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プレスリリース

米国食品医薬品局が、進行腎細胞がん患者のファーストライン治療薬としてオプジーボ®とカボメティクス®の併用療法を承認

がん領域

2021/01/25

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年1月22日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。

  • CheckMate -9ER試験において、オプジーボとカボメティクスの併用療法は、スニチニブと比較して、無増悪生存期間の中央値および奏効率で2倍の改善、ならびに良好な全生存期間の延長を示しました1
  • 国際転移性腎細胞がんデータベースコンソーシアムの全てのリスク分類を対象に承認されました1,2
  • この承認により、中および高リスク患者の標準治療であるオプジーボとヤーボイの併用療法を含め、進行腎細胞がんのファーストライン治療における当社のプレゼンスが拡大します3

(ニュージャージー州プリンストン、2021年1月22日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、進行腎細胞がん(RCC)患者のファーストライン治療薬として、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)240mgを2週間間隔または480mgを4週間間隔で点滴静注し、カボメティクス®(一般名:カボザンチニブ)40mgを1日1回、経口投与する併用療法を承認したことを発表しました1。本承認は、進行RCC患者を対象に、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(323例)をスニチニブ群(328例)と比較した第Ⅲ相CheckMate -9ER試験に基づいています1。今回の申請は、一刻も早く安全かつ有効な治療を患者さんにお届けすることを目的とするFDAのリアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)パイロットプログラムの下で審査されました4。CheckMate -9ER試験のデータの詳細は、下記をご覧ください。

ブリストル マイヤーズ スクイブのがん・免疫疾患・心血管疾患担当の米国責任者兼ゼネラルマネジャーのAdam Lenkowskyは、次のように述べています。「ブリストル マイヤーズ スクイブは、がん患者さんの生存期間を延長する可能性のある革新的な医薬品の開発に力を注いでいます。オプジーボとヤーボイの併用療法は、中および高リスクの進行RCC患者さんの治療薬として確立されていますが、本日の承認により、オプジーボとの併用療法の持つ可能性を、さらに多くの患者さんに届けられるようになります1。オプジーボとカボメティクスの併用療法は、両剤の確固たる実績を一つにし、医師の皆さんに、免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害剤の併用レジメンが適格な進行RCC患者さんに予後の改善をもたらし得る新しい併用療法を提供します1。」

ダナ・ファーバーがん研究所の泌尿生殖器腫瘍ランクセンター長で、ハーバード大学医学大学院、Jerome and Nancy Kohlbergの医学教授であるToni Choueiri医学博士は、次のように述べています。「カボザンチニブとニボルマブの併用療法は、スニチニブと比較して、重要な有効性評価項目である無増悪生存期間、全生存期間、奏効率を有意に改善し、かつ副作用による投与中止率は低かったことが示されました。CheckMate -9ER試験で示された治療効果と生活の質のスコアは、進行腎臓がん患者さんにおいてこの併用療法が果たす役割を強調しています1,2。今回のFDAの承認は重要であり、この併用療法が、新たに診断された転移性腎臓がんの標準治療となる道が開けました。」

CheckMate -9ER試験の主要評価項目は、盲検独立中央判定(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)でした。副次評価項目は、全生存期間(OS)およびBICRの評価による奏効率(ORR)でした1。本試験において、オプジーボとカボメティクスの併用療法を受けた患者では、スニチニブ群の患者と比較して、PFSが2倍に延長されました[併用療法群のPFS中央値:16.6カ月;95% 信頼区間(CI):12.5 - 24.9]vs[スニチニブ群のPFS中央値:8.3カ月;95% CI:7.0 - 9.7]、[ハザード比(HR):0.51;95% CI:0.41 - 0.64、P<0.0001、追跡期間の中央値:18.1カ月;範囲:10.6 - 30.6カ月]1,2。オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、死亡リスクを40%低減しました[HR:0.60;98.89% CI :0.40 - 0.89、P=0.0010]。OSの中央値は、オプジーボとカボメティクスの併用療法群で未達、スニチニブ群で評価不能(範囲:22.6カ月-NR)1

また、オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、より多くの患者で奏効を示し、ORRは、併用療法群で55.7%(323例中180例、95% CI:50.1 - 61.2)、スニチニブ群で27.1%(328例中89例、95% CI:22.4 - 32.3、P<0.0001)でした1。併用療法群では、完全奏効率は8.0%(323例中26例)、部分奏効率は47.7%(323例中154例)を示したのに対し、スニチニブ群の完全奏効率は4.6%(328例中15例)、部分奏効率は22.6%(328例中74例)でした1,2。奏効した患者における奏効期間の中央値は、併用療法群で20.2カ月(95% CI:17.3 - NA)、スニチニブ群で11.5カ月(95% CI:8.3 - 18.4)でした1。PFSの結果は、国際転移性腎細胞がんデータベースコンソーシアム(IMDC)リスク分類およびPD-L1発現レベルに基づき、あらかじめ設定された全サブグループで一貫していました1

本試験におけるグレード3以上の副作用の発現率は、オプジーボとカボメティクスの併用療法群とスニチニブ群で同等でした(75% vs 71%)2。オプジーボまたはカボメティクスの投与の中止につながる原因を問わない副作用は、患者の19.7%で発現しました:オプジーボ単剤では6.6%、カボメティクス単剤では7.5%、同時に発現した同じ副作用が併用では5.6%発現しました1,5

KidneyCANのプレジデントであり共同創設者のBryan Lewisは、次のように述べています。「ここ数年で、進行腎臓がんの治療は大きく進展しましたが、治癒の可能性を求める中で、患者さんはより多くの治療選択肢をいまだ必要としています6,7。進行腎臓がんを抱えながらより長く生きられるようになったことで、新しい治療法の安全性と有効性がますます重要になっています。

