その後、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能または転移性の腎細胞がん、2016年12月に再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する承認を取得しました。また、胃がんについても承認申請しており、食道がん、胃食道接合部がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、悪性胸膜中皮腫、卵巣がん、胆道がんなどを対象とした臨床試験を実施中です。
また、海外においても、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、オプジーボ単剤療法および他の薬剤との併用療法による臨床試験を実施中です。現在、オプジーボは、小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社との連携の下に60ヵ国以上で規制当局からの承認を取得しています。
なお、日本では小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(およびその日本法人であるブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)は、がん患者さん向けに複数の免疫療法薬の共同開発、共同商業化、共同販売促進を含む戦略的提携契約を結んでいます。
小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社の提携について
2011年、小野薬品工業株式会社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業株式会社がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与しました。2014年7月、小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
以上