BMS logo

プレスリリース

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、オプジーボについて、根治切除後のリンパ節転移を伴う又は転移性悪性黒色腫患者の術後補助療法としてFDAの承認を取得

2017/12/21

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2017年12月20日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • オプジーボは、悪性黒色腫の術後補助療法として承認された初めてで唯一の抗PD-1免疫チェックポイント阻害薬であり、BRAF変異陽性および野生型患者の両方を適応としています。
  • 第Ⅲ相CheckMate -238試験において、オプジーボ3mg/kgは、ヤーボイ10mg/kgと比較して優れた無再発生存期間を示し、忍容性も良好1,2でした。

(ニュージャージー州プリンストン、2017年12月20日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、根治切除後のリンパ節転移を伴う又は転移性悪性黒色腫患者の術後補助療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)点滴静注を承認したことを発表しました1。術後補助療法の目的は、腫瘍およびがんが転移したリンパ節の切除後の再発リスクを軽減することです。第Ⅲ相CheckMate -238試験において、オプジーボは、実薬対照であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ)と比較して、術後のステージⅢb/cまたはⅣの悪性黒色腫患者における無再発生存期間(RFS)を有意に改善しました1,2。このベネフィットは、BRAF変異陽性およびBRAF野生型患者の両方を含む重要なサブグループ全体で示されました1。オプジーボは、全生存期間(OS)のベネフィットが実証された実薬対照との直接比較試験に基づき、悪性黒色腫の術後補助療法として承認された初めてで唯一の薬剤です1-3

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、米国コマーシャル部門責任者のJohanna Mercierは、次のように述べています。「本日の承認は、悪性黒色腫における当社のリーダーシップに基づくものであり、早期介入を通じて疾患の経過を変える可能性のある新たな治療選択肢を医師にもたらします。オプジーボは、がん腫を問わず、術後補助療法として承認された初めての抗PD-1免疫チェックポイント阻害薬です。生存ベネフィットが実証され、標準治療として確立されたヤーボイと、オプジーボを比較評価するという決断は、患者さんに対してより効果的な治療法の提供を目指す当社の確固たる取り組みの表れです。」

CheckMate -238試験において、18カ月RFS率は、オプジーボ群で66.4%(95% 信頼区間:61.8 - 70.6)、ヤーボイ群で52.7%(95%信頼区間:47.8 - 57.4)であり、RFSの中央値は両群で未達でした。オプジーボは、ヤーボイと比較して再発リスクを35%軽減しました(ハザード比:0.65;95% 信頼区間:0.53 - 0.80;p <0.0001)1,2

オプジーボと関連した「警告および注意」には、次の事象が含まれています:免疫介在性肺臓炎、免疫介在性大腸炎、免疫介在性肝炎、免疫介在性内分泌障害、免疫介在性腎炎および腎機能障害、免疫介在性皮膚関連副作用、免疫介在性脳炎、その他の免疫介在性副作用、Infusion reaction、胎児毒性。詳細については、ヤーボイの免疫介在性副作用に関する黒枠警告も記載されている「重要な安全性情報」の項目をご参照ください1,3。下記に記載しているCA184-029試験の追加情報もご参照ください。

オプジーボは、2017年9月、根治切除後の高リスク悪性黒色腫患者の術後補助療法として、FDAよりブレークスルーセラピーに指定されました。現在、ステージⅢの悪性黒色腫患者10人のうち、およそ3人が術後補助療法を受けています4。現在利用可能な治療選択肢を用いた場合にも、ステージⅢbおよびⅢcの悪性黒色腫患者の過半数(Ⅲbの71%、Ⅲcの85%)が、5年以内に再発を経験します5

オプジーボは、この患者集団に対する標準治療薬であるヤーボイと比較して、良好な忍容性を含め優越性を示した初めての抗PD-1免疫チェックポイント阻害薬です。全米総合がん情報ネットワーク(National Comprehensive Cancer NetworkⓇ: NCCNⓇ)は、先般、CheckMate -238試験のデータに基づき、根治切除後のステージⅢb/c悪性黒色腫、および根治切除後の遠隔転移又はin-transit転移を伴うステージⅢ悪性黒色腫について、ニボルマブを治療ガイドラインに追記しました6

CheckMate -238試験において、投与の中止につながる有害事象(AE)は、オプジーボ群の9%(452例中44例)、ヤーボイ群の42%(453例中193例)で報告されました。1回以上の投与の見送りにつながる副作用は、オプジーボ群の28%で発現しました。グレード3~4のAEは、オプジーボ群の25%(452例中115例)、ヤーボイ群の55%(453例中250例)で発現しました。重篤な副作用は、オプジーボ群の18%で発現しました1

ニューヨーク大学ランゴン・ヘルスのローラ・アイザック・パールマターがんセンター副所長であり、ニューヨーク大学医学部内科教授のJeffrey S. Weber(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「過去十年間で、がん免疫療法は転移性の悪性黒色腫を含む数多くのがん腫の治療法に変革をもたらしてきました。そして今、私たちは悪性黒色腫の再発を防ぐため、新たな薬剤の使用範囲を拡大させています。悪性黒色腫を手術で切除した場合、その後の補助療法について、医師も患者も同様に頭を悩ませることがあります。その理由は、再発の可能性があるにもかかわらず、術後にはがんを検知することができないためです。この状況に対処するために、イピリムマブよりも毒性の低い、新たな術後補助療法を開発する必要がありました。優れた有効性を示し、ステージⅢおよびⅣの悪性黒色腫に対する幅広い適用性を持つニボルマブは、根治切除後の悪性黒色腫の再発防止における新たな標準治療となる可能性があります。」

