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プレスリリース

TYK2阻害剤デュークラバシチニブの製造販売承認を申請

Company Info

2021/11/30

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本資料はプレスリリースであり、医薬品のプロモーションや宣伝広告を目的とするものではありません。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、経口投与可能なチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害剤であるデュークラバシチニブについて、尋常性乾癬、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症に対する適応症の取得を目的として日本国内で製造販売承認申請を行いました。新規作用機序のTYK2阻害剤の製造販売承認の申請は国内の製薬業界で初めてです。

乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患で、国内の患者数は43万人と推計されています1。その内訳は、皮膚の一部に紅斑や鱗屑をきたす尋常性乾癬が全体の85.6%と最も多く、全身に膿疱が表れる膿疱性乾癬は2.3%、全身の皮膚が赤くなる乾癬性紅皮症は1.5%を占めています2。中等症から重症の尋常性乾癬や膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を完治できる薬剤は現状なく、長期にわたる治療中は複数の薬剤を切り替えながら使用していくことから、有効かつ許容可能な安全性プロファイルを有する、利便性に優れた治療選択肢に対する高いニーズがあります。

今回の承認申請は、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験(日本人含む)と海外第Ⅲ相臨床試験、中等症から重症の局面型皮疹を有する乾癬患者、膿疱性乾癬患者及び乾癬性紅皮症患者を対象とした国内第Ⅲ相オープンラベル試験の結果に基づいています。

国際共同第Ⅲ相臨床試験と海外第Ⅲ相臨床試験において、ともに主要評価項目とした投与16週のsPGAi(0/1)及びPASI 75iiは、いずれもプラセボ群に比べてデュークラバシチニブ群で統計学的に有意に高い達成率が示されました。また既承認の経口治療薬で広く用いられているアプレミラスト群との比較においても、副次評価項目とした投与16週のsPGA(0/1)及びPASI 75は、デュークラバシチニブ群で統計学的に有意に高い達成率が示されました。さらにデュークラバシチニブは投与24週に最大効果が認められ、52週間の投与期間にわたって効果が持続しました。国内第Ⅲ相オープンラベル試験においては、主要評価項目とした投与16週のsPGA(0/1)達成率及びPASI 75達成率はそれぞれ75.7%、71.6%でした。安全性については、国際共同第Ⅲ相臨床試験と海外第Ⅲ相臨床試験の統合解析において、投与16週までの重篤な有害事象の発現割合は1.8%(プラセボ群2.4%)で、長期投与により発現割合が上昇する傾向もみられませんでした。また、日本人特有の新たな安全性の懸念は認められず、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症患者の安全性プロファイルも尋常性乾癬患者とおおむね一貫していました。

デュークラバシチニブは経口投与可能なTYK2選択的阻害剤です。TYK2は細胞外からの刺激シグナルを細胞内に伝達するために働くリン酸化酵素(キナーゼ)群のひとつであるヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーの分子で、乾癬を含む自己免疫疾患の病態に寄与するインターロイキン(IL)-12、IL-23、I型インターフェロンなどの炎症性サイトカインの受容体に結合して下流にシグナルを伝達する役割を担っています。デュークラバシチニブはこれらのTYK2に依存するシグナル伝達経路を高い選択性で阻害することから、有効性と安全性のバランスの取れた乾癬治療薬になり得ると期待されています。

今回の申請にあたり、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社の執行役員 研究開発本部長の杉田真は、次のように述べています。「乾癬はいまだ満たされない医療ニーズが存在する自己免疫疾患です。今回、TYK2阻害という新規の作用機序を有する経口薬であるデュークラバシチニブの製造販売承認の申請を、日本国内の製薬業界で初めて、かつ米国やEUとほぼ同時期に迎えることができました。弊社は今後も国内の乾癬患者さんのみならず、様々な自己免疫疾患で苦しむ患者さんに新しい薬剤を届け、治療選択肢の拡大に貢献してまいります。」

<脚注>
i sPGAは医師による特定時点における皮疹の重症度の総合評価
ii PASIは病変部の皮膚の紅斑、肥厚、鱗屑の評価(それぞれ0から4までの重症度に分類)と全身に占める皮疹面積の割合により、乾癬の重症度を判定する指標。PASI 75は、PASIスコア75%改善を表す。

<出典>
1. Kubota K, Kamijima Y, Sato T, et al. Epidemiology of psoriasis and palmoplantar pustulosis: a nationwide study using the Japanese national claims database, BMJ Open 2015;5
2. Ito T, Takahashi H, Kawada A, et al. Epidemiological survey from 2009 to 2012 of psoriatic patients in Japanese Society for Psoriasis Research, J Dermatol 2018; 45: 293-301

 

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