プレスリリース
米国食品医薬品局が、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、最初の抗LAG-3抗体を含む併用療法であるOpdualagTM(ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤)を承認
がん領域
2022/03/22
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2022年3月18日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- Opdualagは、抗PD-1抗体ニボルマブと新規の抗LAG-3抗体Relatlimabの免疫療法薬2剤の固定用量配合剤によるファースト・イン・クラスの併用療法です1。
- Opdualagは、RELATIVITY-047試験において、確立された標準治療であるニボルマブ単剤療法と比較して、無増悪生存期間の中央値を2倍以上に延長しました1,2。
- Relatlimabは、ブリストル マイヤーズ スクイブの3つ目の免疫チェックポイント阻害薬であり、当社のがん領域の際立ったポートフォリオをさらに強化します。
(ニュージャージー州プリンストン、2022年3月18日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、切除不能または転移性悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児患者の治療薬として、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤での新規のファースト・イン・クラスの併用療法(1回の点滴静注で投与)であるOpdualagTM(nivolumab and relatlimab-rmbw)を承認したことを発表しました1。この承認は、Opdualag(355例)をニボルマブ単剤療法(359例)と比較評価した第Ⅱ/Ⅲ相RELATIVITY-047試験に基づいています1,2。
本試験において、Opdualagは、ニボルマブ単剤療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)の中央値を2倍以上に延長し、主要評価項目のPFSを達成しました。PFSの中央値は、Opdualag群で10.1カ月(95% 信頼区間 [CI]:6.4 - 15.7)、ニボルマブ群では4.6カ月でした(95% CI:3.4 - 5.6)(ハザード比 [HR] 0.75;95% CI:0.62 - 0.92、P=0.0055)1。Opdualagの安全性プロファイルは、これまでに報告されたニボルマブのものと同様でした1,2。ニボルマブ単剤療法と比較して、同併用療法に関する新たな安全性事象は認められませんでした1,2。グレード3~4の薬剤に関連する有害事象が、Opdualag群の18.9%、ニボルマブ群の9.7%で発現しました2。投与中止に至った薬剤に関連する有害事象が、Opdualag群の14.6%、ニボルマブ群の6.7%で発現しました2。
ダナファーバーがん研究所メラノーマセンター長兼がん免疫療法センター長のF. Stephen Hodi(M.D.)は、次のように述べています。「免疫チェックポイント阻害薬が10年以上前に初めて承認されて以来、私たちは、免疫療法薬が単剤療法および併用療法で進行悪性黒色腫患者さんの治療に革新をもたらすさまを目にしてきました3。本日の承認はとりわけ重要です。免疫療法薬2剤によるこのまったく新しい併用療法は、LAG-3とPD-1の2つの異なる免疫チェックポイントを標的とすることで相乗効果を発揮し、抗腫瘍応答を促進する可能性を示しています1,2。」
Opdualagの「警告および注意」には、次の事象が含まれています:重度かつ致死的な免疫介在性の副作用(免疫介在性肺臓炎、免疫介在性大腸炎、免疫介在性肝炎、免疫介在性内分泌障害、腎機能障害を伴う免疫介在性腎炎、免疫介在性皮膚関連副作用、免疫介在性心筋炎およびその他の免疫介在性副作用)、Infusion reaction、同種造血幹細胞移植(HSCT)の合併症および胎児毒性1。詳細は「重要な安全性情報」の項目をご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブのグローバル医薬品開発、チーフ・メディカル・オフィサーであるSamit Hirawatは、次のように述べています。「私たちは、過去十年間で進行悪性黒色腫の治療法を大きく進展させてきましたが、これらの患者さんに免疫療法薬2剤による併用療法の治療選択肢をより拡充するよう注力しています3。ニボルマブとの固定用量配合剤のリラトリマブでLAG-3を阻害することは、革新的な免疫療法薬の選択肢を患者さんにお届けするという当社の実績に基づいた新しい治療アプローチを示しています。当社の3つ目となるチェックポイント阻害薬での新たな医薬品の承認は、単剤療法にとどまらず、より多くの選択肢を患者さんに提供するための重要な一歩を示しています。」
リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)とprogrammed death-1(PD-1)は、2つの異なる抑制性免疫チェックポイントで、腫瘍浸潤リンパ球上に同時発現する場合が多く、腫瘍を介したT細胞の疲弊に関与します2。ニボルマブ(抗PD-1抗体)とRelatlimab(抗LAG-3抗体)の併用療法は、どちらか一方を単剤療法として使用した場合よりも、T細胞の活性化を促進します1。Relatlimab(ニボルマブとの併用療法による)は、第Ⅲ相試験でベネフィットを示した最初の抗LAG-3抗体です1。ブリストル マイヤーズ スクイブにとっては(抗PD-1抗体および抗CTLA-4抗体と並び)3つ目のチェックポイント阻害薬になります。
メラノーマ・リサーチ・アライアンスのプレジデント兼CEOであるMichael Kaplanは、次のように述べています。「本日の承認は胸躍るニュースであり、悪性黒色腫のコミュニティに新たな希望をもたらします。この治療法が使用できれば、患者さんは免疫療法薬2剤によるファースト・イン・クラスの併用療法からベネフィットを得られるかもしれないのです。」
成人患者および12歳以上かつ体重40キロ以上の小児患者に対して、FDAが承認した用法用量は次のとおりです:ニボルマブ480mgおよびRelatlimab160mgを4週間間隔で点滴静注する1。12歳以上で体重40キロ未満の小児患者および12歳未満の小児患者に対する推奨用量は確立されていません1。
