BMS logo

プレスリリース

オプジーボ、中国で初めてのがん免疫療法薬として、治療歴を有する非小細胞肺がんの適応症で中国国家医薬品監督管理局から承認を取得

2018/06/18

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2018年6月15日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • 中国で承認された初めてで唯一のPD-1阻害薬であり、肺がんの治療薬として新たにがん免疫療法が加わります。
  • オプジーボは、第Ⅲ相臨床試験において、PD-L1発現および腫瘍の組織型にかかわらず、治療歴を有する非小細胞肺がんの患者を対象に、ドセタキセルと比較して全生存期間の優越性を示しました。

(ニュージャージー州プリンストン、2018年6月15日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、中国国家医薬品監督管理局(CNDA)が、EGFRまたはALKの遺伝子異常がなく、プラチナ製剤を含む化学療法後の局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の治療薬として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)を承認したことを発表しました。オプジーボは、中国において初めてで唯一のPD-1阻害薬であり、登録患者の90%が中国人から成る重要な第Ⅲ相CheckMate -078試験のデータに基づき、化学療法と比較して生存ベネフィットを示した唯一のがん免疫療法(I-O)薬です。

広東省人民医院の終身教授であり、中国胸部腫瘍学グループ会長のYi-Long Wu教授は、次のように述べています。「中国において、肺がんの罹患率と死亡率はがんの中で最も高く、重大な公衆衛生上の問題となっています。肺がん患者さんの大半は、診断時にはすでに進行期にあり、生存期間の延長が重要な目標となります。中国で初めてのがん免疫療法薬としてオプジーボが承認されたことは、治療上の顕著な進展であり、主に中国人から成る治療歴を有するNSCLC患者において生存期間の延長を実証したがん免疫療法薬の治療選択肢を提供するという、患者さんにとっても医師にとっても素晴らしいニュースです。」

今回の承認は、治療歴を有するNSCLC患者を対象に、オプジーボと化学療法を比較評価した第Ⅲ相CheckMate -078試験の結果に基づいており、その結果は、2018年4月の米国がん学会年次総会で発表されました。2017年11月に、独立データモニタリング委員会により、オプジーボが化学療法と比較して全生存期間の優越性を示したと結論付けられたため、同試験は早期に有効中止されました。その後、申請は中国の医薬品審査評価センターにより優先審査されました。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のエグゼクティブ・バイスプレジデント兼最高コマーシャル責任者であるMurdo Gordonは、次のように述べています。「オプジーボは、世界60カ国以上で承認されており、治療歴を有する非小細胞肺がんの世界的な標準治療であり、がん免疫療法によるこの重要な治療選択肢を中国の患者さんと医師の皆さんに提供できることを誇りに思います。患者さんを助けするため迅速に取り組むという共通のコミットメントの下、中国にさらなる医療のイノベーションをもたらすべく、今後もCNDAと連携していきます。」

CheckMate -078試験において、オプジーボは、治療歴を有するNSCLC患者において、化学療法と比較して、主要評価項目である死亡リスクを32%低減しました(ハザード比 0.68;97.7% 信頼区間:0.52 - 0.90;p=0.0006)。同患者集団におけるオプジーボの有効性と安全性のどちらも、指標となる国際共同試験であるCheckMate -017および-057試験の結果と一貫していました。CheckMate -078試験において、グレード3~4の治療に関連する有害事象(TRAE)の発現頻度は、ドセタキセルと比較して、オプジーボでより低い結果でした(オプジーボ10% vs. ドセタキセル48%)。グレード3~4のTRAEにより投与を中止した患者の割合も、ドセタキセル(5%)と比較して、オプジーボ(3%)で低い結果でした。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の腫瘍領域担当開発責任者であるFouad Namouni(M.D.)は、次のように述べています。「中国で治療歴を有する非小細胞肺がん患者さんにおいて、化学療法と比較して全生存期間の優越性を示し、この実証された治療薬であるオプジーボをお届けできることを大変うれしく思っており、患者さんが一日も早くオプジーボの治療を受けられるよう、関係者との連携に注力しています。中国では、一日に7,500人以上ががんで亡くなられていると推定されています。一日も早く革新的治療法を中国の患者さんに提供することを目指し、中国人患者さんの満たされていない治療ニーズを当社のグローバルながん免疫療法の開発プログラムに組み入れるべく、引き続き迅速に取り組んでいきます。」

 

