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プレスリリース

オプジーボとヤーボイの併用療法が、進行期悪性黒色腫患者において5年の持続的な生存ベネフィットを示す

がん領域

2019/09/30

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2019年9月28日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の52%が5年時点で生存していました。
  • オプジーボとヤーボイの併用療法を受け、5年時点で生存していた患者の74%が無治療の状態でした。
  • 無作為化対照第Ⅲ相試験において、がん免疫療法(I-O)の併用療法に関する過去最長の追跡調査結果です。

(ニュージャージー州プリンストン、2019年9月28日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -067試験の5年間の結果を発表しました。この結果では、進行期転移性悪性黒色腫患者のファーストライン治療において、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法が、ヤーボイ単剤療法と比較して、引き続き全生存期間の改善を示しました。最短60カ月(5年)の追跡調査において、5年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で52%、オプジーボ単剤療法群で44%、ヤーボイ単剤療法群で26%でした。CheckMate -067試験のデータは、スペインのバルセロナで開催されている2019年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)総会の公式記者プログラムおよびプロファード・ペーパー・セッションにて発表され(講演番号#LBA68_PR、9月28日(土)午前8時30分[中央ヨーロッパ夏時間])、またニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌にも同時掲載されます。

オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルはこれまでの結果と一貫しており、新たな安全性シグナルおよび治療に関連する新たな死亡例は認められませんでした。この5年間の解析では、治療に関連する有害事象は以前に報告されたものと一貫しており、併用療法群の300例(96%)、オプジーボ単剤療法群の271例(87%)、ヤーボイ単剤療法群の268例(86%)で発現しました。グレード3~4の有害事象は、それぞれ186例(59%)、73例(23%)、86例(28%)で発現しました。

奏効を示した患者の割合は引き続き安定しており、奏効率はオプジーボとヤーボイの併用療法群で58%、オプジーボ単剤療法群で45%、ヤーボイ単剤療法群で19%でした。完全奏効を示した患者の割合も引き続き増加し、5年時点での完全奏効率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で22%、オプジーボ単剤療法群で19%、ヤーボイ単剤療法群で6%でした。また、生存しており、無治療の状態にある患者の割合は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で74%、オプジーボ単剤療法群で58%、ヤーボイ単剤療法群で45%でした。

BRAF変異陽性またはBRAF野生型の患者における5年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群でそれぞれ60%、48%、オプジーボ単剤療法群で46%、43%、ヤーボイ単剤療法群で30%、25%でした。健康に関連するQOLは、オプジーボ単剤療法またはオプジーボとヤーボイの併用療法による治療中または治療後も引き続き維持されました。

CheckMate -067試験の治験責任医師であり、ロイヤル・マーズデンNHS財団トラストの腫瘍内科コンサルタントのJames Larkin(FRCP、Ph.D.)は、次のように述べています。「これまで、転移性悪性黒色腫の患者さんにおいて、ポジティブな5年間の生存結果を達成するのは困難なことでした。今回、ニボルマブとイピリムマブの併用療法を受けた患者さんの半数以上が5年間生存し、そのうち74%が無治療の状態であるということに勇気付けられ、新たな先例を示すことができました。」

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のメラノーマおよび泌尿生殖器がん領域の開発責任者であるArvin Yang(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -067試験の5年間のデータにおける持続的かつ長期的な有効性は、がん免疫療法の併用療法の重要性を示しています。5年というマイルストーンを迎えたことは、がん腫にかかわらず、がん患者さんの生存率を大きく改善し、QOLを維持するという当社のミッションの達成に向けた重要な進歩となるものです。」

 

CheckMate -067試験について


CheckMate -067試験は、未治療の進行期悪性黒色腫患者945例を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法またはオプジーボ単剤療法を、ヤーボイ単剤療法と比較評価した無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。併用療法群の患者(314例)は、オプジーボ1mg/kgとヤーボイ3mg/kgを3週間間隔(Q3W)で4回投与した後、オプジーボ3mg/kgを2週間間隔(Q2W)で投与されました。オプジーボ単剤療法群の患者(316例)は、オプジーボ3mg/kg(Q2W)とプラセボを投与されました。ヤーボイ単剤療法群の患者(315例)は、ヤーボイ3mg/kg(Q3W)を4回とプラセボを投与されました。患者への投与は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続されました。全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)は、本試験の共通主要評価項目でした。副次評価項目には、奏効率(ORR)、腫瘍のPD-L1発現レベルごとの有効性、および安全性が含まれました。

 

転移性悪性黒色腫について


悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、がんが皮膚表面だけでなく、他の臓器にも広がった時になります。悪性黒色腫の発生率は、過去30年間にわたり着実に上昇しています。米国では、2019年に192,310人が新たに悪性黒色腫と診断され、悪性黒色腫に関連する死亡数は7,230人を超えると推定されています。世界保健機関は、2035年までに、全世界における悪性黒色腫の発生数が424,102人に達し、関連死亡数は94,308人に上ると推定しています。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に治療すれば大部分が治癒可能です。しかし、所属リンパ節転移がある場合、生存率は約2分の1になります。米国でステージIVの進行期悪性黒色腫と診断された患者の場合、5年生存率は平均15~20%、10年生存率は約10~15%です。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:オンコロジー研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することにフォーカスして研究を行っています。トランスレーショナルサイエンスに基づく独自の学際的アプローチを通じて、がん領域およびがん免疫療法(I-O)研究における豊富な経験を生かし、患者さん一人一人のニーズを満たす革新的治療法を探索しています。当社は、計画的に構築された多様なパイプラインを有しており、さまざまな免疫経路を標的とした分子や、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の複雑かつ特異的な相互作用の開発に取り組んでいます。当社は、I-Oをはじめとする革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeおよびFacebookをご覧ください。

 

将来予測に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴っており、これらを予測することは困難で、制御できないものであり、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果がこれまでの結果と一致するか、オプジーボとヤーボイの併用療法が試験の主要評価項目を達成しない可能性、あるいは本リリースに記載された追加の適応症の承認を現在予想されている予定内に、または全く受けない可能性、また承認された場合は、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業および市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2018年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書に注意事項およびリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、該当する法律で特段の定めのない限り、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。