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プレスリリース

ブリストル マイヤーズ スクイブ、切除後の高リスク悪性黒色腫患者を対象にオプジーボとヤーボイの併用療法をオプジーボの単剤療法と比較評価したCheckMate -915試験の最新情報を発表

がん領域

2020/10/05

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2020年10月2日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

 

(ニュージャージー州プリンストン、2020年10月2日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、根治切除後のステージⅢB/C/DまたはステージⅣの悪性黒色腫患者を対象に、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法をオプジーボと比較評価した無作為化第Ⅲ相CheckMate -915試験の主要評価項目の一つの結果を発表しました。本試験において、オプジーボとヤーボイの併用療法は、オールカマー(Intent-To-Treat)集団での無再発生存期間(RFS)で統計学的に有意な改善を示しませんでした。CheckMate -915試験により、術後補助療法における標準治療としてオプジーボの単剤療法で確立されたベネフィットが裏付けられました。オプジーボの単剤療法およびオプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、本試験の用量および投与スケジュール(最長1年間、オプジーボ240mgを2週間間隔で静注とヤーボイ1mg/kgを6週間間隔で投与、またはオプジーボ480mgを4週間間隔で投与)で、これまでに報告されている試験のものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

ブリストル・マイヤーズ スクイブの腫瘍領域臨床開発責任者兼バイスプレジデントであるSabine Maier(M.D.)は、次のように述べています。「私たちは、悪性黒色腫におけるオプジーボおよびヤーボイの両製剤の実績を誇りに思います。オプジーボとヤーボイは、それぞれ適格な悪性黒色腫患者さんに対する術後補助療法での単剤療法として、また転移性悪性黒色腫での免疫療法薬2剤の併用療法として、顕著なベネフィットをもたらしています。CheckMate -915試験では、オプジーボにヤーボイを併用し、現在、術後補助療法の標準治療薬として確立されているオプジーボを実対照薬として比較評価しました。本試験は、免疫療法薬2剤の併用療法が術後補助療法で患者さんにさらなるベネフィットをもたらす可能性を判断するため、本試験で達成する必要のある高いベンチマークを理解した上で計画されました。今後も、高リスク悪性黒色腫患者さんの早期ステージの治療におけるオプジーボとの併用療法でのヤーボイの持つ潜在的な可能性をより理解するため、また、さまざまな設定で新たな併用療法を検討するため、悪性黒色腫の研究に注力してまいります。」

ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -915試験のデータの全評価を完了させ、今後、治験担当医師と協力し、学会で結果を発表していく予定です。

ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -915臨床試験に参加していただいた患者さんおよび治験担当医師の方々に感謝の意を表明します。

 

CheckMate -915試験について


CheckMate -915試験は、根治切除後のステージⅢB/C/DまたはステージⅣ(AJCC第8版に基づく無病生存状態)の悪性黒色腫患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用治療を、標準治療として承認されているオプジーボの単剤療法と比較評価した無作為化プラセボ対照二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。本試験に登録された患者は、悪性黒色腫病変の外科的切除および/または中枢神経系病変の脳神経外科的切除後の補助放射線療法を除き、悪性黒色腫に対する全身化学療法を受けていない患者です。本試験では、患者1,943例をオプジーボ240mg静注を2週間間隔とヤーボイ1mg/kgを6週間間隔で投与する群、またはオプジーボ480mgを4週間間隔で投与する群のいずれかに無作為に割り付け、最長1年間にわたり投与を継続しました。2019年11月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、主要評価項目の一つである腫瘍のPD-L1発現レベルが1%未満の患者におけるRFSで統計学的に有意なベネフィットが示されなかったことを発表しました。

 

悪性黒色腫について


悪性黒色腫は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、がんが皮膚表面だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こります。悪性黒色腫の発生率は、過去30年間にわたり徐々に上昇しています。米国では、100,350人が新たに悪性黒色腫と診断され、悪性黒色腫に関連する死亡者数は2020年には6,850人を超えると推定されています。世界保健機関は、2040年までに全世界における悪性黒色腫の発生者数が466,914人に達し、関連死亡者数は105,904人に上ると推定しています。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に治療されれば大部分が治癒可能ですが、所属リンパ節転移がある場合、生存率は低下します。遠隔転移と診断された患者の場合、5年生存率は約27%です。

 

悪性黒色腫の術後補助療法について


悪性黒色腫は、腫瘍の限局、厚さおよび潰瘍の有無、リンパ節転移の有無、その他の部位への転移状態に基づき、5つのステージ(0~Ⅳ)に分類されます。

ステージⅢの悪性黒色腫は、一般的に所属リンパ節への転移が認められますが、遠隔リンパ節および体の他の部位への転移が認められない段階で、原発腫瘍および所属リンパ節の外科的切除を必要とします。患者の一部では、術後補助療法が行われる場合があります。外科的介入にもかかわらず、多くの患者が再発し、転移性疾患へと進行します。

ステージⅣの悪性黒色腫は、原発巣や所属リンパ節以外の、体の遠隔部にも広がったときに起こります。転移が最も多く発生する部位は、主要な臓器、軟部組織と遠隔リンパ節です。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん研究の最前線


ブリストル マイヤーズ スクイブは、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することを目標にがん研究を行っています。サイエンスにおける豊富な経験を生かし、最先端の技術と創薬プラットフォームを駆使して、患者さんのために革新的な治療法を開発し、提供しています。

当社は、血液疾患領域およびがん免疫領域における革新的な研究と実績を通じて、さまざまながん腫において生存期間の改善をもたらすとともに、さまざまな治療法を探索し、豊富かつ多様なパイプラインを構築しています。免疫細胞療法の分野においては、多数の疾患でCAR T細胞療法を導入し、細胞・遺伝子治療の標的の発見や技術の発展につながる早期パイプラインを拡大しています。また、多発性骨髄腫における承認済の療法、および早期・中期開発段階にある有望な化合物を生み出す基盤として、タンパク質ホメオスタシスなどの新たなプラットフォームを活用し、主要な生物学的経路を標的としたがん治療法の研究を進めています。当社は、さまざまな免疫経路を標的とした治療法の開発に取り組み、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の相互作用に着目することで、より多くの患者さんが奏功を示す治療を提供できるよう、更なる進化を目指しています。このような複数の治療アプローチを融合させることは、がん治療の新たな選択肢を提供し、免疫療法に対する耐性を克服するために重要です。当社は、革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

ヤーボイについて


ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CLTA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイはCTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞の活性化と増殖など、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、ヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として50カ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。

 

オプジーボとヤーボイの併用療法の適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボとヤーボイの併用療法の適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、オプジーボとヤーボイの併用療法に関する今後の臨床試験で好ましくない結果が得られる可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。