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プレスリリース

2018年ASCOで発表されるCheckMate -227試験の結果において、オプジーボと化学療法の併用療法が、化学療法と比較して、PD-L1発現レベルが1%未満のファーストラインの肺がん患者で無増悪生存期間の改善を示す

2018/06/05

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年6月4日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • この単一の無作為化臨床試験では、2種類のがん免疫療法薬による併用療法およびがん免疫療法薬と化学療法の併用療法に関する重要な情報も示されました。
  • オプジーボを含む併用療法の両方に関して、腫瘍遺伝子変異量の状態に基づく結果が発表されます。

(ニュージャージー州プリンストン、2018年6月4日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの両方の組織型にわたり、PD-L1発現レベルが1%未満のファーストラインの進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)と低用量のヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法およびオプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価した第Ⅲ相CheckMate -227試験の一部(Part 1b)の結果を発表しました。

データでは、PD-L1発現レベルが1%未満の患者において、オプジーボと化学療法の併用療法群(177例)が、化学療法群(186例)と比較して、無増悪生存期間(PFS)を延長しました(ハザード比 0.74;95% 信頼区間:0.58 - 0.94)。PFSは、本試験のPart 1bのオプジーボと化学療法の併用療法の副次評価項目であり、結果は記述的解析に基づいています。

腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベル(10mut/Mb以上)およびPD-L1発現レベルが1%未満の患者における探索的解析において、1年時点でのPFS率は、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法群(38例)で45%、オプジーボと化学療法の併用療法群(43例)で27%、および化学療法群(48例)で8%でした。TMBが低レベル(10mut/Mb未満)およびPD-L1発現レベルが1%未満の患者において、1年時点でのPFS率は、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法群(52例)およびオプジーボと化学療法の併用療法群(54例)の両群ともに18%、化学療法群(59例)では16%でした。

本試験の治験担当医師であり、フィラデルフィアのフォックス・チェイスがんセンター、胸部腫瘍内科部門長であるHossein Borghaei(D.O.)は、次のように述べています。「CheckMate-227試験によって、2種類のがん免疫療法薬による併用療法およびがん免疫療法薬と化学療法の併用療法を単一のデータセットで評価した結果が、初めてがんのコミュニティに示されました。この結果は、オプジーボと化学療法の併用療法が、PD-L1陰性のファーストラインの肺がん患者さんにおいて、化学療法と比較してPFSを延長したことを示しています。これまでに発表されているCheckMate-227試験のデータ全体と併せ、今回の結果は、TMBの状態からオプジーボを含む併用療法にとって臨床的に重要な情報が得られること、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法によりTMBが高レベルの患者さんに持続的な有効性がもたらされたことを裏付けています。」

CheckMate -227試験のPart 1bの結果は、シカゴで開催中の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、本日、「Lung Cancer—Non-Small Cell Metastatic」口頭抄録セッション中、午後3時12分~3時24分(米国中部夏時間)に発表されます(抄録番号#9001)。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の胸部悪性腫瘍担当開発責任者であるSabine Maier(M.D.)は、次のように述べています。「進展し続ける今日のNSCLCの治療環境において、CheckMate -227試験のオプジーボを含む併用療法に関するデータは、がん免疫療法の科学を引き続き進歩させ、がん免疫療法薬の併用療法によってベネフィットを得られる可能性がある患者さんの特定に向けて、TMBなどの効果予測バイオマーカーに対する理解をより一層深めてくれるものです。」

今回の報告において、グレード3~4の治療に関連する有害事象(TRAE)は、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法群の25%、オプジーボと化学療法の併用療法群の52%、化学療法群の35%で発現しました。オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法群で多く報告されたグレード3~4のTRAEは、肝臓系(8%)、消化器系(3%)、内分泌系(3%)、皮膚系(3%)、下痢(2%)、貧血(2%)、疲労(1%)、無力症(1%)および悪心(1%)でした。オプジーボと化学療法の併用療法群で多く報告されたグレード3~4のTRAEは、貧血(17%)、好中球減少症(12%)、好中球数減少(10%)、疲労(5%)、肝臓系(3%)、食欲減退(2%)、悪心(2%)、消化器系(2%)、下痢(1%)、皮膚系(1%)および内分泌系(0.6%)でした。

 

CheckMate -227試験について


CheckMate -227試験は、ファーストラインの進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの両方の組織型にわたり、オプジーボを含むレジメンとプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を比較評価した非盲検第Ⅲ相臨床試験です。このプログラムは、3つのPartで構成されています。

  • Part 1a:PD-L1陽性患者を対象に、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法またはオプジーボ単剤療法を化学療法と比較評価。
  • Part 1b:PD-L1陰性患者を対象に、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法またはオプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価。
  • Part 2:PD-L1または腫瘍遺伝子変異量(TMB)の状態にかかわらず、オプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価。

Part 1では、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法(化学療法と比較評価)について、2つの主要評価項目を設定しました。1つは、PD-L1陽性患者における全生存期間(OS)(Part 1aに組み入れられた患者で評価)、もう1つは、PD-L1発現の有無にかかわらず、TMBが高レベル(10mut/Mb以上)の患者における無増悪生存期間(PFS)(Part 1aおよび1bに組み入れられた患者で評価)です。

Co-primary endpointであるPFSのデータは、2018年米国がん学会年次総会において発表され、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌にも掲載されました。

本試験のPart 1bにおいて、患者はオプジーボ3mg/kgを2週間間隔で投与+低用量のヤーボイ1mg/kgを6週間間隔で投与する群(187例)、オプジーボ360mgを3週間間隔で投与+プラチナ製剤を含む2剤併用の組織型に基づく化学療法を投与し、続けてオプジーボを単剤投与する群(177例)、およびプラチナ製剤を含む2剤併用の組織型に基づく化学療法を3週間間隔で最長4サイクル投与する群(186例)に、1:1:1の割合で無作為に割り付けられました。TMBは、実証されたアッセイであるFoundationOne CDxを用いて測定されました。

Part 2の主要評価項目はOSです。

 

腫瘍遺伝子変異量(TMB)について


正常細胞とは異なり、がん細胞では、時間の経過とともに遺伝子変異が蓄積していきます。腫瘍遺伝子変異量(TMB)は、がん細胞における遺伝子変異の総量を示す定量的バイオマーカーです。TMBが高レベルのがん細胞では、ネオアンチゲンの発現レベルが高くなります。ネオアンチゲンは、体の免疫系が腫瘍を認識するのを助け、がんを攻撃するT細胞や抗腫瘍応答を活性化させると考えられています。TMBは、免疫療法薬に患者が奏効するか否かを予測するのに役立つ可能性があるバイオマーカーの1つです。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とがん免疫療法:オンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、がん免疫療法(I-O)による治療アプローチを含め、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的な医薬品の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。

当社は、腫瘍細胞および免疫系経路への一体的な科学的理解の進展をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。

ベネフィットを得られる可能性がある多くの患者さんにがん免疫療法薬などの革新的医薬品を提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州および日本を含む60カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の組み合わせとして初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。特に、オプジーボが単剤療法として、もしくはヤーボイまたは化学療法との併用療法としてNSCLCの適応の承認を受ける保証や、TMBのコンパニオン診断薬が本リリースに記載された適応で成功裏に開発される保証はありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2017年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。