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、悪性黒色腫の術後補助療法に免疫チェックポイント阻害剤を用いることを、ヤーボイにおいて先駆けました。先般、局所リンパ節への1mmを超える病理学的転移を有する皮膚悪性黒色腫のリンパ節全摘出を含む根治切除を受けた患者の術後補助療法の適応について、第Ⅲ相CA184-029試験の5年生存率データが、ヤーボイの添付文書に追記されました3。同試験では、5年生存率はヤーボイ群で65%、プラセボ群で54%でした(ハザード比:0.72;95% 信頼区間:0.58 - 0.88;p <0.002)3,7。本解析は中央値5.3年の追跡期間で行われました7

メラノーマ財団AIMの共同創立者兼プレジデントであるValerie Guildは、次のように述べています。「悪性黒色腫の再発予防に対して承認された薬剤があるにもかかわらず、ステージⅢの患者さんの10人中約7人は、術後の治療を受けません。アドボケイトである私は、手術で切除しても再びがんになってしまった患者さんの失望や恐怖を、幾度となく目の当たりにしてきました。本日の承認は、悪性黒色腫が再発しないかもしれないという新たな希望を患者さんにもたらしてくれます。」

 

重要なCheckMate -238試験について


CheckMate -238試験は、ステージⅢb/cまたはステージⅣの悪性黒色腫の根治切除を受けた患者を対象に、オプジーボとヤーボイを比較評価した、進行中の第Ⅲ相無作為化二重盲検臨床試験です1,2。本試験では、患者906例が、オプジーボ3mg/kgを2週間間隔で投与する群(453例)、またはヤーボイ10mg/kgを3週間間隔で4回投与し、その後24週目から12週間間隔で投与する群(453例)のいずれかに、1:1の割合で無作為に割り付けられました1。投与は、再発もしくは忍容できない毒性が認められるまで、または患者が同意を撤回するまで、最大1年間にわたり継続されました。主要評価項目はRFSで、無作為化の時点から最初の再発、新たな原発性悪性黒色腫または死亡の日までと定義されました。本試験は、主要評価項目を達成し、今後、副次評価項目であるOSの評価のため継続されます1。中間解析のデータは、スペイン、マドリードで開催された2017年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)総会において発表され、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌にも同時に掲載されました2

 

CheckMate -238試験:安全性プロファイルの抜粋


オプジーボ群の2%以上で頻繁に報告されたグレード3~4の副作用は、下痢、リパーゼ増加およびアミラーゼ増加でした。オプジーボ群で多く(20%以上)報告された副作用は、疲労、下痢、発疹、筋骨格痛、そう痒症、頭痛、悪心、上気道感染症および腹痛でした。多く報告された免疫介在性副作用は、発疹(16%)、下痢/大腸炎(6%)および肝炎(3%)でした1

 

CA184-029試験、CA184-029試験の安全性プロファイルの抜粋、オプジーボおよびヤーボイの適応症および安全性情報について


CA184-029試験、CA184-029試験の安全性プロファイルの抜粋、米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。

 

オプジーボの臨床開発プログラム


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のグローバル開発プログラムは、がん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全開発段階において、オプジーボの広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床開発プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:がん免疫の科学とオンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的ながん免疫療法(I-O)薬の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。
当社は、がん免疫の科学をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。また、臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする14種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。
がん免疫療法による治療をより多くの患者さんに提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2016年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。

 

脚注


1. Opdivo Prescribing Information. Opdivo U.S. Product Information. Last updated: December 2017. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.

2. Weber J, Mandala M, Del Vecchio M, et al. Adjuvant Nivolumab versus Ipilimumab in Resected Stage III or IV Melanoma. N Engl J Med. 2017 Nov 9; 377(19):1824-1835.

3. Yervoy Prescribing Information. Yervoy U.S. Product Information. Last updated: December 2017 Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.

4. Harlan LC, Lynch CF, Ballard-Barbash R, Zeruto C. Trends in the Treatment and Survival for Local and Regional Cutaneous Melanoma in a US Population-Based Study. Melanoma Res. 2011 Dec; 21(6):547-54.

5. Romano, E., Scordo, M., Dusza, S., Coit, D. and Chapman, P. Site and Timing of First Relapse in Stage III Melanoma Patients: Implications for Follow-Up Guidelines. J Clin Oncol. 2010; 28(18), pp.3042-3047.

6. National Comprehensive Cancer Network Clinical Practice Guidelines in Oncology. Melanoma. October 11, 2017.

7. Eggermont, A, Chiarion-Sileni V, Grob J, et al. Prolonged Survival in Stage III Melanoma with Ipilimumab Adjuvant Therapy. N Engl J Med. 2016 Nov 10; 375:1845-1855.