プレスリリース
オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法が、第Ⅲ相CheckMate -816試験において切除可能な非小細胞肺がん患者に対して無イベント生存期間を有意に改善
がん領域
2021/11/09
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2021年11月8日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- CheckMate -816試験は、非小細胞肺がんの術前補助療法において無イベント生存期間の改善および病理学的完全奏効を示した免疫療法薬を含む併用療法による最初の第Ⅲ相臨床試験です。
- この肯定的な結果は、肺がん、膀胱がん、食道/胃食道接合部がんおよび悪性黒色腫などの早期ステージがんを対象とした4つの第Ⅲ相臨床試験でオプジーボを含む治療法で認められた有効性を裏付けるものです。
(ニュージャージー州プリンストン、2021年11月8日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -816試験においてオプジーボ(一般名:ニボルマブ)と化学療法の併用療法が、切除可能なステージⅠbからⅢaの非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して、主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)の改善を達成したことを発表しました。予め計画された中間解析で、オプジーボと化学療法の併用療法は、化学療法単独と比較して、手術前に投与された場合、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるEFSの改善を示しました。この併用療法は、以前に、本試験のもう1つの主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)で有意な改善を示しました。オプジーボと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、NSCLCを対象とした試験でこれまでに報告されているものと一貫していました。
パリ・サクレー大学、呼吸器内科教授兼パリThorax Institute Curie Montsourisの部門長であるNicolas Girard(M.D.、Ph.D)は、次のように述べています。「切除可能な非小細胞肺がんの手術は治癒することを目的にしていますが、患者の30%から55%が手術後に再発を経験し、最終的にはこの疾患で亡くなられるため、このサイクルを阻止し得る別の治療選択肢が強く求められています。オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法で認められた無イベント生存期間に対する肯定的な結果は画期的なものであり、切除可能な非小細胞肺がんに対する治療方法に重要な意味を含んでいます。」
ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼胸部がん領域開発担当であるAbderrahim Oukessou(M.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -816試験は、非転移性非小細胞肺がん患者の術前補助療法として統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるベネフィットを示した免疫療法薬を含む併用療法による最初の第Ⅲ相臨床試験です。オプジーボと化学療法の併用療法は、初めて、外科手術の結果に影響を与えることなく、病理学的完全奏効率で統計学的に有意な改善を示し、今では、患者さんの病状が進行、再発することなく、また患者さんが亡くなられることなく、生存期間を延長しました。CheckMate -816試験の無イベント生存期間のデータにより、オプジーボを含む治療法を非転移性がんの初期段階(ステージ)で使用した場合、長期的な臨床予後を改善する可能性があるという根拠が裏付けられました。」
ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -816試験のデータの評価を完了させ、その結果を学会発表し、また規制当局とも共有していきます。CheckMate -816試験の結果は、以前に2021年米国がん学会(pCRデータ)および2021年米国臨床腫瘍学会(外科的予後)年次総会で発表されました。
ブリストル マイヤーズ スクイブとパートナーは、非転移性NSCLCを対象に、術前補助、術後補助および周術期段階における免疫療法薬の使用、ならびに化学放射線療法との併用療法について研究を進めています。術前補助段階における免疫療法薬の使用には、二重の科学的根拠があります。腫瘍があるうちに免疫療法薬の治療を行うことで、より強い免疫応答を引き起こし、原発腫瘍に対して治療をより効果的にする可能性がある一方で、隠れた微小転移を標的とする機会も提供します。
現在までに、オプジーボの有効性は、肺がん、膀胱がん、食道/胃食道接合部がんおよび悪性黒色腫の4つのがん腫の術前補助療法または術後補助療法において認められています。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -816試験にご参加いただいた患者さんと治験担当医師の方々に感謝の意を表明します。
CheckMate -816試験について
CheckMate -816試験は、PD-L1発現率にかかわらず、切除可能な非小細胞肺がん患者の術前補助療法として、オプジーボと化学療法の併用療法を化学療法と比較評価した多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。主要解析には、患者358例が登録され、オプジーボ360mgと組織型に基づくプラチナ製剤を含む化学療法2剤との併用療法を3週間間隔で3回投与する群、またはプラチナ製剤を含む化学療法2剤を3週間間隔で3回投与する群のいずれかに無作為に割り付けられ、その後、手術が施行されました。本試験の主要評価項目は、病理学的完全奏効(pCR)および無イベント生存期間(EFS)です。副次評価項目は、全生存期間(OS)、Major Pathological Response(MPR)および死亡または遠隔転移までの期間です。
肺がんについて
肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっています。肺がんは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類に大きく分類されます。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ84%を占めています。NSCLCと診断された患者の過半数(約60%)が非転移性疾患です。非転移性NSCLC患者の多くが手術で完治するものの、30%~55%が再発し、切除したにもかかわらずがんで亡くなられます。長期的なアウトカムを改善するために、手術前に投与(術前補助療法)および/または手術後に投与(術後補助療法)する治療選択肢が必要とされています。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫する可能性、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2020年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。