プレスリリース
オプジーボ®とカボメティクス®の併用療法
進行腎細胞がんのファーストライン治療を対象としたCheckMate -9ER試験の3年以上にわたる追跡調査において持続的な生存ベネフィットを示す
がん領域
2023/02/17
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年4月24日に発表しましたstatementの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
訂正および差替え:2023年4月24日に小規模な更新が行われ、盲検化独立中央評価委員会(BICR)の評価によるデータ項目(PFS、ORRおよび DoR)に影響を与える元データの解析の誤りが訂正されました。安全性およびOSデータを含む有効性のプロファイルには影響はなく、データの更新による患者ケアには影響はありませんでした。
(訂正版)
- オプジーボとカボメティクスの併用療法が、スニチニブと比較して、IMDCリスクスコアにかかわらず、全生存期間、無増悪生存期間および奏効率で持続的なベネフィットを示したデータがASCO GU 2023で発表されます。
- CheckMate -9ER試験の3年間(中央値44カ月)の追跡調査のデータは、この患者集団においてがん免疫治療薬とチロシンキナーゼ阻害剤の併用療法のレジメンによる第Ⅲ相試験で報告された最長の追跡調査のデータです。
- 探索的バイオマーカーの解析では、オプジーボとカボメティクスの併用療法は、PD-L1発現状況にかかわらず、無増悪生存期間および全生存期間の中央値の改善を示しました。
(ニュージャージー州プリンストンおよびカリフォルニア州アラメダ、2023年2月13日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)とExelixis社(NASDAQ:EXEL)は、本日、第Ⅲ相 CheckMate -9ER試験の3年間(最短36.5カ月;中央値44.0カ月)の追跡調査の結果を発表しました。本結果では、オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)とカボメティクス®(一般名:カボザンチニブ)の併用療法が、スニチニブと比較して、進行腎細胞がん(RCC)のファーストライン治療において、生存期間および奏効率で持続的なベネフィットを示しました。また、バイオマーカーの解析では、オプジーボとカボメティクスの併用療法は、PD-L1発現状況にかかわらず、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)の中央値で持続的な改善を示しました。これらの最新結果は、2023年2月16日から18日にかけて開催されます2023年米国臨床腫瘍学会の泌尿器がんシンポジウム(ASCO GU)で、口頭発表(1件)およびポスタープレゼンテーション(1件)で発表されます。
チリ、サンティアゴにあるブラッドフォードヒル臨床研究センターのメディカルディレクターであるMauricio Burotto(M.D.)は、次のように述べています。「科学と医学の進歩にもかかわらず、転移性腎細胞がんの患者さん、特に高リスクに分類される患者さんの生存期間を持続的に延長できる治療選択肢が依然として必要とされています。CheckMate -9ER試験のこれらの最新結果から、ニボルマブとカボザンチニブの併用療法が、スニチニブと比較して、患者さんのリスク分類を問わず、3年以上にわたり生存期間を持続的に延長し、奏効ベネフィットを維持することがわかりました。これらの結果は、患者さんに対するがん免疫療法薬とチロシンキナーゼ阻害薬の併用療法のレジメンの重要性およびこの治療困難ながん患者さんの生存への期待を変えるのに役立つ可能性を補強するものです。」
抄録番号#603:進行腎細胞がん(aRCC)のファーストライン治療におけるニボルマブとカボザンチニブの併用療法とスニチニブとの比較:第Ⅲ相CheckMate -9ER試験の3年間の追跡調査(Burotto, et. al.)