CheckMate -9ER試験で示されたオプジーボとカボメティクスの併用療法の結果から、今回のFDAの承認は、患者コミュニティにとって特に注目すべき進展であると言えます1。」

 

CheckMate -9ER試験について


CheckMate -9ER試験は、未治療の進行腎細胞がん(RCC)患者を対象に評価した無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です1。患者651例(低リスク:22%、中リスク:58%、高リスク:20%)は、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(323例)またはスニチニブ群(328例)に無作為に割り付けられました1。患者は、オプジーボ240mgを2週間間隔で点滴静注し、カボメティクス40mgを毎日経口投与する群、またはスニチニブ50mgを6週間のサイクルの最初の4週間にわたり毎日経口投与する群のいずれかに無作為に割り付けられました1。オプジーボの投与は、RECISTガイドライン1.1版(RECIST v1.1)に基づく病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続されました1。オプジーボとカボメティクスの併用療法の推奨用量は、オプジーボ240mgを2週間間隔または480mgを4週間間隔で投与し、カボメティクス40mgを1日1回空腹時に経口投与します1。オプジーボの推奨投与期間は、病勢進行あるいは忍容できない毒性が認められるまで、または最長2年間です1。カボメティクスは、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで投与します1。本試験の主要評価項目は、RECIST v1.1を用いた盲検独立中央判定(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)でした1。副次評価項目は、全生存期間(OS)およびRECIST v1.1を用いたBICRの評価による奏効率(ORR)でした1。本試験は、ブリストル マイヤーズ スクイブおよび小野薬品工業株式会社がスポンサーとなり、Exelixis社、Ipsen社および武田薬品工業株式会社が共同出資を行っています。

 

CheckMate -9ER試験における安全性プロファイルの抜粋


オプジーボまたはカボメティクスの投与の中止につながる副作用は、患者の19.7%で発現しました:オプジーボ単剤で6.6%、カボメティクス単剤で7.5%、同時に発現した同じ副作用に対して併用で5.6%でした1,5。オプジーボまたはカボメティクスの休薬または減量につながる副作用は、患者の83%で発現しました:オプジーボ単剤で3%、カボメティクス単剤で46%、同時に発現した同じ副作用に対して両剤で21%、両剤で6%でした1。重篤な副作用が、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(320例)の48%で発現しました1。そのうち、頻繁(2%以上)に報告された重篤な副作用は、下痢、肺炎、肺臓炎、肺塞栓症、尿路感染症、低ナトリウム血症でした1。致死的な腸管穿孔が、患者3例(0.9%)で発現しました1。オプジーボとカボメティクスの併用療法群で最も一般的(20%以上)に報告されたグレードを問わない副作用は、下痢(64%)、疲労(51%)、肝毒性(44%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群(40%)、口内炎(37%)、発疹(36%)、高血圧症(36%)、甲状腺機能低下症(34%)、筋骨格痛(33%)、食欲減退(28%)、悪心(27%)、味覚異常(24%)、腹痛(22%)、咳嗽(20%)および上気道感染症(20%)でした1

 

腎細胞がんについて


腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんの中で最も一般的な型であり、毎年、米国で約15,000人が亡くなっています8,9。RCCは男性が女性の約2倍多く発症します10。2010年~2016年のデータによると、米国では転移性(または進行期)腎臓がんおよび腎盂がんと診断された患者の5年生存率は、13%です9

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して


ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療の全ての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘う全ての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb Company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb Company」と称されています。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、オプジーボとカボメティクスの併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功する可能性、およびそのような併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれます。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。

 

参考文献


  1. Opdivo Prescribing Information. Opdivo U.S. Product Information. Last updated: January 2021. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.
  2. Choueiri T, Powles T, Burrotto M, et al. Nivolumab plus cabozantinib versus sunitinib in first-line treatment for advanced renal cell carcinoma: first results from the randomized phase 3 CheckMate 9ER trial. Poster presented at: 2020 European Society for Medical Oncology (ESMO) Virtual Congress. September 19-21, 2020.
  3. Sheng IY, Ornstein MC. Ipilimumab and Nivolumab as First-Line Treatment of Patients with Renal Cell Carcinoma: The Evidence to Date. Cancer Manag Res. 2020;12:4871-4881. Published Jun 23, 2020.
  4. U.S. Food & Drug Administration. Real-Time Oncology Review Pilot Program. https://www.fda.gov/about-fda/oncology-center-excellence/real-time-oncology-review-pilot-program. Accessed December 16, 2020.
  5. Data on File. NIVO 55447. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company; 2020.
  6. Padala S, Barsouk A, Thandra K, et al. Epidemiology of Renal Cell Carcinoma. World Journal of Oncology. 2020;11(3): 79-87.
  7. Pal S, Gong J, Mhatre S, et al. Real-world treatment patterns and adverse events in metastatic renal cell carcinoma from a large US claims database. BMC Cancer. 2020;19(548):1-15.
  8. American Cancer Society. About Kidney Cancer.
    https://www.cancer.org/cancer/kidney-cancer/about/key-statistics.html.
    Updated February 1, 2020. Accessed December 16, 2020.
  9. SEER. Cancer Stat Facts: Kidney and Renal Pelvis Cancer. https://seer.cancer.gov/statfacts/html/kidrp.html. Accessed December 16, 2020.
  10. Stafford H, Saltzstein S, Shimasaki S, et al. Racial/Ethnic and Gender Disparities in Renal Cell Carcinoma Incadence and Survival. J Urol. 2008;179(5): 1704–1708.