プレスリリース
オプジーボとヤーボイの併用療法が、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者を対象とした42カ月間の追跡調査において、引き続き生存ベネフィットを示す
がん領域
2020/02/17
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2020年2月15日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。
- CheckMate -214試験の最新の結果で、42カ月時点での生存率は、スニチニブの投与を受けた患者の39%に対し、オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者で50%以上であることが示されました。
- 独立評価委員会による評価で、オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者の完全奏効は、80%以上の患者で持続および継続していました。
- 今回の結果は、未治療の進行または転移性腎細胞がん患者の治療において、がん免疫療法に関する最長の追跡調査の結果です。
(ニュージャージー州プリンストン、2020年2月15日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者を対象にオプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法をスニチニブと比較評価した第Ⅲ相CheckMate -214試験の最新の結果を発表しました。最短42カ月の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)および完全奏効(CR)率において、引き続き良好な結果を示しました。オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでのものと一貫しており、長期追跡調査において新たな安全性シグナルや薬剤に関連した死亡は認められませんでした。本データは、サンフランシスコで開催中の2020年米国臨床腫瘍学会、泌尿器がんシンポジウムにおいて、2月15日(土)に口頭発表される予定です(抄録番号#609)。
オプジーボとヤーボイの併用療法群では、スニチニブ群と比較して、中および高リスク(IP)の患者集団ならびにIntention-To-Treat(ITT、すべて無作為化)集団の両群において、有意な生存ベネフィットが認められました。独立評価委員会による評価で、オプジーボとヤーボイの併用療法群で完全奏効を示した患者のうち、IPの患者集団の84%、ITT集団の86%で完全奏効が持続しました。
IPの患者集団において、オプジーボとヤーボイの併用療法群は以下の通り有意な改善を示しました。
- OS:42カ月時点での生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で52%、スニチニブ群で39%でした[ハザード比 0.66(95%信頼区間:0.55-0.80)]。
- ORR:独立評価委員会による評価で、ORRはオプジーボとヤーボイの併用療法群で42%、スニチニブ群で26%でした(p=0.0001)。
- DOR:DORの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で未達、スニチニブ群で19.7カ月でした(95%信頼区間:16.4-26.4)。
- CR:独立評価委員会による評価で、CRはオプジーボとヤーボイの併用療法群の10%で、スニチニブ群では1%でした。
オプジーボとヤーボイの併用療法を受けたITT集団においても同様の結果が示され、有意な改善が認められました。
- OS:42カ月時点でのITT集団における生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で56%、スニチニブ群で47%でした[(ハザード比 0.7295%信頼区間:0.61-0.86)]。
- ORR:独立評価委員会による評価で、ORRはオプジーボとヤーボイの併用療法群で39%、スニチニブ群で33%でした(p=0.02)。
- DOR:DORの中央値は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で未達、スニチニブ群で24.8カ月でした(95%信頼区間:19.4-27.3)。
- CR:独立評価委員会による評価で、CRはオプジーボとヤーボイの併用療法群の11%で、スニチニブ群では2%でした。
CheckMate -214試験の治験担当医師であり、テキサス大学MDアンダーソンがんセンター、がん医学部門、泌尿生殖器腫瘍内科のNizar M. Tannir(M.D.、FACP)は、次のように述べています。「CheckMate -214試験の今回の42カ月間の追跡調査の結果は、これまでに示されてきた研究成果を後押しするものであり、オプジーボとヤーボイの併用療法が、高いアンメットニーズを抱える進行腎細胞がんの患者さんの生存期間を有意に延長する可能性を示す多数のエビデンスをさらに強固にするものです。特に注目すべきなのは、オプジーボとヤーボイの併用療法を受けた患者さんの完全奏効率が一貫して高く、これらの大多数で、完全奏効が持続したことです。」
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社、泌尿生殖器がん領域の開発責任者であるBrian Lamon(Ph.D)は、次のように述べています。「CheckMate -214試験のこれらの肯定的な結果は、免疫療法薬の2剤併用療法が持つ相互補完的な性質を引き続き示しており、オプジーボとヤーボイの併用療法が患者さんにもたらし得る奏効の深さと持続性をさらに裏付けるものです。当社は、この併用療法が治療困難ながん患者さんにもたらす可能性を引き続き追求していきます。」
CheckMate -214試験について
CheckMate -214試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法をスニチニブと比較評価した無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。併用療法群の患者は、オプジーボ3mg/kgおよびヤーボイ1mg/kgを3週間間隔で計4回投与され、その後オプジーボ3mg/kgを2週間間隔で投与されました。対照群の患者は、スニチニブ50mgを1日1回、4週間投与され、その後2週間休薬した後に、投与を継続しました。患者には、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで投与を継続しました。本試験の主要評価項目は、中および高リスク患者(患者の約75%)における全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)です。
腎細胞がんについて
腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんの中で最も一般的な型であり、毎年、世界で14万人以上の方が亡くなっています。RCCは男性が女性の約2倍発症し、罹患率は北米と欧州で特に高くなっています。世界的に、転移性または進行腎臓がんと診断された患者の5年生存率は12.1%です。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:オンコロジー研究の最前線
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することにフォーカスして研究を行っています。トランスレーショナルサイエンスに基づく独自の学際的アプローチを通じて、がん領域およびがん免疫療法(I-O)研究における豊富な経験を生かし、患者さん一人一人のニーズを満たす革新的治療法を探索しています。当社は、計画的に構築された多様なパイプラインを有しており、さまざまな免疫経路を標的とした分子や、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の複雑かつ特異的な相互作用の開発に取り組んでいます。当社は、I-Oをはじめとする革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
ヤーボイについて
ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CLTA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイはCTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞の活性化と増殖など、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、ヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として50ヵ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。
オプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について
ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の完全子会社です。米国以外の数カ国では、各国の法律により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、それぞれ、セルジーン社(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社)、ジュノ・セラピューティクス社(ブリストル・マイヤーズ スクイブ社)と称されています。
将来予測に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴っており、これらを予測することは困難で、制御できないものであり、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、オプジーボとヤーボイの併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業および市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2018年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書に注意事項およびリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、該当する法律で特段の定めのない限り、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。