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プレスリリース

オプジーボが、CheckMate -141試験で、再発または転移性頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)患者において、標準治療と比較して、持続的な全生存期間(OS)のベネフィットを示す

2018/04/17

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年4月16日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • 最短2年の追跡調査において、オプジーボの投与を受けた患者で死亡リスクが32%低減しました。
  • オプジーボは、現時点においても、再発または転移性頭頸部扁平上皮がん患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験の主要解析において、標準化学療法と比較して統計学的に有意なOSを示した唯一のPD-1阻害薬であり、ベネフィットは長期追跡調査においても持続していました。

(ニュージャージー州プリンストン、2018年4月16日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、プラチナ製剤による治療に不応であった再発または転移性頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)の患者を対象に、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と治験担当医師が選択した化学療法(セツキシマブ、ドセタキセル、またはメトトレキサート)を比較評価した第Ⅲ相無作為化非盲検臨床試験であるCheckMate -141試験の2年生存データを発表しました。最短2年の追跡調査期間において、オプジーボの投与を受けた患者における死亡リスクが32%低減(ハザード比0.68;95% 信頼区間:0.54 - 0.86)し、全生存期間の中央値は、オプジーボ群で7.7カ月(95% 信頼区間:5.7 - 8.8)、標準化学療法群で5.1カ月(95% 信頼区間:4.0 - 6.2)でした。2年生存率は、オプジーボ群で16.9%(95% 信頼区間:12.4 - 22.0)、標準化学療法群では6.0%(95% 信頼区間:2.7 - 11.3)でした。2年の追跡調査におけるオプジーボの安全性プロファイルは、同試験のこれまでの解析結果と一貫していました。

これらのデータは、シカゴで開催中の2018年米国がん学会(AACR)年次総会において、本日、「Updates in Immuno-Oncology Trials」セッションにて午後4時35分(米国中央部夏時間)よりN Hall C(1階)で口頭発表される予定です(抄録番号# CT116)。

がん免疫療法専門医であり、ペンシルベニア州ピッツバーグにあるUPMCヒルマンがんセンター所長であるRobert L. Ferris(M.D.、Ph.D)は、次のように述べています。「がん免疫療法の登場は、標準治療と比較して、頭頸部扁平上皮がんの治療環境を変える可能性を秘めています。本試験でニボルマブが示した持続的な全生存期間のベネフィットは、これまで生存期間の中央値が6カ月に満たなかったSCCHNにおいて、勇気付けられる結果です。」

オプジーボの持続的な全生存期間(OS)のベネフィットは、再発または転移性SCCHNのPD-L1陽性患者および陰性患者の両方で認められました。オプジーボの投与を受けたPD-L1発現レベルが1%以上の患者では、2年時点での死亡リスクが45%(ハザード比 0.55;95% 信頼区間:0.39 - 0.78)低減されました。オプジーボの投与を受けたPD-L1発現レベルが1%未満の患者では、標準化学療法と比較して、2年時点での死亡リスクが27%(ハザード比0.73;95% 信頼区間:0.49 - 1.09)低減されました。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の頭頸部がん担当開発責任者であるShinta Cheng(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「オプジーボは、頭頸部扁平上皮がんにおいて、主要解析で化学療法と比較して有意な全生存期間のベネフィットを示した唯一のがん免疫療法薬です。これらの2年追跡調査のデータは、PD-L1発現レベルおよびヒトパピローマウイルス(HPV)への感染状態にかかわらず、長期にわたり持続した全生存期間のベネフィットを示しています。全生存期間のベネフィットの持続性を示したこれらのデータは、がん患者さんにとって最も重要な長期生存の実現を目指し、研究を続ける当社の継続的なコミットメントを強固にするものです。」

オプジーボ群と治験担当医師が選択した治療群間において、PFS(ハザード比0.87;95% 信頼区間0.68 - 1.11)には統計学的に有意な差は認められませんでした。2年の追跡調査におけるオプジーボの安全性プロファイルは、同試験の過去の解析結果および悪性黒色腫および非小細胞肺がんを対象としたオプジーボのこれまでの試験と一貫していました。グレード3~4の治療に関連する副作用は、オプジーボ群の15.3%、治験担当医師が選択した治療群の36.9%で発現しました。

 

CheckMate -141試験について(抄録番号#CT116)


CheckMate -141試験は、術後補助、術前補助、原発(切除不能局所進行)または転移の段階で、プラチナ製剤による治療中または治療後6カ月以内に腫瘍が進行した再発または転移性SCCHN患者を対象に、オプジーボと治験担当医師が選択した化学療法を比較評価した国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。患者は、HPV感染またはPD-L1発現の状態にかかわらず組み入れられました。患者は、オプジーボ3mg/kgを2週間間隔で60分以上かけて静脈内投与する群(240例)と、治験担当医師が選択した治療法群(メトトレキサート40~60mg/m2を1週間間隔で静脈内投与、ドセタキセル30~40mg/m2を1週間間隔で静脈内投与、またはセツキシマブ400mg/m2を1回静脈内投与した後、250mg/m2を1週間間隔で静脈内投与、計121例)のいずれかに2:1の割合で無作為に割り付けられました。主要評価項目はOSです。副次評価項目には、無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)が含まれています。

 

頭頸部がんについて


頭頸部がんとして知られるがん腫は、通常、口、鼻、喉といった頭頸部内の粘膜表面を覆う扁平上皮細胞から発生します。頭頸部がんは、世界で7番目に多いがん腫であり、毎年40~60万人が新たに診断され、年間22万3,000~30万人が亡くなると推定されています。転移性のステージⅣでは、5年生存率は4%未満と報告されています。頭頸部扁平上皮がん(SCCHN)は、頭頸部がん全体の約90%を占めており、世界的な発症率は、2012年~2022年までに17%上昇するものと予測されています。SCCHNのリスク因子には、喫煙と飲酒が含まれます。欧州および北米では、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染も口腔・咽頭SCCHNの急増要因となっています。SCCHN患者では、生理機能(呼吸、嚥下、飲食)、個人的な特徴(容姿、話し方、声)、感覚機能(嗅覚、聴覚)および心理的・社会的機能が影響を受けるため、多くの場合、生活の質(QOL)に影響が生じます。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:がん免疫の科学とオンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的ながん免疫療法(I-O)薬の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。

当社は、がん免疫の科学を進展させており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、業界をリードするトランスレーショナルなケイパビリティを通じて、免疫生物学研究の最前線に立ち、PD-L1、TMB、MSI-H/dMMRおよびLAG-3を含め、効果予測に役立つ可能性のある数々のバイオマーカーを特定し、より多くのがん患者さんへのプレシジョン・メディシン(精密医療)の可能性を推進しています。

がん免疫療法による治療をより多くの患者さんに提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州および日本を含む60カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の組み合わせとして初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2017年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。