BMS logo

プレスリリース

ブリストル マイヤーズ スクイブ、欧州委員会より、進行非小細胞肺がんのファーストライン治療薬として、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法の承認を取得

がん領域

2020/11/09

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2020年11月6日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • 承認は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、進行非小細胞肺がん患者において良好な全生存期間の延長が示された第Ⅲ相CheckMate -9LA試験の結果に基づいています。
  • 欧州委員会によるこの承認は、化学療法を限定して追加した免疫療法薬の2剤併用療法が、欧州において非小細胞肺がん患者の治療薬として初めて承認されたことになります。
  • オプジーボとヤーボイによる併用療法は、欧州において、非小細胞肺がん、悪性黒色腫および腎細胞がんの3つの進行がんの適応で承認されたことになります。

(ニュージャージー州プリンストン、2020年11月6日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、欧州委員会(EC)が、感受性上皮増殖因子受容体(EGFR)活性型遺伝子変異および未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子転座がいずれも陰性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)成人患者のファーストライン治療薬として、プラチナ製剤を含む化学療法2サイクルを追加したオプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を承認したことを発表しました。化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法は、この疾患に対し欧州連合(EU)で承認された初の免疫療法薬2剤併用による治療選択肢です。

ECの承認は、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)ならびに副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)を達成した第Ⅲ相CheckMate -9LA試験の結果に基づいています。奏効期間(DOR)の改善も示されました。オプジーボとヤーボイの併用療法および化学療法2サイクルの安全性プロファイルは、NSCLCのファーストライン治療でこれまでに報告された免疫療法薬および化学療法薬の安全性プロファイルと一貫していました。

CheckMate -9LA試験の治験担当医師で、ドイツ肺疾患研究センターグロスハンスドルフ肺クリニックのMartin Reck(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「進行非小細胞肺がんのように複雑な疾患では、多様なニーズと困難を抱える患者さんのために、さまざまな治療選択肢があることが極めて重要です。CheckMate -9LA試験では、化学療法2サイクルを追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法により、PD-L1発現レベルや腫瘍の組織型にかかわらず、非小細胞肺がん患者さん全体で、臨床的に意義のある全生存期間のベネフィットが一貫して示されました。本日の承認により、EUの臨床医は、早期の疾患管理と生存期間の延長を可能にし得る新たな治療選択肢を患者さんに提供できるようになります。」

ブリストル マイヤーズ スクイブの胸部がん領域開発担当バイスプレジデントであるAbderrahim Oukessou(M.D.)は、次のように述べています。「化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法に対する欧州委員会の承認は、近年の治療法の進展にもかかわらず、予後改善が困難な進行非小細胞肺がん患者さんにとって重要なマイルストンです。この革新的なレジメンは、承認された唯一の免疫療法薬2剤の併用療法の基盤に基づいています。オプジーボとヤーボイの併用療法は、これまでに、悪性黒色腫および腎細胞がんを含む複数のがん腫において、長期生存アウトカムを示してきました。相乗効果をもたらし得る免疫療法薬2剤と化学療法を組み合わせたこの特有の併用療法を適格な肺がん患者さんにお届けするため、欧州の広範なステークホルダーと共に取り組んでまいります。」

本承認は、EUでは転移性悪性黒色腫と進行腎細胞がん(RCC)に対するこれまでの承認に続き、オプジーボとヤーボイによるレジメンの3つ目の適応です。EU以外に、化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法は、進行NSCLC患者のファーストライン治療薬として、米国を含む11カ国で承認されています。

Lung Cancer Europe(LuCE)プレジデントであるアン=マリー・ベアードは、次のように述べています。「革新的医薬品へのアクセスは、肺がん患者さんの予後改善に欠かせないものです。より多くの進行非小細胞肺がん患者さんを助ける可能性のある新しい治療選択肢が承認されたことをうれしく思っています。」

ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -9LA臨床試験に参加していただいた患者さんおよび治験担当医師に感謝の意を表明します。

 

CheckMate -9LA試験の有効性および安全性結果


CheckMate -9LA試験での最短8.1カ月の追跡調査におけるOSの中間解析は、以下の通りです:

  • 化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法群は、化学療法群と比較して、死亡リスクを31%低減しました[ハザード比(HR)0.69;96.71%信頼区間(CI):0.55 - 0.87;p=0.0006]。
  • PFSの中央値は、併用療法群で6.8カ月、化学療法群で5.0カ月でした(HR 0.70;97.48% CI:0.57 - 0.86;p=0.0001)。
  • ORRは、併用療法群で38%、化学療法群で25%と併用療法で有意に高かった(p=0.0003)。

