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プレスリリース

CheckMate -227試験の3年間のデータで、PD-L1発現率が1%以上のファーストラインの進行非小細胞肺がん患者において、オプジーボとヤーボイの併用療法が化学療法と比較して、持続的な長期生存ベネフィットを示す

がん領域

2020/05/14

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社が2020年5月13日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • オプジーボとヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して、全生存期間の持続的な改善を引き続き示し、最短3年間の追跡調査で、PD-L1発現率にかかわらず、生存率は33%でした。
  • オプジーボとヤーボイの併用療法の奏効期間は、PD-L1発現レベル(1%未満または1%以上)にかかわらず、化学療法の3倍以上でした。
  • PD-L1発現率が1%未満および1%以上の患者で、ファーストラインの非小細胞肺がんを対象とした免疫療法薬の併用療法による第Ⅲ相試験の最長の追跡調査の結果が、2020年ASCOで発表されます。

(ニュージャージー州プリンストン、2020年5月13日)-ブリストル・マイヤーズ スクイブ社(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法が、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者のファーストラインの治療薬として、全生存期間(OS)および他の有効性評価項目において持続的な改善を示した第Ⅲ相CheckMate -227試験のPart1の3年間の追跡調査の結果を発表しました。3年以上の追跡期間の時点(中央値:43.1カ月)で、PD-L1発現率が1%以上の患者において、オプジーボとヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して、引き続き生存ベネフィットを示しました[ハザード比(HR):0.79;95%信頼区間(CI):0.67 - 0.93)]。この患者集団の3年生存率は、オプジーボとヤーボイの併用療法群で33%、化学療法群で22%でした。また、オプジーボとヤーボイの併用療法はこれらの患者の病勢進行または死亡を遅延させ、3年無増悪生存(PFS)率は、併用療法群で18%、化学療法群では4%でした。

PD-L1発現率が1%以上の患者で、オプジーボとヤーボイの併用療法群の奏効率は38%で、奏効開始から3年間奏効が持続したのに対し、化学療法群の奏効率は4%でした。これらの奏効は、治験実施計画書に基づく、最長2年間のオプジーボとヤーボイの併用療法後の無治療期間でも持続していました。奏効例によるOSの探索的ランドマーク解析では、PD-L1発現率が1%以上で、6カ月までにオプジーボとヤーボイの併用療法に完全奏効または部分奏効を示した患者の3年生存率が70%であったのに対し、化学療法群では39%でした。

PD-L1発現率が1%未満の患者での探索的解析においては、3年生存率はオプジーボとヤーボイの併用療法群で34%、化学療法群では15%でした(HR 0.64;95% CI:0.51 - 0.81)。さらに、割り付け時点からの無増悪生存率は、併用療法群で13%、化学療法群で2%でした。奏効開始から3年間奏効が持続した患者の奏効率は、併用療法群で34%、化学療法群では0%でした。

オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、NSCLCを対象とした試験でこれまでに報告されたものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。これらの結果(抄録番号#9500)は、5月29日~31日にオンラインで開催される2020年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、口頭発表される予定です。

CheckMate -227試験の治験担当医師であり、エモリー大学ウィンシップがん研究所の副所長、エモリー大学医学部のがん研究副学部長であるSuresh S. Ramalingam(M.D.)は、次のように述べています。「非小細胞肺がんは複雑で悪性度の高い疾患であり、近年治療法は進歩しているものの、患者さんは依然として、長期生存ベネフィットをもたらし得るさらなる治療選択肢を必要としています。CheckMate -227試験の3年間の結果は、ニボルマブとイピリムマブの併用療法が、非小細胞肺がんのファーストライン治療薬として持続的な生存ベネフィットをもたらすというエビデンスを示しており、このデータは、PD-1およびCTLA-4の両方を阻害することが、特定の患者さんに深く持続的な奏効をもたらし得る科学的な根拠をさらに裏付けるものです。」

また、最短3年間の追跡調査において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、PD-L1発現率が1%以上の患者ではオプジーボ単剤療法と比較して、PD-L1発現率が1%未満の患者ではオプジーボと化学療法の併用療法と比較して、引き続きベネフィットを示しました。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の腫瘍臨床開発担当バイスプレジデントであるNick Botwood(M.D.)は、次のように述べています。「現在、オプジーボとヤーボイの併用療法は、進行非小細胞肺がん、悪性黒色種および腎細胞がんの三つのがん腫における第Ⅲ相試験において長期間の全生存期間の結果が得られており、ファーストラインの悪性胸膜中皮腫を対象としたピボタルな試験およびファーストラインの非小細胞肺がんを対象とした二つ目の試験においても肯定的なデータが得られています。これらに加えて、PD-L1発現患者において主要評価項目である全生存期間を達成したことで、オプジーボとヤーボイの併用療法の五つ目の適応となるファーストラインの非小細胞肺がんの治療薬として、米国食品医薬品局による承認取得を目指しています。このような背景から、CheckMate -227試験のPart1の3年間のデータは、免疫療法薬の2剤併用療法による持続的なベネフィットに関するエビデンスをさらに強固にするものです。」