今回の申請は、一刻も早く安全かつ有効な治療薬を患者さんにお届けすることを目的とするFDAのリアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)パイロットプログラムの下で承認されました4。審査は、オーストラリア、ブラジル、スイスの保健当局による同時審査が可能であるFDAのProject Orbisイニシアチブの下でも実施されており、現在もこれらの国では審査が継続しています。
RELATIVITY-047試験について
RELATIVITY-047試験は、未治療の転移性または切除不能な悪性黒色腫患者を対象に、ニボルマブとRelatlimabの固定用量配合剤での併用療法をニボルマブ単剤療法と比較評価した国際共同無作為化二重盲検第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験です1,2。活動性自己免疫疾患、中等量または高用量の副腎皮質ホルモン剤または免疫抑制剤による全身療法を要する疾患、ぶどう膜黒色腫、活動性または未治療の脳転移または軟髄膜転移を有する患者は、本試験から除外されました1。本試験の主要評価項目は、固形がんの治療効果判定のためのガイドライン(RECIST v1.1)を用いた盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)です1。副次評価項目は、全生存期間(OS)および奏効率(ORR)です1。患者714例が、ニボルマブ480mgとRelatlimab160mgの固定用量配合剤での併用療法を受ける群、またはニボルマブ480mgを点滴静注する群に無作為に1:1に割り付けられ、4週間間隔で投与されました。投与は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで継続されました1。
RELATIVITY-047試験における安全性プロファイルの抜粋
副作用により、患者の18%がOpdualagの投与を完全に中止しました1。副作用により、患者の43%がOpdualagの投与を中断しました1。重篤な副作用が、Opdualagの投与を受けた患者の36%で発現しました1。最も頻繁(1%以上)に報告された重篤な副作用は、副腎機能不全(1.4%)、貧血(1.4%)、大腸炎(1.4%)、肺炎(1.4%)、急性心筋梗塞(1.1%)、背部痛(1.1%)、下痢(1.1%)、心筋炎(1.1%)および肺臓炎(1.1%)でした1。致死的な副作用が、Opdualagの投与を受けた患者の3例(0.8%)で発現し、血球貪食性リンパ組織球症、急性肺水腫および肺臓炎が含まれていました1。多く(20%以上)報告された副作用は、筋骨格痛(45%)、疲労(39%)、発疹(28%)、そう痒症(25%)および下痢(24%)でした1。Opdualagの安全性プロファイルは、これまでに報告されたニボルマブのものと同様でした1,2。ニボルマブ単剤療法と比較して、本併用療法では新たな安全性事象は認められませんでした1,2。グレード3~4の薬剤に関連する有害事象が、Opdualag群の18.9%、ニボルマブ群の9.7%で発現しました2。投与中止に至った薬剤に関連する有害事象が、Opdualag群の14.6%、ニボルマブ群の6.7%で発現しました2。
悪性黒色腫について
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です5。転移性悪性黒色腫は、この疾患の中でも最も致死性が高く、がんが皮膚表面だけでなく、他の臓器にも広がったときに起こります5,6。悪性黒色腫の発生率は、過去30年間にわたり徐々に上昇しています5,6。米国では、2022年に、約99,780人が新たに悪性黒色腫と診断され、関連死亡者数は約7,650人に上ると推定されています5。悪性黒色腫は、非常に早期の段階に見つかれば大部分が治癒可能ですが、進行するにつれて生存率は低下します6。
Opdualagの適応症および安全性情報について
米国でのOpdualagの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、OpdualagTM(nivolumab and relatlimab-rmbw)が本プレスリリースに記載された適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、および本プレスリリースに記載されたそのような適応症でそのような製品候補の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2021年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。
参考文献
- Opdualag Prescribing Information. Opdualag U.S. Product Information. Last updated: March 2022. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.
- Tawbi HA, Schadendorf D, Lipson EJ, et al. Relatlimab and nivolumab versus nivolumab in untreated advanced melanoma. N Engl J Med. 2022;386:24-34.
- Hodi FS, Chiarion-Sileni V, Gonzalez R, et al. Nivolumab plus ipilimumab or nivolumab alone versus ipilimumab alone in advanced melanoma (CheckMate 067): 4-year outcomes of a multicentre, randomized, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2018;19(11): 1480-1492.
- U.S. Food & Drug Administration. Real-Time Oncology Review Pilot Program.
- What Is Melanoma Skin Cancer? American Cancer Society. https://www.cancer.org/cancer/melanoma-skin-cancer/about/what-is-melanoma.html. Published August 14, 2019. Accessed March 1, 2022.
- SEER. Cancer Stat Facts: Melanoma of the Skin. https://seer.cancer.gov/statfacts/html/melan.html. Accessed March 1, 2022.