中央値44.0カ月(最短36.5カ月)の追跡調査において、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(n=323例)はスニチニブ群(n=328例)と比較して、引き続き、良好なOS、PFS、奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)および完全奏効(CR)率の改善を示しました。追跡調査において、新たな安全性シグナルは認められませんでした。全患者集団の結果は以下の通りです。
- OS:オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、スニチニブ群と比較して、OSの中央値(併用療法群49.5カ月 vs スニチニブ群35.5カ月)を改善し、引き続き、死亡リスクを30%低減しました(ハザード比[HR]0.70;95%信頼区間[CI]:0.56 - 0.87)。また、OSの中央値は、以前のデータカット時点の中央値が32.9カ月の追跡期間から11.8カ月改善しました。
- PFS:PFSに対するベネフィットは維持され、併用療法群は、スニチニブ群と比較して、PFSの中央値を引き続き2倍に延長しました(併用療法群16.6カ月 vs スニチニブ群8.4カ月;HR 0.59;95% CI:0.49 - 0.71)。
- ORRおよびDoR:ORRに対するベネフィットは維持され、併用療法群は、スニチニブ群と比較して、2倍のORRを示しました(56% vs 28%)。また、DoR中央値はスニチニブ群の16.1カ月と比較して、併用療法群では22.1カ月であり、併用療法群の方がDoRもより持続的でした。
- CR:CR率は、併用療法群で13%、スニチニブ群で5%で、維持されていました。
- 安全性:グレードにかかわらず、治療に関連する有害事象(TRAE)が、併用療法群の97%、スニチニブ群の93%で認められました。グレード3以上のTRAEは、併用療法群で67%、スニチニブ群で55%でした。
この結果は、国際転移性腎細胞がんデータベースコンソーシアム(IMDC)のリスクスコア(favorable、intermediate、intermediate/poorおよびpoor)でも評価されました。オプジーボとカボメティクスの併用療法群で、IMDCリスクにかかわらず、すべての有効性指標(OS、PFS、ORRおよびCR)でベネフィットが認められました。
抄録番号#608:進行腎細胞がん(aRCC)に対するニボルマブとカボザンチニブの併用療法とスニチニブを比較した第Ⅲ相CheckMate -9ER試験におけるバイオマーカー解析(Choueiri, et.al.)
CheckMate -9ER試験の中央値44.0カ月の追跡調査における探索的事後解析において、オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、PD-L1発現状況にかかわらず、PFSおよびOSの両方の中央値を改善しました。PFSおよびOSは、腫瘍のPD-L1発現(1%未満または1%以上)、CD8の割合(3分の1ごとに低、中、高)、CD8トポロジー表現型(炎症なし、除外、炎症あり)によって評価し、ログランク検定(PD-L1およびCD8)およびCox比例ハザード(Cox PH)モデル(CD8)によるカプラン・マイヤー(KM)法を用いて関連性を評価しました。確立された遺伝子発現シグネチャーなど、以前より抗PD-L1+抗VEGFの転帰を予測することが明らかになっているバイオマーカーは、必ずしも抗PD-1+抗VEGF標的療法の有効性を予測するものではなく、抗PD-1療法と抗PD-L1療法に対する反応の主な決定因子は異なる可能性があることを示唆しています。
ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼泌尿生殖器がん領域開発プログラム責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「当社には、がん免疫療法をベースとした併用療法を進行腎細胞がんの患者さんに提供し、複数のがん種においてオプジーボをベースとした併用療法で患者さんの予後を変えてきた確固たる実績があります。CheckMat -9ER試験の最新データは、進行腎細胞がんの患者さんのファーストライン治療におけるオプジーボとカボメティクスの併用療法の使用をさらに裏付けるものです。当社は、できる限り多くの患者さんの長期的な予後の改善に役立つ可能性のある解決策を求めて、科学界全体での協力関係および立証された抗がん剤による当社の併用療法のアプローチの探索に引き続き尽力していきます。」
Exelixis社の製品開発部門・メディカルアフェアーズ部門のエグゼクティブ バイス プレジデント兼最高医学責任者であるVicki L. Goodman(M.D.)は、次のように述べています。「中央値44カ月の追跡調査において、明確な生存ベネフィットは、進行腎臓がんの患者さんのファーストライン治療の選択肢として、オプジーボとカボメティクスの併用療法のレジメンの価値をさらに強固なものにします。私たちは、ASCO GUでこれらの長期的な知見をお伝えできることをうれしく思い、進行腎臓がんの患者さんの予後を改善するための長年の取り組みを堅持します。」 ブリストル マイヤーズ スクイブとExelixis社は、CheckMate -9ER試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。
