プレスリリース
オプジーボによる術後補助療法が、第Ⅲ相CheckMate -274試験における筋層浸潤性尿路上皮がん患者に対して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無病生存期間の改善を示す
がん領域
2021/02/09
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年2月8日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。
- 術後にオプジーボの投与を受けた患者では、プラセボの投与を受けた患者と比較して、無病生存期間が2倍近く延長されました。
- CheckMate -274試験の肯定的な結果により、オプジーボは、早期段階の切除可能な4つの異なるがん腫において第Ⅲ相試験でベネフィットを示したことになります。
- CheckMate -274試験のデータは、2021年泌尿器がんシンポジウムで初めて発表されます。
(ニュージャージー州プリンストン、2021年2月8日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -274試験の結果を発表しました。本試験において、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)は、切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮がんの全無作為化患者およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者のサブグループを対象に、術後補助療法として、有意に無病生存期間(DFS)を改善し、本試験の2つの主要評価項目の両方を達成しました。CheckMate -274試験は、筋層浸潤性尿路上皮がんの術後補助段階において免疫療法薬を評価した初めての肯定的な結果を示した第Ⅲ相試験です。
全無作為化患者において、オプジーボは、プラセボと比較して、疾患が再発することなく患者が生存した平均期間を2倍近く延長し、無病生存期間の中央値は、プラセボ群の10.9カ月に対し、オプジーボ群で21.0カ月で、再発リスクを30%低減しました[ハザード比(HR)0.70、98.31% 信頼区間(CI):0.54 - 0.89、p<0.001]。PD-L1発現レベルが1%以上の患者において、オプジーボは、プラセボと比較して、再発または死亡のリスクを47%低減し、DFSの中央値はオプジーボ群で未達、プラセボ群では10.8カ月でした(HR 0.53、98.87% CI:0.34 - 0.84、p<0.001)。これらのデータは、バーチャルで開催される米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウムにおいて、2021年2月12日、午後4時36分~4時46分(米国東部標準時間)に口頭発表されます(抄録番号#391)。
メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの泌尿生殖器腫瘍科医であるDean Bajorin(M.D.)は、次のように述べています。「筋層浸潤性尿路上皮がん患者さんは、命を救う手段として、膀胱を摘出する大手術を受ける場合が多いですが、がんが再発する確率は約50%です。CheckMate -274試験では、ニボルマブの投与を受けた患者さんが、プラセボの投与を受けた患者さんと比較して、疾患が再発することなく、2倍近く長く生存しました。これらの臨床的に意義のある結果は、術後の有効かつ忍容可能な治療法に対する緊急のアンメットニーズに対処する助けとなり、医師による筋層浸潤性尿路上皮がんの治療法を変える可能性があります。」
オプジーボは、膀胱、尿管または腎盂以外で、疾患が再発することなく患者が生存した期間として定義される非尿路上皮無再発生存期間(NUTRFS)を含む主な副次評価項目でも改善を示しました。全無作為化患者において、NUTRFSの中央値は、オプジーボ群で2年以上(24.6カ月)、プラセボ群で13.7カ月でした。(HR 0.72、95% CI:0.58 - 0.89)。PD-L1発現レベルが1%以上の患者において、NUTRFSの中央値は、オプジーボ群で未達、プラセボ群で10.9カ月でした(HR 0.54、95% CI:0.38 - 0.77)。
オプジーボの安全性プロファイルは、これまでに固形がんの試験で報告されたものと一貫していました。治療に関連する有害事象(TRAE)の発現率は、オプジーボ群で77.5%、プラセボ群で55.5%であり、グレード3~4のTRAEの発現率は、それぞれ17.9%および7.2%でした。
ブリストル マイヤーズ スクイブの泌尿生殖器がん領域開発プログラム責任者でありバイスプレジデントのDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「免疫療法薬をがんの早期段階で使用できるようにすることで、疾患の進行を妨げ、再発率を低減し、患者さんの予後改善につなげられる可能性があります。オプジーボによる治療は、尿路上皮がんの術後療法としてのみならず、悪性黒色腫、食道がんおよび肺がんの早期段階においてもベネフィットを示しました。CheckMate -274試験の結果が患者さんにもたらし得る可能性に期待するとともに、本試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様にお礼申し上げます。ベネフィットを得られる可能性のある患者さんにこの治療選択肢をお届けできるよう、世界の規制当局と共に取り組んでまいります。」
CheckMate -274試験について
CheckMate -274試験は、根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとプラセボを比較評価した多施設無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。切除前に術前化学療法を受けた患者と受けていない患者は共に本試験の参加対象であり、術前補助療法としてシスプラチンを受けたかどうかは層別化因子でした。患者709例が、オプジーボ240mgを2週間間隔で投与する群またはプラセボ群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、最長1年間の投与を受けました。本試験の主要評価項目は、全無作為化患者(すなわちIntention-To-Treat集団)およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者サブセットにおけるDFSです。主な副次評価項目は、全生存期間、非尿路上皮無再発生存期間および疾患特異的生存期間です。
尿路上皮がんについて
膀胱の内側に並ぶ細胞で最も多く発生する尿路上皮がんは、世界で10番目に多いがん腫であり、毎年約55万人が新たに診断されています。膀胱に加えて、尿路上皮がんは、尿管および腎盂を含む尿路の他の部分に発生する可能性があります。尿路上皮がんの大多数は早期に診断されますが、再発率と病勢進行率が高くなっています。浸潤性尿路上皮がんの根治切除を受けた患者の50%以上が再発します。転移性がんとして再発した患者の予後は不良であり、全身療法を受けた場合、全生存期間の中央値は約12~14カ月です。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療の全ての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘う全ての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外の幾つかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫する可能性、オプジーボが本プレスリリースに記載された追加の適応症で承認されない可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2019年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。