プレスリリース
ブリストル マイヤーズ スクイブ、欧州委員会より、PD-L1発現レベルが1%以上の根治切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮がん患者の術後補助療法として、オプジーボの承認を取得
がん領域
2022/04/06
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2022年4月5日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- 今回の承認は、オプジーボによる術後補助療法が、プラセボと比較して、患者の再発または死亡のリスクを有意に低減した第Ⅲ相CheckMate -274試験の結果に基づいています。
- オプジーボは、欧州連合において、この設定で承認された最初で唯一の術後補助免疫療法薬の選択肢です。
- 悪性黒色腫および食道/胃食道接合部がんに続き、欧州連合で早期ステージのがんに対するオプジーボの3つ目の承認です。
(ニュージャージー州プリンストン、2022年4月5日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、欧州委員会(EC)が、PD-L1発現レベルが1%以上の根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がんの成人患者の術後補助療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)を承認したことを発表しました。ECの承認により、オプジーボは、欧州連合(EU)で、この設定における患者に対して承認された最初の術後補助免疫療法薬の選択肢になります。
第Ⅲ相CheckMate -274試験において、オプジーボは、プラセボと比較して、全無作為化患者およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者の両方において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある無病生存期間(DFS)の改善を示しました。ECの決定は、PD-L1発現レベルが1%以上の患者での結果に基づいています。本結果では、DFSの中央値はオプジーボで未達、プラセボでは8.41カ月で、オプジーボが、プラセボと比較して、再発または死亡のリスクを47%低減しました(ハザード比 [HR] 0.53;95% 信頼区間 [CI]:0.38 - 0.75;p=0.0005)。オプジーボの忍容性は全体的に良好で、安全性プロファイルはこれまでに報告されたオプジーボの固形がん患者における試験のものと一貫していました。
ラドバウド分子生命科学研究所の泌尿器腫瘍学教授であるFred Witjes(M.D.)は、次のように述べています。「何年ものあいだ、筋層浸潤性尿路上皮がんの患者さんは、がんを切除できる早期段階で診断されたにもかかわらず、約半数の方が再発し、それを防ぐための安全で効果的な治療選択肢もほとんどないという痛ましい現実とともにありました。ニボルマブが承認されたことで、臨床医は、CheckMate -274試験で再発または死亡のリスクを有意に低減した術後の一定の患者さんに、免疫療法薬の治療選択肢を提供できるようになります。本承認により、EUの筋層浸潤性尿路上皮がんの適格な患者さんの治療法が大きく変わる可能性があります。」
ECの承認により、EUの27加盟国をはじめ、アイスランド、リヒテンシュタインおよびノルウェーにおいて、PD-L1発現レベルが1%以上の根治切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮がんの成人患者の術後補助療法としてオプジーボが使用できるようになります。EUに加えて、オプジーボは、CheckMate -274試験に基づき、PD-L1発現レベルを問わない適応で承認されている米国と日本を含め、7カ国で承認を取得しているほか、世界の保健当局によりさらなる申請に対する審査が進められています。CheckMate -274試験の結果は、2021年2月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)の泌尿器がんシンポジウムで最初に発表され、2021年6月にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載されました。
ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼泌尿生殖器がん領域開発プログラム責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「私たちは、診断されたのが早期段階か転移後かにかかわらず、がん患者さんの展望を変える新しい治療選択肢を進展させるという目標に突き動かされています。今回のオプジーボの承認により、尿路上皮がんの一定の患者さんに対し、新たな術後の標準治療をもたらす機会を得ることができました。これは、悪性黒色腫および食道がんの術後補助療法として、EUの患者さんに初めて免疫チェックポイント阻害薬を提供した企業としての実績に基づくものです。できる限り速やかにオプジーボを適格な患者さんに提供できるよう、欧州のステークホルダーと協力してまいります。」
世界膀胱がん患者連合の理事であるAlex Filicevasは、次のように述べています。「世界で2番目に膀胱がんの発生率が高い欧州では、術後の患者さんのための新しい治療選択肢が喫緊に必要とされていました。そのような患者さんは、手術による身体的および精神的な影響を管理しながら、がんが再発する恐怖に直面しています。患者さんの再発リスクを低減する可能性のある新しい術後補助療法が承認され、うれしく思います。筋層浸潤性膀胱がんによる膀胱切除は、人生を一変させる経験でもあるため、ニボルマブがプラセボと比較して生活の質を維持したというデータが発表されたことも、よりいっそう重要な意味を持っています。今回の承認により、筋層浸潤性尿路上皮がん患者さんは、大切な人との質の高い時間をより長く過ごせるようになるかもしれません。」
EUにおいて、オプジーボは尿路上皮がん、悪性黒色腫および食道/胃食道接合部がんの3つの異なるがん腫の術後補助療法として承認されたことになります。また、ブリストル マイヤーズ スクイブは、早期ステージのがんにおける広範な開発プログラムを有しており、現在、術前補助、術後補助、周術期の設定にわたる8つの異なるがん腫で開発を行っています。
オプジーボ単剤療法の安全性プロファイルの要約
最短追跡期間が2.3カ月~28カ月のがん腫を問わないオプジーボ単剤療法の統合データセット(4,122例)において、オプジーボの投与を受けた患者で最も頻繁(10%以上)に報告された副作用は、疲労(45%)、筋骨格痛(31%)、下痢(26%)、咳嗽(24%)、発疹(24%)、悪心(23%)、そう痒症(19%)、食欲減退(18%)、便秘(17%)、呼吸困難(17%)、腹痛(16%)、上気道感染症(16%)、関節痛(14%)、発熱(14%)、嘔吐(14%)、頭痛(13%)および浮腫(10%)でした。副作用の大半は軽度から中等度(グレード1~2)でした。
CheckMate -274試験について
CheckMate -274試験は、根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとプラセボを比較評価した多施設無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。患者709例が、オプジーボ240mgまたはプラセボを2週間間隔で投与する群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、最長1年間の投与を受けました。本試験の主要評価項目は、全無作為化患者(すなわちIntention-To-Treat集団)およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者サブセットにおける無病生存期間(DFS)です。主な副次評価項目は、全生存期間(OS)、非尿路上皮無再発生存期間(NUTRFS)および疾患特異的生存期間(DSS)です。
尿路上皮がんについて
膀胱がんは世界で10番目に多いがん腫であり、毎年573,000人以上が新たに診断されています。膀胱の内側に並ぶ細胞で最も多く発生する尿路上皮がんは、膀胱がんの約90%を占めています。尿路上皮がんは、膀胱に加えて、尿管および腎盂を含む尿路の他の部分に発生する可能性があります。尿路上皮がんの大多数は早期に診断されますが、再発率と病勢進行率が高くなっています。手術を受けた患者の約50%で再発します。転移性がんとして再発した患者の予後は不良であり、全身療法を受けた場合、全生存期間の中央値は約12~14カ月です。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は、ブリストル マイヤーズ スクイブの100%子会社です。米国以外のいくつかの国では、現地法の規定により、セルジーン社およびジュノ・セラピューティクス社は「Celgene, a Bristol Myers Squibb company」および「Juno Therapeutics, a Bristol Myers Squibb company」と称されています。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、欧州各国における価格設定および保険償還に関する交渉に起因して、本プレスリリースに記載された追加の適応症でのオプジーボの商業化が遅延するまたは制限される可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、そのような製品候補の本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性、そのような製品候補の本プレスリリースに記載された追加の適応症が商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれます。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2021年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。