プレスリリース
オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)点滴静注 再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する小児の用法及び用量の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認を取得
がん領域
2021/09/27
小野薬品工業株式会社
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、小野薬品)とブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジャン=クリストフ・バルラン)は、本日、小野薬品が、ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)点滴静注(以下、オプジーボ)について、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する小児の用法及び用量の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得しましたので、お知らせします。
今回の承認取得は、国立がん研究センター中央病院で実施された小児期およびAYA(Adolescent and young adult、思春期・若年成人)世代のがん患者のうち、標準的な治療(2種類以上の化学療法後)に抵抗性の難治悪性固形腫瘍とホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)を対象とした医師主導治験(NCCH1606、試験略称:PENGUIN)の結果に基づいています。
今回の承認により、成人の用法及び用量に加えて、オプジーボは小児に対しても以下の用法及び用量で投与することが可能になりました。
小児への用法及び用量:
通常、小児にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する。なお、体重40kg以上の小児には、ニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注することもできる。
ホジキンリンパ腫はリンパ細網系から生じた細胞の限局性又は播種性の悪性腫瘍であり、国内での年間発症患者数は約1,720人、小児における年間発症患者数は約70人と推定されています。小児ホジキンリンパ腫では、初回治療として化学療法等が行われます。再発または治療抵抗性が認められた場合には、更に化学療法やブレンツキジマブ ベドチン等による治療が行われます。しかし、小児における再発または難治性のホジキンリンパ腫の予後は悪いことから、新たな治療選択肢が望まれています。今回の承認により、オプジーボが新たな治療選択肢の一つになるものと期待しています。
PENGUIN試験について
本試験は、小児期およびAYA世代のがん患者のうち、標準的な治療(2種類以上の化学療法後)に抵抗性の難治悪性固形腫瘍とホジキンリンパ腫を対象に、オプジーボの安全性、薬物動態および探索的な有効性の評価を目的として国立がん研究センター中央病院で実施された医師主導治験第Ⅰ相臨床試験です。また、ホジキンリンパ腫は成人の臨床試験でオプジーボの高い有効性が確認され、小児においても同様の有効性が期待できることより、本試験の対象に加えられていました。主要アウトカム評価項目は、用量制限毒性相当の有害事象の発生割合です。副次アウトカム評価項目は、全生存期間、無増悪生存期間、奏効率等でした。
オプジーボ®点滴静注の概要
製品名 |
オプジーボ®点滴静注20mg、同100mg、同120mg、同240mg |
一般名(JAN) |
ニボルマブ(遺伝子組換え) |
効能又は効果 |
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用法及び用量 |
〈悪性黒色腫〉 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。ただし、悪性黒色腫における術後補助療法の場合は、投与期間は12ヵ月間までとする。 根治切除不能な悪性黒色腫に対してイピリムマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回80mgを3週間間隔で4回点滴静注する。その後、ニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。 <切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌> 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。 <根治切除不能又は転移性の腎細胞癌> 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。 <再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫> 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。 <切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫> 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。 <がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌> 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。 イピリムマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は、通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを3週間間隔で4回点滴静注する。その後、ニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。 < 通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回240mgを2週間間隔又は1回480mgを4週間間隔で点滴静注する。 |
製造販売 |
小野薬品工業株式会社 |
プロモーション提携 |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 |
※今回の承認による改訂箇所は下線で表示
オプジーボについて
オプジーボは、programmed death-1(PD-1)とPD-1リガンドの経路を阻害することで身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、日本で2014年7月に悪性黒色腫で承認を取得以降、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。現在、日本、韓国、台湾、中国、米国およびEUを含む65カ国以上で承認されています。
日本では、小野薬品が2014年9月に「根治切除不能な悪性黒色腫」の治療薬として発売しました。その後、2015年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」、2016年8月に「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」、2016年12月に「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」、2017年3月に「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」、2017年9月に「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌」、2018年8月に「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」、および2020年2月に「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」と「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道癌」の承認を取得しました。
また、尿路上皮がんおよび原発不明がんについて、効能又は効果の追加の承認申請をしており、肝細胞がん、卵巣がん、膀胱がん、前立腺がん、膵がん、胆道がん等を対象とした臨床試験も実施中です。
小野薬品工業株式会社とブリストル マイヤーズ スクイブの提携について
2011年、小野薬品は、ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)と締結した提携契約により、当時、小野薬品がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与しました。2014年7月、小野薬品とBMSは、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
以上