最短12.7カ月の追跡調査による解析では、併用療法群は、化学療法群と比較して、OSの持続的な改善を示しました(HR 0.66;95% CI:0.55 - 0.80)。

化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法群で認められた副作用の大半は、軽度から中等度でした。グレード3~4の治療に関連する有害事象は、患者の47%で発現しました。最も頻繁に報告された有害事象は、疲労(36%)、悪心(26%)、発疹(25%)、下痢(20%)、そう痒症(18%)、食欲減退(16%)、甲状腺機能低下症(15%)および嘔吐(13%)でした。

 

CheckMate-9LA試験について


CheckMate -9LA試験は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者のファーストライン治療薬として、オプジーボ(360mgを3週間間隔)とヤーボイ(1mg/kgを6週間間隔)の併用療法に組織型に基づく化学療法(2サイクル)を追加した併用療法を、化学療法(最大4サイクル後に、適格であればペメトレキセドによる維持療法を任意で施行)と比較した多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。併用療法群の患者(361例)は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、免疫療法薬2剤の併用療法を最長2年間施行しました。対照群の患者(358例)は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、最大4サイクルの化学療法および(適格であれば)ペメトレキセドによる維持療法を任意で施行しました。

本試験の主要評価項目は、Intent-To-Treat(ITT)集団での全生存期間(OS)でした。階層的な副次評価項目は、盲検化独立評価委員会の評価による無増悪生存期間(PFS)と奏効率(ORR)でした。また、本試験の探索的解析として、バイオマーカーに基づく有効性評価項目も評価されました。

 

肺がんについて


肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっています。肺がんは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類に大きく分類されます。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ84%を占めています。生存率は、診断された際の進行度(ステージ)とがんの種類によって異なります。進行NSCLCと診断された患者の5年生存率は約6%です。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん研究の最前線


ブリストル マイヤーズ スクイブは、患者さんを全ての活動の中心に据えています。当社は、患者さんに質の高い長期生存をもたらし、治療を実現することを目標にがん研究を行っています。サイエンスにおける豊富な経験を生かし、最先端の技術と創薬プラットフォームを駆使して、患者さんのために革新的な治療法を開発し、提供しています。

当社は、血液疾患領域およびがん免疫領域における革新的な研究と実績を通じて、さまざまながん腫において生存期間の改善をもたらすとともに、さまざまな治療法を探索し、豊富かつ多様なパイプラインを構築しています。免疫細胞療法の分野においては、多数の疾患でCAR T細胞療法を導入し、細胞・遺伝子治療の標的の発見や技術の発展につながる早期パイプラインを拡大しています。また、多発性骨髄腫における承認済の療法、および早期・中期開発段階にある有望な化合物を生み出す基盤として、タンパク質ホメオスタシスなどの新たなプラットフォームを活用し、主要な生物学的経路を標的としたがん治療法の研究を進めています。当社は、さまざまな免疫経路を標的とした治療法の開発に取り組み、腫瘍、腫瘍の微小環境および免疫系の相互作用に着目することで、より多くの患者さんが奏功を示す治療を提供できるよう、更なる進化を目指しています。このような複数の治療アプローチを融合させることは、がん治療の新たな選択肢を提供し、免疫療法に対する耐性を克服するために重要です。当社は、革新的な医薬品を患者さんに提供するため、社内でイノベーションを創出するとともに、学術界、政府、アドボカシー団体、バイオテクノロジー企業と提携しています。

 

オプジーボについて


オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。

業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。

オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。

 

ヤーボイについて


ヤーボイは、細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイは、CTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞などの、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は切除不能または転移性悪性黒色腫を適応としてヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。国内においては、2015年7月に、根治切除不能な悪性黒色腫を適応とする製造販売承認を取得しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫の治療薬として、50カ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。

 

オプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb Company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb Company」と称されています。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、欧州各国における価格設定および保険償還に関する交渉に起因してプラチナ製剤を含む化学療法2サイクルを追加したオプジーボとヤーボイの併用療法の本プレスリリースに記載された追加の適応症での商業化が遅延または制限される可能性、そのような併用療法の本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性、および、そのような併用療法の本プレスリリースに記載された適応症が商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれます。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。