プレスリリース
CAR T細胞療法「アベクマ®点滴静注」の製造販売承認を取得
2022/01/20
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
※本資料はプレスリリースであり、再生医療等製品のプロモーションや宣伝広告を目的とするものではありません。
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は本日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR T細胞療法(キメラ抗原受容体遺伝子改変自家T細胞療法)「アベクマ®点滴静注」(一般名:イデカブタゲン ビクルユーセル)について、「再発又は難治性の多発性骨髄腫1」を対象とした再生医療等製品製造販売承認を取得しました。「再発又は難治性の多発性骨髄腫1」を対象にしたCAR T療法の承認取得は今回が国内初です。また、当社のCAR T細胞療法の承認取得は、2021年3月の「ブレヤンジ®静注」(一般名:リソカブタゲン マラルユーセル)に続く2品目で、2つのCAR T細胞療法の承認を取得したのは国内では当社が初めてとなります。
今回の承認取得は、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした国際共同第II相試験(実施地域:日本・米国・欧州・カナダ)、ならびに海外第I相試験(実施地域:米国)で得られた有効性及び安全性の結果に基づいています(臨床試験結果を後段に記載)。
多発性骨髄腫は近年治療法が大きく進歩しているものの、いまだ治癒は難しく、治療が奏効しても次第に効果が減弱し、再発する可能性が高い疾患です。特に再発又は難治性の多発性骨髄腫の治療においては、免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の前治療歴を有する患者に対して国内で承認された標準治療はなく、新たな治療法が必要とされています。
アベクマの臨床試験に参加した日本赤十字医療センターの石田禎夫先生は、次のように述べています。「本邦初のBCMAを標的とするCAR T製品であるアベクマが承認されました。アベクマは再発・難治性の多発性骨髄腫に苦しむ患者さんに新たなる希望をもたらす製品だと期待しています。CAR T製品を用いた細胞療法はまだ新しい治療で使いこなしていくためには医師だけではなく、この治療に携わる方々の協力、連携が必須であり、勿論、企業との協力体制も同様に重要です。1日でも早く強固な治療体制を築き、アベクマを適正に使用し1人でも多くの多発性骨髄腫患者さんの治療に寄与できるように努めていきたいと考えております。」
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社の代表取締役社長であるジャン=クリストフ・バルランは、次のように述べています。「日本において当社2品目のCAR T細胞療法となるアベクマの承認を取得できたことを大変嬉しく思います。2つのCAR T細胞療法の承認を取得したのは、国内では当社が初めてで、かつ唯一となります。BCMAを標的とするという新規作用機序を有するアベクマは多発性骨髄腫の患者さんに新たな治療選択肢をお届けします。今回の承認は日本の患者さんのアンメットメディカルニーズに応えようとする私たちの強い意志を表すものです。『心のこもったイノベーション』を掲げる業界のゲームチェンジャーとして、ブリストル マイヤーズ スクイブは深刻な病と闘う患者さんを助けるための活動を継続してまいります。」
アベクマについて
アベクマは単回投与型として承認された個別化免疫細胞療法です。BCMAを標的とするCAR T細胞療法であるアベクマは、多発性骨髄腫の腫瘍細胞にほぼ普遍的に発現するタンパク質であるBCMAを認識・結合し、その結果BCMA発現細胞に対する細胞傷害作用が発現します。
アベクマの臨床試験結果について
国際共同第II相試験(外国人コホート128例、日本人コホート9例)では、主要評価項目とした全奏効割合2は、外国人コホート128例(目標用量150×106個、300×106個又は450×106個)において73.4%(95%信頼区間:65.8%~81.1%)であり、閾値50%に対して統計的に有意でした3。また、日本人コホート9例(目標用量450×106個)の全奏効割合は88.9%(95%信頼区間:51.8%~99.7%)でした4。海外第I相試験(用量漸増期21例:目標用量50×106個、150×106個、450×106個又は800×106個、用量拡大期41例:目標用量150×106個又は450×106個)において、全奏効割合2は全体(62例)で74.2%(95%信頼区間:61.5%~84.5%)、承認用量範囲である目標用量450×106個(38例)では84.2%(95%信頼区間:68.7%~94.0%)でした5。
国際共同第II相試験において、アベクマが投与された137例(日本人患者9例を含む)中134例(97.8%)に副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(84.7%)、好中球減少症(59.9%)、血小板減少症(45.3%)、貧血(38.0%)、白血球減少症(27.7%)、疲労(16.1%)、リンパ球減少症(14.6%)、低γグロブリン血症(11.7%)、発熱(10.2%)等でした(承認時までの集計)。また海外第I相試験において、アベクマが投与された62例中55例(88.7%)に副作用が認められました。主な副作用は、サイトカイン放出症候群(75.8%)、好中球減少症(41.9%)、血小板減少症(40.3%)、貧血(38.7%)、疲労(32.3%)、白血球減少症(27.4%)、リンパ球減少症(16.1%)、悪心(14.5%)、頭痛(14.5%)、低リン酸血症(12.9%)、上気道感染(11.3%)等でした(承認時までの集計)。
- ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。
- BCMA抗原を標的としたキメラ抗原受容体発現T細胞輸注療法の治療歴がない
- 免疫調節薬、プロテアソーム阻害剤及び抗CD38モノクローナル抗体製剤を含む3つ以上の前治療歴を有し、かつ、直近の前治療に対して病勢進行が認められた又は治療後に再発した
- 国際骨髄腫ワーキンググループの効果判定基準に基づく
- 2019年10月16日データカットオフ
- 2020年12月21日データカットオフ
- 2020年4月7日データカットオフ
【製品概要】
販売名 |
アベクマ®点滴静注 |
一般名 |
イデカブタゲン ビクルユーセル |
製造販売承認日 |
2022年1月20日 |
効能、効果又は性能 |
再発又は難治性の多発性骨髄腫。ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。
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用法及び用量又は使用方法 |
<医療機関での白血球アフェレーシス~製造施設への輸送>
<医療機関での受入れ~投与>
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製造販売元 |
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社 |
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。詳細は、BMS.com、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。