CheckMate -9ER試験について
CheckMate -9ER試験は、未治療の進行または転移性腎細胞がん(RCC)患者を対象に評価した多国籍共同無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。患者651例(低リスク:23%、中リスク:58%、高リスク:20%;PD-L1発現レベル1%以上:25%)は、オプジーボとカボメティクスの併用療法群(323例)またはスニチニブ群(328例)に無作為に割り付けられました。本試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)です。副次評価項目は、全生存期間(OS)および奏効率(ORR)です。主要な有効性解析は、無作為化された全患者における2剤併用療法群とスニチニブ群との比較です。本試験は、ブリストル マイヤーズ スクイブおよび小野薬品工業株式会社がスポンサーとなり、Exelixis社、Ipsen Pharma SAS社および武田薬品工業株式会社が共同出資を行っています。
腎細胞がんについて
腎細胞がん(RCC)は成人の腎臓がんの中で最も一般的な型であり、毎年、世界で431,000人以上の方が新たに診断され、179,000人以上の方が亡くなっています。RCCは男性が女性の約2倍多く発症し、北米と欧州で罹患率は特に高くなっています。診断時には、最大30%の患者さんが進行または転移性のRCCです。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボ®について
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年9月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
カボメティクス®(一般名:カボザンチニブ)について
カボメティクス錠は、米国で進行腎細胞がん患者、ソラフェニブによる治療歴を有する肝細胞がん患者、ニボルマブとの併用によるファーストライン治療薬として進行腎細胞がん患者、ならびにVEGFRを標的とした前治療により進行した局所進行性または転移性分化型甲状腺がんを有し、放射性ヨウ素治療抵抗性または治療に不適格な成人および12歳以上の小児患者を対象として承認を取得しています。また、カボメティクス錠は、欧州連合および世界中の他の諸国と地域でも承認を取得しています。2016年に、Exelixis社は米国および日本以外の地域におけるカボザンチニブの臨床開発および販売の独占的権利をIpsen社に供与しました。また2017年に、Exelixis社は日本における適応拡大を含めたカボザンチニブの臨床開発および販売の独占的権利を武田薬品工業株式会社に供与しました。Exelixis社は、米国におけるカボザンチニブの開発および販売の独占的権利を保有しています。
オプジーボとカボメティクスの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボとカボメティクスの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
Exelixis社について
Exelixis社は、がん治療の最前線で次世代の医薬品と治療法を刷新する、がんに特化した意欲的な世界的企業です。創薬と開発に秀でた両沿岸地域のセンターを基盤に、低分子化合物、抗体薬物複合体、その他のバイオ医薬品を臨床的に区別したパイプラインによって拡大する一連の腫瘍型と適応症を標的にするため、製品ポートフォリオを迅速に進化させています。 この包括的なアプローチでは、研究プログラムを勧め、当社の主力製品であるカボメティクス®(カボザンチニブ)の影響を拡大するために、数十年にわたって当社の科学とパートナーシップに手堅い投資を行ってきました。Exelixis社は、より多くの患者さんに未来への希望を与える革新的な治療法を創り出すという果敢な科学的探求を原動力としています。当社と、がん患者さんが回復して丈夫になって長生きできるように支援するという、その使命に関する情報については、www.exelixis.comをご覧くださるか、Twitter(@ExelixisInc)、Facebook(Exelixis, Inc.)、LinkedInでフォローしてください。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではない全ての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一致しない可能性があること、オプジーボ®(ニボルマブ)とカボメティクス®(カボザンチニブ)の併用療法が商業的に成功すること、販売承認を取得した場合にその使用が大幅に制限される可能性があること、本プレスリリースに記載された適応症に対する併用療法の承認の維持には、追加の確認試験における臨床的ベネフィットの検証および説明が条件となる可能性があることが含まれます。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2021年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。