プレスリリース
オプジーボ、第Ⅲ相CheckMate -274試験において、プラセボと比較して高リスク筋層浸潤性尿路上皮がん患者の術後補助療法で有意に無病生存期間を改善
がん領域
2020/09/25
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2020年9月24日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。
- CheckMate -274試験の中間解析で、オプジーボは、全無作為化患者およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者の両患者集団において、無病生存期間の主要評価項目を達成しました。
- オプジーボは、膀胱がん、悪性黒色腫および食道・胃食道接合部がんの3つのがん腫の術後補助療法において臨床的に意義のある有効性を示しました。
(ニュージャージー州プリンストン、2020年9月24日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、高リスク筋層浸潤性尿路上皮がん患者の術後補助療法としてオプジーボ(一般名:ニボルマブ)を評価したピボタルな第Ⅲ相CheckMate -274試験において、オプジーボが、プラセボと比較して、全無作為化患者およびPD-L1(programmed death-ligand 1)発現レベルが1%以上の患者の両集団において、無病生存期間(DFS)を改善し、主要評価項目を達成したことを発表しました。CheckMate -274試験は、これらの患者の術後補助療法として、免疫療法薬が再発リスクを低減した最初で唯一の第Ⅲ相試験です。オプジーボの安全性プロファイルは、これまでに固形腫瘍の試験で報告されたものと一貫していました。
マウントサイナイ・アイカーン医科大学、ティッシュがん研究所、膀胱がんセンター・オブ・エクセレンス共同ディレクター、新治療法ユニット長、泌尿生殖器がん腫瘍内科部長であり内科教授のMatthew Galsky(M.D.)は、次のように述べています。「現在の治療法では、膀胱がん患者さんの50%以上が術後に再発し、毎年、20万人近い患者さんが亡くなっています。免疫療法などの進歩は、治療歴を有する進行尿路上皮がんを含め、増加傾向にあるがん腫の患者さんに希望をもたらしています。CheckMate -274試験の肯定的結果により、ニボルマブが、術後補助療法における新たな標準治療となり、切除後の筋層浸潤尿路上皮がん患者さんの無病生存期間を化学療法を行わず延長する可能性が示されました。」
ブリストル マイヤーズ スクイブ、オプジーボ開発担当バイスプレジデントのMark Rutsteinは、次のように述べています。「免疫療法の科学を進歩させていく中で、私たちは、一般に免疫系がより完全な状態にあり高い応答を示し得るがんのより早期の段階で、これらの治療法が重要な役割を果たす可能性を見いだしています。CheckMate -274試験の肯定的結果により、オプジーボが、私たちの早期がんに対する広範囲にわたる開発プログラムの一環として、膀胱がん、悪性黒色腫および食道・胃食道接合部がんの3つのがん腫の術後補助療法において有効性を改善したことになります。本試験にご参加いただき、私たちの科学的な理解を深めることに貢献してくださった患者さんおよび治験担当医師に感謝の意を表明したいと思います。」
ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -274試験のデータの全評価を完了させ、今後、治験担当医師と協力し、学会で結果を発表していくとともに、保健当局にデータを提出していく予定です。CheckMate -274試験は計画どおり継続され、今後、全生存期間および疾患特異的生存期間を含む副次評価項目の解析を行います。
CheckMate -274試験について
CheckMate -274試験は、根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとプラセボを比較評価した多施設無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。患者の特性に応じて、登録された患者は切除前に術前化学療法を受けている場合もありますし、受けていない場合もあります。患者709例が、オプジーボ群またはプラセボ群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、最長1年間の投与を受けました。本試験の主要評価項目は、全無作為化患者(すなわちIntention-To-Treat集団)およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者サブセットにおけるDFSです。主な副次評価項目は、全生存期間、非尿路上皮無再発生存期間および疾患特異的生存期間です。
尿路上皮がんについて
膀胱の内側に並ぶ細胞で最も多く発生する尿路上皮がんは、世界で10番目に多いがん腫であり、毎年約55万人が新たに診断されています。膀胱に加えて、尿路上皮がんは、尿管および腎盂を含む尿路の他の部分に発生する可能性があります。尿路上皮がんの大多数は早期に診断されますが、再発率と病勢進行率が高くなっています。手術を受けた患者の50%以上が再発します。転移性がんのファーストライン治療で奏効の持続性が良好でないことが、転移性がんの治療における大きな課題となっています。また、進行尿路上皮がん患者のセカンドライン治療には、限られた治療選択肢しかありません。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん研究の最前線
ブリストル マイヤーズ スクイブは、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することを目標にがん研究を行っています。サイエンスにおける豊富な経験を生かし、最先端の技術と創薬プラットフォームを駆使して、患者さんのために革新的な治療法を開発し、提供しています。
当社は、血液疾患領域およびがん免疫領域における革新的な研究と実績を通じて、さまざまながん腫において生存期間の改善をもたらすとともに、さまざまな治療法を探索し、豊富かつ多様なパイプラインを構築しています。免疫細胞療法の分野においては、多数の疾患でCAR T細胞療法を導入し、細胞・遺伝子治療の標的の発見や技術の発展につながる早期パイプラインを拡大しています。また、多発性骨髄腫における承認済の療法、および早期・中期開発段階にある有望な化合物を生み出す基盤として、タンパク質ホメオスタシスなどの新たなプラットフォームを活用し、主要な生物学的経路を標的としたがん治療法の研究を進めています。当社は、さまざまな免疫経路を標的とした治療法の開発に取り組み、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の相互作用に着目することで、より多くの患者さんが奏功を示す治療を提供できるよう、更なる進化を目指しています。このような複数の治療アプローチを融合させることは、がん治療の新たな選択肢を提供し、免疫療法に対する耐性を克服するために重要です。当社は、革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb Company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb Company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫する可能性、オプジーボが本プレスリリースに記載された追加の適応症で承認されない可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。