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プレスリリース

米国食品医薬品局が、抗BCMA CAR T細胞療法idecabtagene vicleucel(ide-celまたはbb2121)に対するブリストル マイヤーズ スクイブとbluebird bio社の申請を優先審査の対象として受理

がん領域

2020/10/06

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
bluebird bio社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2020年9月22日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • FDAの審査終了の目標期日は、2021年3月27日です。
  • ide-celは、多発性骨髄腫を対象とする承認審査のために受理された初のCAR T細胞療法です。

(ニュージャージー州プリンストン&マサチューセッツ州ケンブリッジ、2020年9月22日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)とbluebird bio社(Nasdaq:BLUE)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬および抗CD38抗体を含む少なくとも3つの前治療歴を有する多発性骨髄腫の成人患者の治療薬として、両社が開発中のB細胞成熟抗原(BCMA)を標的としたキメラ抗原受容体(CAR)T細胞免疫療法であるidecabtagene vicleucel(ide-celまたはbb2121)の生物学的製剤承認申請(BLA)を、優先審査の対象として受理したことを発表しました。処方せん薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了の目標期日は、2021年3月27日です。

ブリストル マイヤーズ スクイブの細胞療法開発部門シニアバイスプレジデントであるStanley Frankel(M.D.)は、次のように述べています。「本日の優先審査のマイルストーンは、この初の抗BCMA CAR T細胞療法が、多発性骨髄腫患者さんの重大なアンメットニーズを満たす可能性を認めるものです。3つのクラスの前治療を受け、重要な新しい治療選択肢からベネフィットを得る可能性のある再発および難治性の多発性骨髄腫成人患者さんにide-celを届けるにあたり、患者さんや多発性骨髄腫コミュニティの協力を得て、大きな進展が得られていることをうれしく思います。」

本BLAは、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬および抗CD38抗体を含む複数の治療歴を有する極めて難治性の多発性骨髄腫の成人患者128例を対象に、ide-celの有効性と安全性を評価したピボタルな第Ⅱ相KarMMa試験の結果に基づいています。同試験の結果は、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20)のバーチャル・サイエンティフィック・プログラムで口頭発表されました1

bluebird bio社チーフ・オペレーティング・オフィサー・オンコロジーのJoanne Smith-Farrell(Ph.D.)は、次のように述べています。「本日、FDAによりide-celのBLAが優先審査の対象として受理されたことは、新たな治療選択肢を緊急に必要とする多発性骨髄腫患者さんに、このBCMAを標的としたCAR T細胞免疫療法を届けるための当社の取り組みにおける重要な瞬間です。複数の治療歴を有する進行患者集団における一連のエビデンスに基づき、私たちは、重要な治療選択肢としてのide-celのポテンシャルに大きな自信を抱いています。パートナーであるブリストル マイヤーズ スクイブと共に、この有望な治療法を迅速に患者さんにお届けするため、引き続きFDAと連携して取り組んでまいります。」

ide-celは、再発および難治性の多発性骨髄腫を対象として、FDAよりブレークスルーセラピー(画期的治療薬)指定(BTD)を、欧州医薬品庁よりPRIME(PRIority Medicines)指定および販売承認申請(MAA)の受理を受けています。ブリストル マイヤーズ スクイブは、米国と欧州以外の市場においてもide-celの承認申請を計画しています。

現在、どの国・地域においても、ide-celの承認された適応症はありません。

 

不確定価額受領権(CVR)「BMY-RT」保有者向け情報


2021年3月31日までの米国FDAによるide-celの承認は、2019年第4四半期のセルジーン社買収の完了に伴い発行された不確定価額受領権の残りのマイルストーン要件の一つです。残るもう一つの要件は、2020年12月31日までの米国FDAによるliso-celの承認です。ブリストル マイヤーズ スクイブは、両申請の進展およびCVRの要件である残りの承認マイルストーンの達成に向け、FDAと協力し取り組んでまいります。

 

KarMMa試験について


KarMMa(NCT03361748)試験は、北米および欧州の再発および難治性の多発性骨髄腫成人患者を対象にide-celの有効性および安全性を評価したピボタルな非盲検単群多施設共同国際共同第Ⅱ相試験です。本試験の主要評価項目は、国際骨髄腫ワーキンググループ(IMWG)基準に基づく独立審査委員会(IRC)判定による全奏功割合です。主な副次評価項目は完全奏効率です。その他の副次的評価項目には、奏効までの期間、奏効期間、無増悪生存期間、全生存期間、次世代シーケンシング(NGS)による微小残存病変および安全性が含まれます。本試験には患者140名が登録され、うち128名にリンパ球枯渇化学療法後にide-celを目標用量(CAR T細胞が150~450×106個)の範囲で投与しました。登録患者はすべて、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬および抗CD38抗体を含む少なくとも3つの前治療を受け、直近の治療に対して難治性でした。難治性は、直近の治療中もしくは治療後60日以内の病勢進行と定義しました。

