プレスリリース
オプジーボが、PD-1阻害薬として初めて、主に中国人からなる治療歴を有する非小細胞肺がん(NSCLC)の患者集団において、化学療法と比較して優れた生存ベネフィットを示す
2018/04/16
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年3月27日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。
- 第Ⅲ相CheckMate -078試験において、オプジーボは、化学療法と比較して、死亡リスクを32%低減しました。
- 奏効率は、オプジーボ群(17% )がドセタキセル群(4%)の4倍でした。奏効期間の中央値は、オプジーボ群で未達、ドセタキセル群では5.3カ月でした。
- 主に中国人の進行NSCLC患者からなる集団におけるオプジーボの有効性および安全性プロファイルは、国際共同試験であるCheckMate -017試験および057試験の結果と一貫していました。
(ニュージャージー州プリンストン、2018年4月13日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、治療歴を有する進行非小細胞肺がん(NSCLC)の主に中国人からなる患者集団を対象にオプジーボ(一般名:ニボルマブ)とドセタキセルを比較評価した重要な無作為化第Ⅲ相CheckMate -078試験の結果を発表しました。本試験において、オプジーボは、主要評価項目である全生存期間(OS、ハザード比0.68;97.7% 信頼区間:0.52 - 0.90;p=0.0006)で、ドセタキセルと比較して統計学的に有意なベネフィットを示しました。OSのベネフィットは、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず認められました。また、2つの副次評価項目である奏効率(ORR)および奏効期間の中央値(mDOR)では、ドセタキセルと比較して、オプジーボで持続性が示されました(ORR:オプジーボ群 17% vs ドセタキセル群 4%、mDOR:オプジーボ群 未達 vs ドセタキセル群 5.3カ月)。
結果は、シカゴで開催中の2018年米国がん学会(AACR)年次総会において、4月16日(月)の「Updates in Immuno-Oncology Trials」セッション中、午後4時05分~4時20分(米国中央部夏時間)に発表予定です(抄録番号#CT114)。
CheckMate -078試験の治験責任医師であるYi-Long Wu教授は、次のように述べています。「中国における肺がんの有病率は上昇し続けており、今もがんによる死亡の主要な原因となっています。患者の約90%が中国人からなるCheckMate -078試験の結果で、免疫療法薬であるオプジーボが、化学療法と比較して、全生存期間を含む主な評価項目における転帰を有意に改善できることを初めて示しました。これは革新的な結果であり、これらの患者さんに対する新たな治療アプローチとなる可能性を示しています。」
2017年11月、当社は、治療歴を有するNSCLCの適応に関するオプジーボの生物学的製剤承認申請が、中国国家食品薬品監督管理総局により受理されたことを発表しました。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の胸部悪性腫瘍担当開発責任者であるSabine Maier(M.D.)は、次のように述べています。「オプジーボは、肺がんを対象とした3件の無作為化第Ⅲ相試験において、化学療法と比較して全生存期間のベネフィットを示した唯一のPD-1阻害薬です。
CheckMate -078試験の肯定的結果は、世界の大半の地域においてオプジーボが治療歴を有する扁平上皮がんおよび非扁平上皮NSCLCの標準治療になるきっかけとなった国際共同ランドマーク試験であるCheckMate -017試験および057試験の結果と一貫しており、革新的な医薬品を世界中の患者さんに届けるという私たちのコミットメントを示しています。」
CheckMate -078試験において、グレード3~4の治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は、ドセタセル群と比較して、オプジーボ群で低くなりました(オプジーボ群10% vs ドセタキセル群47%)。グレード3~4のTRAEによる投与の中止率も、ドセタキセル群(5%)と比較して、オプジーボ群(3%)で低くなりました。
2018年AACRで発表されるCheckMate -078試験の追加データ
2018年AACRで発表される追加データには、ドセタキセルと比較したオプジーボの無増悪生存期間が含まれています。本試験において、オプジーボは、化学療法と比較して病勢進行リスクを23%低減しました(ハザード比 0.77;95% 信頼区間:0.62 - 0.95;p=0.0147)。
さらに、腫瘍の組織型およびPD-L1発現レベルごとのサブグループ解析では、ドセタキセルと比較して、オプジーボによるOSの延長が示されました。扁平上皮がん患者におけるOSのハザード比(HR)は0.61(95% 信頼区間:0.42 - 0.89)であり、非扁平上皮NSCLCでは0.76(95%信頼区間:0.56 - 1.04)でした。PD-L1発現レベルが1%未満の患者におけるOSのHRは0.75(95%信頼区間:0.52 - 1.09)であり、1%以上の患者では0.62(95%信頼区間:0.45 - 0.87)でした。
CheckMate -078試験について
CheckMate -078試験は、プラチナ製剤を含む2剤併用化学療法後に病勢進行したステージⅢb/Ⅳの非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、オプジーボとドセタキセルを比較評価した国際共同無作為化第Ⅲ相臨床試験です。試験は主に中国で実施されたほか、香港、ロシア、シンガポールでも実施されました。本試験では、扁平上皮がんおよび非扁平上皮NSCLCの両組織型ならびにPD-L1発現レベルが1%未満および1%以上の患者を含む504例(中国451例、ロシア45例、シンガポール8例)が、オプジーボ3mg/kgを2週間間隔で静脈内投与する群(338例)、またはドセタキセル75 mg/m2を3週間間隔で静脈内投与する群(166例)のいずれかに無作為に割り付けられ、病勢進行もしくは忍容できない毒性が認められるまで投与を継続しました。
主要評価項目は全生存期間(OS)であり、国際共同試験であるCheckMate -017試験およびCheckMate -057試験で示されたOSとの一貫性が含まれました。副次評価項目には、奏効率、無増悪生存期間、治療成功期間、サブグループ全体の有効性、治療に関連する有害事象の発現率、肺がん症状尺度を用いて測定したがんに関連する症状悪化率が含まれました。
CheckMate -057試験および-017試験について
CheckMate -057試験およびCheckMate -017試験は、プラチナ製剤を含む2剤併用化学療法による治療中または治療後に病勢進行した非扁平上皮NSCLC(057試験)および扁平上皮がん(017試験)患者を対象に生存期間を評価した2つの国際共同第Ⅲ相臨床試験です。
肺がんについて
肺がんは、世界的にがんによる死亡の主要な原因となっており、世界保健機関によると、毎年170万人近くの方が亡くなっています。中国において、肺がんは最も罹患率の高いがんであり、2015年には733,000人以上が診断されました。さらに、中国では、肺がん患者の68%が進行期で診断されています。NSCLCは肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ85%を占めています。肺扁平上皮がんは肺がん全体の約25%~30%、非扁平上皮NSCLCは全体の約50%~65%に相当します。生存率は、診断された際の病期(ステージ)とがん腫によって異なります。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:がん免疫の科学とオンコロジー研究の最前線
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的ながん免疫療法(I-O)薬の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。
当社は、がん免疫の科学を進展させており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、業界をリードするトランスレーショナルなケイパビリティを通じて、免疫生物学研究の最前線に立ち、PD-L1、TMB、MSI-H/dMMRおよびLAG-3を含め、効果予測に役立つ可能性のある数々のバイオマーカーを特定し、より多くのがん患者さんへのプレシジョン・メディシン(精密医療)の可能性を推進しています。
がん免疫療法による治療をより多くの患者さんに提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1 免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州 および日本を含む60カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の組み合わせとして初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTubeおよびFacebookをご覧ください。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述
本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボが追加適応の承認を受ける保証はありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2017年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。