プレスリリース
オプジーボとヤーボイの併用療法が、重要な第Ⅲ相CheckMate -227試験における腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベルのファーストラインの非小細胞肺がん患者において、化学療法と比較して無増悪生存期間の優越性を示す
2018/02/06
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年2月5日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。
- PD-L1発現の有無にかかわらず、TMBが高レベルのファーストラインの非小細胞肺がん患者おいて、2つのがん免疫療法薬の併用療法による無増悪生存期間を評価し、統計学的に高度に有意なベネフィットが示された初めてで唯一の第Ⅲ相臨床試験です。
- 結果については、規制当局と共有し、今後、開催される学会で発表する予定です。
- 本試験は、計画通り継続され、もう1つの主要評価項目である腫瘍のPD-L1陽性患者における全生存期間について、オプジーボとヤーボイの併用療法を評価します。
(ニュージャージー州プリンストン、2018年2月5日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を化学療法と比較評価した進行中の第Ⅲ相CheckMate -227試験において、PD-L1発現の有無にかかわらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベル(10変異/メガベース以上、以下「mut/mb」)のファーストラインの進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者で、併用療法が無増悪生存期間(PFS)の主要評価項目を達成したことを発表しました。本試験において、TMBは解析的に実証されたアッセイである、Foundation Medicine(Nasdaq:FMI)社のFoundationOne CDxを用いて測定されました。また、全生存期間(OS)の中間解析の結果に基づき、データモニタリング委員会は試験を継続するよう推奨しました。オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、ファーストラインのNSCLCにおけるオプジーボ3mg/kgを2週間間隔および低用量のヤーボイ(1mg/kg)を6週間間隔の併用療法で、これまでに報告されているものと一貫していました。
本試験の治験担当医師であり、メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの腫瘍内科医であるMatthew D. Hellmann (M.D.)は、次のように述べています。「TMBは、免疫療法の活性に対する重要なバイオマーカーとして新たに浮上しました。この第Ⅲ相試験では、TMBが高レベルのNSCLC患者さんという事前に設定された患者集団において、ファーストラインの免疫療法薬の併用療法により、PFSの優越性が初めて示されました。CheckMate-227試験は、TMBが、オプジーボとヤーボイの併用療法に奏効する可能性のあるファーストラインのNSCLC患者さんを識別することができる、重要かつ独立した効果予測バイオマーカーであることを示しました。」
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社 取締役会会長兼CEOのジョバンニ・カフォリオ(M.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -227試験のこれらのデータは、がん研究におけるブレークスルーであり、オプジーボとヤーボイの併用療法から最もベネフィットを受ける可能性のあるファーストラインの肺がん患者さんを特定する上で意義のある進展です。これらの結果は、当社のがんの生物学に対する深い理解、業界をリードするトランスレーショナルメディシンのケイパビリティ、がん患者さんのために新たな治療アプローチを開発するコミットメントを示しています。」
CheckMate -227試験について
CheckMate -227試験は、ファーストラインの進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者2,500例以上を対象に、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの組織型にわたり無作為に割り付け、オプジーボを含むレジメンとプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を比較評価した非盲検第Ⅲ相臨床試験です。この大規模なプログラムは、Part 1a、Part 1bおよびPart 2の3つのPartで構成されています。
Part 1aでは、PD-L1陽性患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法およびオプジーボ単剤療法を化学療法と比較評価しています。Part 1bでは、PD-L1陰性患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法およびオプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価しました。PD-L1の発現レベルは、Dako社が開発したPD-L1免疫組織染色(IHC)28-8 pharmDx検査薬を用いて測定されました。
本日の発表は、オプジーボとヤーボイの併用療法群および化学療法群に関する、Part 1全体の解析結果に基づいています。Part 1では、オプジーボとヤーボイの併用療法について、2つの主要評価項目を設定しました。1つは、PD-L1陽性患者における全生存期間(OS)であり、Part 1aに組み入れられた患者で評価されました。もう1つは、PD-L1発現の有無にかかわらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベルの患者における無増悪生存期間(PFS)であり、Part 1aおよび1bに組み入れられた患者で評価されました。本試験でTMBが評価可能な患者のうち、約45%が高レベル(10 mut/mb以上)のTMBを有していました。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、現在、Foundation Medicine社と提携を結んでおり、今後もこのパートナーシップの下、ファーストラインのNSCLCで適応追加の可能性があるオプジーボとヤーボイの併用療法でのTMBを測定するコンパニオン診断薬として、FoundationOne CDxの承認を取得すべく協働していきます。
Part 2では、広範な患者集団を対象に、OSを主要評価項目として、オプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価しています。
本試験におけるオプジーボとヤーボイの用法・用量は次の通りです:オプジーボ3mg/kgを2週間間隔で投与+低用量のヤーボイ(1mg/kg)を6週間間隔で投与。
腫瘍遺伝子変異量(TMB)について
正常細胞とは異なり、がん細胞では、時間の経過とともに遺伝子変異が蓄積していきます。腫瘍遺伝子変異量(TMB)は、がん細胞における遺伝子変異の総量を示す定量的バイオマーカーです。TMBが高レベルのがん細胞では、ネオアンチゲンの発現レベルが高くなります。ネオアンチゲンは、体の免疫系が腫瘍を認識するのを助け、がんを攻撃するT細胞や抗腫瘍応答を活性化させると考えられています。TMBは、免疫療法薬に患者が奏効するか否かを予測するのに役立つ可能性があるバイオマーカーの1つです。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:がん免疫の科学とオンコロジー研究の最前線
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的ながん免疫療法(I-O)薬の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。
当社は、がん免疫の科学をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。また、臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする14種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。
がん免疫療法による治療をより多くの患者さんに提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州および日本を含む60カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の組み合わせとして初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTubeおよびFacebookをご覧ください。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述
本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボとヤーボイの併用療法がNSCLCの適応で承認される保証や、TMBのコンパニオン診断薬が本リリースに記載された適応について成功裏に開発される保証はありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2016年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。