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プレスリリース

抗造血器悪性腫瘍剤レブラミド®、リツキシマブとの併用療法における再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫に対する効能・効果及び用法・用量に係る医薬品製造販売承認事項一部変更承認を取得

がん領域

2020/02/21

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

当社はグループ会社であるセルジーン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ジャン=クリストフ・バルラン)が、本日、抗造血器悪性腫瘍剤レブラミド®カプセル2.5mg、同5mg(一般名:レナリドミド水和物、以下レブラミド®)について、リツキシマブとの併用療法における再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫に対する効能・効果及び用法・用量追加に係る医薬品製造販売承認事項一部変更承認を取得したことをお知らせいたします。

血液がんの一つである悪性リンパ腫は、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、本邦においてはそのうちの90%以上が非ホジキンリンパ腫です1。非ホジキンリンパ腫は由来する細胞及び悪性度によって分類され、その中に低悪性度リンパ腫に分類される濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫があります。これらのリンパ腫は、寛解と再発を繰り返しながら比較的緩やかに進行していきますが、再発を繰り返す中で、治療に対して抵抗性や難治性を示すようになるため、新たな治療選択肢の登場が望まれています。

今回の承認は、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫患者さんを対象にレブラミド®+リツキシマブ併用療法(R2療法)の有効性及び安全性をリツキシマブ+プラセボと比較した国際共同第3相試験(NHL-007試験;AUGMENT試験)の結果に基づいています。

AUGMENT試験の結果、R2療法は、リツキシマブ単独群に比べて主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の有意な延長が認められました2。また、R2療法の安全性プロファイルは、レブラミド®及びリツキシマブの既知の安全性プロファイルとも大きな違いはなく、新たな安全性上の問題は認められませんでした。

今回のレブラミド®のリンパ腫領域における効能・効果追加承認は、血液がんに注力してきた両社にとっては重要なマイルストーンです。濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫の新たな治療選択肢として患者さんの治療に貢献できるよう本剤の適正使用の推進に取り組んでまいります。

 

【製品概要】(下線が今回の承認で追加記載された部分)


販売名 レブラミド®カプセル 2.5mg
レブラミド®カプセル 5mg
一般名 レナリドミド水和物
効能又は効果 ○多発性骨髄腫
○5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群
○再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫
用法及び用量 〈多発性骨髄腫〉
デキサメタゾンとの併用において、通常、成人にはレナリドミドとして1日1回25mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈5番染色体長腕部欠失を伴う骨髄異形成症候群〉
通常、成人にはレナリドミドとして1日1回10mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉
通常、成人にはレナリドミドとして1日1回25mgを連日経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈再発又は難治性の濾胞性リンパ腫及び辺縁帯リンパ腫〉
リツキシマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはレナリドミドとして1日1回20mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして最大12サイクルまで投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

 

 

レブラミド®について


レブラミド®は、経口の免疫調節薬(IMiDs®)で、サイトカイン産生調節作用、造血器腫瘍細胞に対する増殖抑制作用、血管新生阻害作用等の薬理作用を持つと考えられています。なお、本剤は、ヒトでの催奇形性を有する可能性があることから、日本では胎児への曝露を避けるため、適正管理手順「レブメイト®」を定め、医療関係者、患者さんとご家族等全ての関係者が遵守することとなっています。

 

AUGMENT試験について


AUGMENT試験は、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫又は辺縁帯リンパ腫の患者さんを対象にレブラミド®+リツキシマブとの併用療法(R2)の有効性及び安全性をリツキシマブ+プラセボ療法を比較する第3相二重盲検ランダム化比較試験です。本試験は辺縁帯リンパ腫又はグレード1、2、3aの濾胞性リンパ腫と診断され、1種類以上の全身化学療法、免疫療法又は化学免疫療法による治療歴を有し、2回以上のリツキシマブ投与歴のある患者さんを組み入れました。患者さんは、全身療法による治療後に再発、難治性又は病勢進行が確認されており、リツキシマブに難治性ではない患者さんです。

主要評価項目は、国際ワーキンググループ効果判定基準(IWGRC)2007に基づく独立審査委員会判定によるPFSで、ランダム化割付け日から病勢進行又はあらゆる原因による死亡のいずれかが最初に認められた時点までの期間と定義されました。副次及び探索的評価項目は、全奏効割合、持続的完全寛解割合、完全寛解割合、奏効持続期間、完全寛解持続期間、全生存期間、無イベント生存期間及び次のリンパ腫治療までの期間等でした。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブに関する詳細は、BMS.com、または、LinkedInTwitterYouTubeFacebookInstagramをご覧ください。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2019年11月20日付でセルジーン社の買収を完了し、現在は日本での統合計画を進めています。

 

参考文献

1. 一般社団法人 日本血液学会 編. 造血器腫瘍診療ガイドライン2018年版. 金原出版株式会社; 2018.
2. レブラミド®カプセル2.5mg、同5mg 添付文書2020年2月改訂(第1版、効能変更)