BMS logo

プレスリリース

オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法が、CheckMate-214試験の中および高リスクの進行腎細胞がん患者において有意かつ持続的な健康関連の生活の質の改善を示す

2018/06/04

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年6月1日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • 第Ⅲ相CheckMate -214試験において、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法が、スニチニブと比較して、2年間の追跡調査期間を通じ、患者報告アウトカムのベースラインからの統計学的に有意差を示しました。
  • オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法は、中および高リスクの進行腎細胞がん患者の治療法としてFDAより承認された初めてで唯一のがん免疫療法薬の併用療法です。

(ニュージャージー州プリンストン、2018年6月1日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -214試験から、2年間の追跡調査期間にわたり、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と低用量のヤーボイ(一般名:イピリムマブ)(1mg/kg)のがん免疫療法薬併用療法を受けた中および高リスクの進行腎細胞がん(RCC)患者を、スニチニブ群と比較評価した患者報告アウトカムデータを発表しました。本試験のオプジーボと低用量のヤーボイの併用療法群では、疾患関連症状の有意なベネフィットならびにがん関連の生活の質および健康状態の改善が示されました。これらのベネフィットは、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法による治療の早い段階から示され、投与期間中およびオプジーボ単剤療法による維持療法の期間を通じて大半が維持されました。

現在の標準治療と比較して、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法群では、NCCNによるがん治療機能評価の基準である腎臓がん症状指標(FKSI-19)を用いた腎臓がん症状の報告は、より少数でした。このベネフィットは、ベースライン後の一時点を除き、2年間の追跡調査期間を通じて有意でした(P<0.05)。FKSI-19の総スコアにおける悪化までの期間(TTD)も、スニチニブと比較して、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法で有意に延長されました(ハザード比0.54;95%信頼区間、0.46 - 0.63;P < 0.0001)。

新たな、あらかじめ計画された25週時点のランドマーク解析結果においても、これまでと同様に、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法は、スニチニブと比較してベースラインからの変化について有意なベネフィットを示しました。オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法群の患者において、疾患関連症状、治療による副作用および機能面に関して有意に良好な健康関連の生活の質スコアが示され、FKSI-19総スコアを用いた評価による平均差は3.55(1.65 vs -1.9;P<0.0001)でした。

さらに、がん治療の機能評価(FACT-G)を用いて評価したように、25週時点での両群間の健康関連の生活の質におけるベースラインからの長期的変化においても、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法群で有意な優位性が示され、両群間の総スコアにおける平均差は3.71(1.52 vs -2.19;P<0.0009)でした。FACT-Gの確証結果においても、身体面、機能面、精神面の健康状態を含む多くの評価項目にわたり、併用療法群で有意に高いスコアが示されました。総合すると、これらの結果により、標準治療と比較して、併用療法による有意で一貫した患者報告のベネフィットが示唆されました。

シカゴのノースウェスタン大学フェインバーグ医学部、医療社会科学部門長であり、公衆衛生および医学研究所の患者中心アウトカムセンターのディレクターであるDavid Cella (Ph.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -214試験では、これまでにも、進行腎細胞がん患者さんにおいて、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法による有効性ベネフィットが、全生存期間、奏効率、無増悪生存期間など、数多くの評価項目にわたり示されてきました。今回の解析により、このがん免疫療法薬の併用療法を受けた患者さんが、疾患関連症状の有意な改善とともに、身体面、精神面、機能面の健康状態においても良好な変化が示したことが証明されました。」

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、ワールドワイド医療経済&アウトカム研究のバイスプレジデントのJohn O’Donnell(MPP、Ph.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -214試験における患者報告アウトカムの解析は、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法が、現在の標準治療と比較して、治療効果をもたらすだけでなく、2年間の追跡調査期間を通じて持続した健康関連の生活の質の改善を示したことから、進行腎細胞がん患者さんにとって特に重要であると言えます。これらの結果は、がん免疫療法における当社のリーダーシップ、および患者さんの人生に違いをもたらす治療選択肢を医師にお届けするというコミットメントを裏付けるものです。」

結果は、シカゴで開催中の2018年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、6月4日(月)午前8時~11時30分(米国中部夏時間)、「Developmental Therapeutics—Immunotherapy」ポスターセッション中に発表されます(抄録番号#3073)。

 

CheckMate -214試験について


CheckMate -214試験は、未治療の進行RCC患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法をスニチニブと比較評価した無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。中および高リスクの被験者集団のうち、患者425例は、オプジーボ3mg/kgとヤーボイ1mg/kgを3週間間隔で4回投与され、その後、オプジーボ3mg/kgを2週間間隔で投与されました。患者422例は、スニチニブ50mgを1日1回4週間にわたり投与(1サイクル)され、その後、サイクルごとに2週間休薬して継続投与しました。オプジーボとヤーボイの併用療法の推奨用法・用量は、オプジーボ3mg/kgの投与後にヤーボイ1mg/kgを3週間間隔で、それぞれ同じ日に30分以上かけて4回点滴静注します。4回の併用投与後は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、オプジーボ240mgを2週間間隔または480mgを4週間間隔で30分以上かけて点滴静注します。

本試験の主要評価項目は、中および高リスク患者における全生存期間(OS)、奏効率(ORR:完全奏効(CR) + 部分奏効(PR))および独立放射線評価委員会(IRRC)の評価による無増悪生存期間(PFS)でした。患者は、PD-L1の発現状況にかかわらず組み入れられました。CheckMate -214試験のデータは、2017年9月の欧州臨床腫瘍学会年次総会および2017年11月のがん免疫学会年次総会にて発表されたほか、2018年3月、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌にも掲載されました。

 

腎細胞がんについて


腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんの中で最も一般的な型であり、毎年、米国で15,000人以上の方が亡くなっています。淡明細胞型腎明細胞がんはRCCの中で最も多い型であり、全RCCの70-80%を占めています。RCCは、男性が女性の約2倍発症します。米国において、転移性または進行期の腎臓がんと診断された患者の5年生存率は8%です。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:がん免疫の科学とオンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的ながん免疫療法(I-O)薬の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。

当社は、がん免疫の科学をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。

がん免疫療法による治療をより多くの患者さんに提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州および日本を含む60カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の組み合わせとして初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2017年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。