プレスリリース
オプジーボ®点滴静注(一般名:ニボルマブ)がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する国内製造販売承認事項一部変更承認取得
2017/09/22
小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良暁)とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY)は、本日、小野薬品工業株式会社(以下、当社)が、ヒト型抗ヒトPD-1(programmed cell death-1)モノクローナル抗体「オプジーボ®点滴静注20mg、100mg(以下、オプジーボ)」について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌」に対する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得しましたのでお知らせします。
2017年の国内における胃がんの罹患数は約13.3万人で、死亡者数は約4.7万人と予測されています*。治癒切除不能な進行・再発胃がんにおける薬物治療は、化学療法治療の進歩により高い腫瘍縮小効果(奏効率)が実現できるようになってきた一方で、完全治癒は未だ困難であり、現時点においてもがんの進行に伴う臨床症状の発現時期の遅延及び生存期間の延長が化学療法の治療目標となっている**ことから、本疾患における新規治療薬の必要性は高いと考えられています。
オプジーボは、化学療法の治療歴がある治癒切除不能な進行・再発の胃がんにおいて、世界で初めて全生存期間(OS)の延長を示し、胃がんにおいて世界に先駆けて承認された免疫チェックポイント阻害薬です。日本人を含む標準治療が不応又は不耐の切除不能な進行又は再発胃がん(食道胃接合部がんを含む)患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(ONO-4538-12/ATTRACTION-2試験)において、主要評価項目であるOS(中央値 [95% 信頼区間])は、オプジーボ群で5.26ヵ月(4.60 - 6.37)と、プラセボ群の4.14ヵ月(3.42 - 4.86)に対して統計学的に有意な延長を示しました(ハザード比0.63 [95% 信頼区間:0.51 - 0.78]、p<0.0001 [層別log-rank検定])。12ヵ月の生存率は、オプジーボ群で26.2%、プラセボ群で10.9%でした。グレード3以上の薬剤に関連する有害事象(AE)は、オプジーボ群11.5%、プラセボ群5.6%において発現しました。薬剤に関連するAE(グレードを問わず)により、オプジーボ群2.7%およびプラセボ群2.5%で治験薬の投与が中止されました。
当社は、オプジーボがより適正かつ有効に使用されるために一層の臨床データの蓄積が重要であると考えています。本剤の承認条件に従い、安全性および有効性に関する臨床データを収集して、本剤の適正使用に必要な措置を講じていきます。
*:国立研究開発法人 国立がん研究センター、がん情報サービス(2017年)
http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/short_pred.html
**:日本胃癌学会,胃癌治療ガイドライン第4版
オプジーボ®点滴静注20mg、100mgの概要
製品名 | オプジーボ®点滴静注20mg、100mg |
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一般名(JAN) | ニボルマブ(遺伝子組換え) |
効能・効果 |
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用法・用量 | 1. 根治切除不能な悪性黒色腫 化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者の場合: 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する。 化学療法既治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者の場合: 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔又は1回2mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静注する。 2. 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する。 |
製造販売 | 小野薬品工業株式会社 |
プロモーション提携 | ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 |
承認条件* | 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。 |
注:今回の承認による改訂箇所は下線で表示
*:がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する承認条件
オプジーボについて
オプジーボは、PD-1とPD-1リガンドの経路を阻害することで身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化する免疫チェックポイント阻害薬です。日本では、当社が2014年9月に根治切除不能な悪性黒色腫の治療薬として発売しました。その後、2015年12月に切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、2016年8月に根治切除不能又は転移性の腎細胞がん、2016年12月に再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、及び2017年3月には再発又は遠隔転移を有する頭頸部がんに対する承認を取得しました。また、食道がん、胃食道接合部がん、小細胞肺がん、肝細胞がん、膠芽腫、尿路上皮がん、悪性胸膜中皮腫、卵巣がん、胆道がんなどを対象とした臨床試験を実施中です。現在、オプジーボは、日本、韓国、台湾、米国および欧州連合を含む60ヵ国以上で承認されています。
また、現在、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(BMS)は、350以上の臨床試験におよぶオプジーボの単剤療法または他のがん免疫療治療薬とその他の治療薬との併用療法による臨床開発プログラムを遂行しています。BMSは、固形がんから血液悪性腫瘍まで約50種類以上におよぶがん腫に対してオプジーボを研究しており、トランスレーショナルメディシンに対する能力を駆使し、患者さん一人一人に最大限のベネフィットをもたらすことを目標に取り組んでいます。
なお、日本では当社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社(およびその日本法人であるブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社)は、がん患者さん向けに複数のがん免疫療法薬の共同開発、共同商業化、共同販売促進を含む戦略的提携契約を結んでいます。
小野薬品工業株式会社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社の提携について
2011年、当社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と締結した提携契約により、当時、当社がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与しました。2014年7月、当社とブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。