 

多発性骨髄腫について


多発性骨髄腫は、骨髄にある形質細胞ががん化することで発症します2。多発性骨髄腫の正確な原因はわかっておらず、完治に結びつく治療法は現在ありませんが、疾患を管理するための治療選択肢は数多くあります2。複数の治療法を受けたにもかかわらず進行する患者さんは「再発」および「難治性」の多発性骨髄腫であり、初期治療後にがんが再発したことを意味します3

 

ide-celについて


ide-celは、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とする遺伝子改変自家キメラ抗原受容体(CAR)T細胞免疫療法です。ide-cel CARは、BCMAを特異的に認識するマウス由来一本鎖抗体(scFv)をT細胞外に有し、これにヒトCD8αヒンジ、膜貫通ドメイン、T細胞内シグナルドメインのCD137(4-1BB)およびCD3ζ鎖が直列に結合しています。ide-celが多発性骨髄腫細胞の表面にあるBCMAを認識し結合すると、CAR T細胞が増殖しサイトカインが放出され、結果としてBCMA発現細胞が融解・殺傷されます。

ide-celはブリストル マイヤーズ スクイブとbluebird bio社の共同開発・共同プロモーション・プロフィットシェア契約の一環として開発されています。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん研究の最前線


ブリストル マイヤーズ スクイブは、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することを目標にがん研究を行っています。サイエンスにおける豊富な経験を生かし、最先端の技術と創薬プラットフォームを駆使して、患者さんのために革新的な治療法を開発し、提供しています。

当社は、血液疾患領域およびがん免疫領域における革新的な研究と実績を通じて、さまざまながん腫において生存期間の改善をもたらすとともに、さまざまな治療法を探索し、豊富かつ多様なパイプラインを構築しています。免疫細胞療法の分野においては、多数の疾患でCAR T細胞療法を導入し、細胞・遺伝子治療の標的の発見や技術の発展につながる早期パイプラインを拡大しています。また、多発性骨髄腫における承認済の療法、および早期・中期開発段階にある有望な化合物を生み出す基盤として、タンパク質ホメオスタシスなどの新たなプラットフォームを活用し、主要な生物学的経路を標的としたがん治療法の研究を進めています。当社は、さまざまな免疫経路を標的とした治療法の開発に取り組み、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の相互作用に着目することで、より多くの患者さんが奏功を示す治療を提供できるよう、更なる進化を目指しています。このような複数の治療アプローチを融合させることは、がん治療の新たな選択肢を提供し、免疫療法に対する耐性を克服するために重要です。当社は、革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb Company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb Company」と称されています。

 

bluebird bio社について


bluebird bio社は遺伝子治療のパイオニアです。致死的な状況にあり、治療選択肢の少ない人々が充実した人生を送れることを目指し、マサチューセッツ州ケンブリッジにある本社を拠点として、複数の遺伝性疾患やがんに対する遺伝子治療を開発しています。遺伝子治療を全ての患者さんにお届けできるよう、当社の研究だけでなく医療システムに革新をもたらし、医薬品への患者さんのアクセスや透明性を確保するとともに、知識を創出することに努めています。

bluebird bio社は、人と人との物語を大切にする、人に優しい会社です。遺伝子付加、細胞療法および(MegaTALを活用した)遺伝子編集という3種類の遺伝子治療技術と専門知識を駆使し、脳副腎白質ジストロフィー、鎌状赤血球症、βサラセミア、多発性骨髄腫などの幅広い疾患の治療に注力しています。

bluebird bio社はワシントン州シアトル、ノースカロライナ州ダーラム、スイスのツークなどにも拠点があります。詳細はbluebirdbio.comまたはbluebird bio社のソーシャルメディア@bluebirdbioLinkedInInstagramYouTubeをご覧ください。

bluebird bioはbluebird bio社の登録商標です。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、ide-celまたはbb2121が本リリースに記載された適応症の承認を現在予想されるタイムラインで取得しない、またはいっさい取得しない可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるというという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。

 

参考文献


  1. Munshi NC, et al. Idecabtagene vicleucel (ide-cel; bb2121), a BCMA-targeted CAR T cell therapy, in patients with relapsed and refractory multiple myeloma (RRMM): initial KarMMa results. ASCO 2020 Virtual Scientific Program. Abstract #8503.
  2. International Myeloma Foundation. What is Multiple Myeloma? Available at: https://www.myeloma.org/what-is-multiple-myeloma. Accessed August 2020.
  3. International Myeloma Foundation. Glossary of Myeloma Terms and Definitions. Available at: https://www.myeloma.org/resource-library/glossary-myeloma-terms-definitions. Accessed August 2020.