オプジーボとヤーボイの併用療法は、相乗的な作用機序を特徴とし、がん細胞を攻撃するために二つの異なるチェックポイント(PD-1とCTLA-4)を標的とする免疫チェックポイント阻害薬の2剤併用療法です。ヤーボイはT細胞の活性化と増殖を促し、オプジーボはT細胞によるがん細胞への攻撃を助けます。ヤーボイにより活性化したT細胞の一部はメモリーT細胞となり、長期の免疫反応を可能にします。

 

CheckMate -227試験について


CheckMate -227試験は、ファーストラインの進行非小細胞肺がん患者を対象に、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの組織型にかかわらず、オプジーボを含むレジメンとプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法を比較評価した複数のパートで構成された非盲検第Ⅲ相臨床試験です。

Part1では、オプジーボとヤーボイの併用療法(化学療法と比較)について、二つの主要評価項目を設定しました。一つは、PD-L1発現患者における全生存期間(OS)(Part1aに組み入れられた患者で評価)、もう一つは、PD-L1発現の有無にかかわらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が10変異/メガベース(mut/Mb)以上の患者における無増悪生存期間(PFS)(Part1aおよび1bに組み入れられた患者で評価)です。患者には以下の用量を投与しました。

  • Part1a:PD-L1発現(PD-L1発現率が1%以上)患者を対象に、オプジーボ(3mg/kgを2週間間隔)と低用量のヤーボイ(1mg/kgを6週間間隔)の併用療法またはオプジーボ単剤療法(240mgを2週間間隔)を化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)と比較評価。
  • Part1b:PD-L1非発現(PD-L1発現率が1%未満)患者を対象に、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法またはオプジーボ(360mgを3週間間隔)と化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)の併用療法を化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)と比較評価。

Part1では、主要評価項目であるPFS(PD-L1発現の有無にかかわらず、TMBが高レベル(10mut/Mb以上)の患者において、オプジーボとヤーボイの併用療法と化学療法を比較)およびOS(PD-L1発現率が1%以上のファーストラインのNSCLC患者で、オプジーボと低用量のヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して、良好なベネフィットを示した)の両方を達成しました。

 

肺がんについて


肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっています。肺がんは、小細胞肺がんと非小細胞肺がんの2種類に大きく分類されます。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ84%を占めています。生存率は、診断された際の進行度(ステージ)とがんの種類によって異なります。転移性肺がんと診断された患者の5年生存率は約5%です。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社:がん研究の最前線


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治癒を実現することを目標にがん研究を行っています。サイエンスにおける豊富な経験を生かし、最先端の技術と創薬プラットフォームを駆使して、患者さんのために革新的な治療法を開発し、提供しています。

当社は、血液疾患領域およびがん免疫領域における革新的な研究と実績を通じて、さまざまながん腫において生存期間の改善をもたらすとともに、さまざまな治療法を探索し、豊富かつ多様なパイプラインを構築しています。免疫細胞療法の分野においては、多数の疾患でCAR-T細胞療法を導入し、細胞・遺伝子治療の標的の発見や技術の発展につながる早期パイプラインを拡大しています。また、多発性骨髄腫における承認済の療法、および早期・中期開発段階にある有望な化合物を生み出す基盤として、タンパク質ホメオスタシスなどの新たなプラットフォームを活用し、主要な生物学的経路を標的としたがん治療法の研究を進めています。当社は、さまざまな免疫経路を標的とした治療法の開発に取り組み、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の相互作用に着目することで、より多くの患者さんが奏功を示す治療を提供できるよう、更なる進化を目指しています。このような複数の治療アプローチを融合させることは、がん治療の新たな選択肢を提供し、免疫療法に対する耐性を克服するために重要です。当社は、革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社のがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

ヤーボイについて


ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CLTA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイはCTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞の活性化と増殖など、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、ヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として50ヵ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。

 

オプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社と小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ社について


ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ社に関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫する可能性、またオプジーボとヤーボイの併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社の事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル・マイヤーズ スクイブ社の2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。