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プレスリリース

オプジーボと化学療法の併用療法が、切除可能な非小細胞肺がんの術前補助療法での第Ⅲ相CheckMate -816試験において統計学的に有意な病理学的完全奏効の改善を示す

がん領域

2020/10/08

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2020年10月7日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • CheckMate -816試験は、術前にオプジーボと化学療法の併用療法を受けた患者において病理学的完全奏効の改善を示し、主要評価項目を達成しました。
  • この肯定的な結果は、切除可能な非小細胞肺がんを対象とした第Ⅲ相試験において、免疫チェックポイント阻害薬による併用療法が、化学療法と比較して術前補助療法で良好な有効性を示した初めての例です。
  • オプジーボによる治療法は、肺がん、膀胱がん、食道がん・胃食道接合部がんおよび悪性黒色腫を含む早期がんを対象とした4つの第Ⅲ相臨床試験でベネフィットを示したことになります。

(ニュージャージー州プリンストン、2020年10月7日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)を対象とした第Ⅲ相CheckMate -816試験において、オプジーボと化学療法の併用療法が主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)を達成したことを発表しました。本試験において、術前にオプジーボ(一般名:ニボルマブ)と化学療法の併用療法を受けた患者群では、化学療法を受けた患者群と比較して、切除組織にがん細胞を認めない患者数が有意に多かったことを示しました。CheckMate -816試験は、非進行NSCLCの術前補助療法で、免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用療法がベネフィットを示した初めてで唯一の第Ⅲ相試験です。

本試験の併用療法群の患者は、オプジーボと化学療法の併用療法を術前に最大3回投与されました。これは、術前補助療法の標準的なサイクル数です。オプジーボと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、NSCLCでこれまでに報告されている試験のものと一貫していました。

ダナ・ファーバーがん研究所の胸部腫瘍Loweセンター、臨床開発部長であるMark Awad(M.D., Ph.D)は、次のように述べています。「非転移性肺がんの手術を受けた半数近くの患者さんが再発を経験します。ニボルマブは、これまで他のがん腫の術後補助療法の治療選択肢としてベネフィットを示していますが、CheckMate -816試験の肯定的結果により、切除可能な非小細胞肺がんの術前補助療法としての可能性が示されました。今後も、切除可能な非小細胞肺がんの新しい治療法として、ニボルマブと化学療法の併用療法による本試験の患者さんの追跡調査を継続していきます。病理学的完全奏効が改善されたことは、無イベント生存期間や、ひいては全生存期間の延長に結び付くことを期待しています。」

ブリストル マイヤーズ スクイブの胸部がん領域開発担当バイスプレジデントであるAbderrahim Oukessou(M.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -816試験の結果は、ブリストル マイヤーズ スクイブの胸部がん治療における実績に基づいており、オプジーボによるレジメンが、進行非小細胞肺がんおよび切除不能な悪性胸膜中皮腫の患者さんにおいて良好な全生存期間の延長を示しました。また、これらのデータは、免疫系がより高い応答を示し得るさまざまながん腫の早期ステージにおいて、免疫療法による治療アプローチがアウトカムに変革をもたらす可能性に関する私たちの科学的理解をいっそう深めるものです。CheckMate -816試験にご参加いただいた患者さんと治験担当医師の方々に感謝の意を表明します。」

ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -816試験のデータの全評価を完了させ、今後、治験担当医師と協働し、学会で結果を発表するとともに、保健当局と承認申請の可能性について協議していきます。CheckMate -816試験では、現在、もう一つの主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)の評価のため盲検下で維持し、主要な副次評価項目も評価するため進行中です。

ブリストル マイヤーズ スクイブとパートナーは、非進行NSCLCにおける術前補助療法、術後補助療法、周術期治療および化学放射線療法との併用における免疫療法の適用を探索しています。現在までに、オプジーボは、肺がん、膀胱がん、食道がん・胃食道接合部がんおよび悪性黒色腫の4つのがん腫の術前補助または術後補助療法で有効性の改善を示しています。

 

CheckMate -816試験について


Checkmate -816試験は、切除可能な非小細胞肺がん患者の術前補助療法として、オプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価した多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。一次解析には、患者約358例が登録され、オプジーボ360mgと組織型に基づくプラチナ製剤を含む化学療法2剤との併用療法を3週間間隔で最大3回投与する群、またはプラチナ製剤を含む化学療法2剤を3週間間隔で最大3回投与する群のいずれかに無作為に割り付けられ、その後、手術が施行されました。本試験の主要評価項目は、病理学的完全奏効(pCR)および無イベント生存期間です。主要な副次評価項目は、全生存期間(OS)、Major Pathological Response(MPR)および死亡または遠隔転移までの期間です。

 

肺がんについて


肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっています。肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がんの2種類に大きく分類されます。NSCLCは、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ84%を占めています。NSCLCと診断された患者の過半数(約60%)が非転移性疾患です。非進行NSCLC患者の多くが手術で完治するものの、30%~55%が再発し、切除したにもかかわらずがんで亡くなられます。長期的なアウトカムを改善するために、手術前に投与(術前補助療法)および/または手術後に投与(術後補助療法)する治療選択肢が必要とされています。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん研究の最前線


ブリストル マイヤーズ スクイブは、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することを目標にがん研究を行っています。サイエンスにおける豊富な経験を生かし、最先端の技術と創薬プラットフォームを駆使して、患者さんのために革新的な治療法を開発し、提供しています。

当社は、血液疾患領域およびがん免疫領域における革新的な研究と実績を通じて、さまざまながん腫において生存期間の改善をもたらすとともに、さまざまな治療法を探索し、豊富かつ多様なパイプラインを構築しています。免疫細胞療法の分野においては、多数の疾患でCAR T細胞療法を導入し、細胞・遺伝子治療の標的の発見や技術の発展につながる早期パイプラインを拡大しています。また、多発性骨髄腫における承認済の療法、および早期・中期開発段階にある有望な化合物を生み出す基盤として、タンパク質ホメオスタシスなどの新たなプラットフォームを活用し、主要な生物学的経路を標的としたがん治療法の研究を進めています。当社は、さまざまな免疫経路を標的とした治療法の開発に取り組み、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の相互作用に着目することで、より多くの患者さんが奏功を示す治療を提供できるよう、更なる進化を目指しています。このような複数の治療アプローチを融合させることは、がん治療の新たな選択肢を提供し、免疫療法に対する耐性を克服するために重要です。当社は、革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫する可能性、オプジーボの単剤療法または化学療法との併用療法が試験の主要評価項目を達成しない、または本プレスリリースに記載された追加の適応症で承認されない可能性、また承認された場合でも、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。