CheckMate -078試験について


CheckMate -078試験は、プラチナ製剤を含む2剤併用化学療法後に病勢進行したステージⅢb/ⅣのNSCLC患者を対象に、オプジーボとドセタキセルを比較評価した国際共同無作為化第Ⅲ相臨床試験です。試験は主に中国で実施されたほか、香港、ロシア、シンガポールでも実施されました。本試験では、EGFR変異がなく、扁平上皮がんおよび非扁平上皮がんの両組織型、ならびにPD-L1発現レベルが1%未満および1%以上の患者を含む504例(中国451例、ロシア45例、シンガポール8例)が、オプジーボ3mg/kgを2週間間隔で静脈内投与する群(338例)、またはドセタキセル75mg/m2を3週間間隔で静脈内投与する群(166例)のいずれかに無作為に割り付けられ、病勢進行もしくは忍容できない毒性が認められるまで投与を継続しました。

主要評価項目は全生存期間(OS)であり、国際共同試験であるCheckMate -017試験およびCheckMate -057試験で示されたOSとの一貫性も含まれました。副次評価項目には、奏効率(ORR)、無増悪生存期間、治療成功期間、サブグループ全体の有効性、治療に関連する有害事象の発現率、肺がん症状尺度を用いて測定したがんに関連する症状悪化率が含まれました。

最短の追跡調査期間は、8.8カ月でした。OSの中央値は、オプジーボ群で12.0カ月、化学療法群で9.6カ月でした(ハザード比 0.68;95% 信頼区間:0.52 - 0.90;p=0.0006)。扁平上皮がん(ハザード比 0.61;95% 信頼区間:0.42 - 0.89)および非扁平上皮がん(ハザード比 0.76;95% 信頼区間:0.56 - 1.04)の両組織型、ならびにPD-L1発現レベルに基づきあらかじめ設定された全サブグループにわたり、ドセタキセルと比較して、オプジーボによるOSの改善が示されました。PD-L1発現レベルが1%以上の患者におけるハザード比は0.62(95% 信頼区間:0.45 - 0.87)、1%未満の患者では0.75(95% 信頼区間:0.52 - 1.09)でした。ORRは、オプジーボ群で17%、ドセタキセル群で4%でした。奏効期間の中央値は、オプジーボ群で未達、ドセタキセル群では5.3カ月でした。オプジーボは、病勢進行のリスクをドセタキセルと比較して23%低減しました(ハザード比 0.77;95% 信頼区間:0.62 - 0.95;p=0.0147)。

 

肺がんについて


肺がんは、世界的にがんによる死亡の主要な原因となっており、世界保健機関によると、毎年170万人近くの方が亡くなっています。非小細胞肺がん(NSCLC)は肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ診断数の85%を占めています。中国では、毎年およそ78万1,000例が新たに肺がんと診断されており、10分に約15人が新たに診断されている計算になります。この数は増加を続け、2020年までには、80万以上が新たに診断され、70万人以上が亡くなられると推定されています。生存率は、診断された際の病期(ステージ)とがん腫によって異なり、5年生存率は5%未満です。ドライバー遺伝子変異のない進行肺扁平上皮がんおよび非扁平上皮NSCLC患者の治療法は極めて限られています。そのため、長期の生存が患者の最も緊急性の高いニーズとなっています。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社とがん免疫療法:オンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、がん治療の未来に関し、がん免疫療法(I-O)による治療アプローチを含め、治療困難ながん患者さんの予後を改善する革新的な医薬品の研究開発に焦点を置いたビジョンを持っています。

当社は、腫瘍細胞および免疫系経路への一体的な科学的理解の進展をリードしており、研究中の化合物および承認済みの医薬品からなる広範囲に及ぶポートフォリオを有しています。臨床開発プログラムにおいては、50以上のがん腫にわたる幅広い患者集団を対象に、様々な免疫系経路を標的とする24種類の分子について臨床研究を進めています。当社は、深い専門知識と革新的な臨床試験デザインにより、複数のがん腫において、I-O/I-O、I-O/化学療法、I-O/分子標的薬およびI-O/放射線療法といった併用療法を進歩させ、治療法の次なる波を一日も早く実現すべく取り組んでいます。また、免疫バイオマーカーの役割に対する理解を深め、患者さんそれぞれの腫瘍が持つ生物学的特性をいかに治療決定の指針として利用することができるかという研究においても、最前線に立ち続けています。

ベネフィットを得られる可能性がある多くの患者さんにがん免疫療法薬などの革新的医薬品を提供するためには、社内のイノベーションだけでなく、この領域を率いる専門家との密接な協働が不可欠です。当社は、臨床現場での標準治療を上回る新たな治療選択肢を臨床現場に提供することを共通の目標として、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、25,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割を理解すること、特に、PD-L1の発現によりオプジーボが患者さんにどのような利益をもたらすかを理解することに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州および日本を含む60カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の組み合わせとして初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、こちらから原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の将来予測等に関する記述


本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。そうした将来予測に関する記述は現在の予想に基づくものであり、遅延、転換または変更を来たす内在的リスクと不確実性を伴っており、実際の成果または業績が現在の予想と大きく異なる結果となる可能性があります。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業に影響を与える多くの不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2017年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新する義務を負うものではありません。