プレスリリース
オプジーボによる術後補助療法が、CheckMate -274試験の3年間の追跡調査において、根治切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮がん患者に対して有意かつ持続的な臨床ベネフィットを引き続き示す
がん領域
2023/02/20
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年2月17日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- 中央値3年の追跡調査データで、オプジーボによる術後補助療法は、プラセボと比較して、無病生存期間、非尿路上皮無再発生存期間、無遠隔転移生存期間、2次治療までの無増悪生存期間を有意に改善しました。
- 根治切除後の無作為化患者において、オプジーボは、プラセボと比較して、無病生存期間を2倍以上延長しました。PD-L1発現レベルが1%以上の患者では、プラセボと比較して、無病生存期間を6倍以上延長しました。
- 第Ⅲ相CheckMate -274試験の最新結果は、ASCO GU 2023の最新(late-breaking)口頭プレゼンテーションで発表されます。
(ニュージャージー州プリンストン、2023年2月17日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、第Ⅲ相CheckMate -274試験の3年間の追跡調査の結果を発表しました。本結果では、切除後の高リスク筋層浸潤性尿路上皮がん患者の術後補助療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)の有意かつ持続的な臨床ベネフィットが示されました。中央値36.1カ月間(最短31.6カ月)の追跡調査において、オプジーボによる術後補助療法は、プラセボと比較して、全無作為化患者およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者における無病生存期間(DFS)、非尿路上皮無再発生存期間(NUTRFS)、無遠隔転移生存期間(DMFS)および2次治療までの無増悪生存期間(PFS2)の改善を引き続き示しました。これらの最新結果は、2023年2月16~18日に開催される2023年米国臨床腫瘍学会の泌尿器がんシンポジウム(ASCO GU)において、最新(late-breaking)口頭プレゼンテーションで発表されます。
マウントサイナイ・アイカーン医科大学、ティッシュがん研究所のトランスレーショナル・リサーチ副所長、膀胱がんセンター・オブ・エクセレンス共同ディレクター、泌尿生殖器がん腫瘍内科部長、内科教授であるMatthew D. Galsky(M.D.)※は、次のように述べています。「筋層浸潤性尿路上皮がんの患者さんは、腫瘍の微小転移を原因とする再発リスクが高く、特に、膀胱または腎臓を切除してから3年以内に再発する場合が多くなっています。CheckMate -274試験の3年間にわたる長期追跡調査の結果では、ニボルマブの術後補助療法による再発リスクの持続的な低減が示されました。これまで、術前化学療法を受けた、または化学療法に不適格な患者さんにおいて、根治切除後の尿路上皮がんの再発リスクを低減した薬は、すべての免疫療法薬およびその他の薬剤を含めても、ニボルマブ以外にありません。本試験の結果は、尿路上皮がんの治療方法に変化をもたらしたのです。」
CheckMate -274試験の3年間の追跡調査の結果は以下のとおりです。
- DFS(主要評価項目):全無作為化患者において、オプジーボは、疾患が再発することなく患者が生存した平均期間を2倍以上延長しました。無病生存期間の中央値は、プラセボ群の10.9カ月に対し、オプジーボ群では22.0カ月で、再発リスクを29%低減しました(ハザード比 [HR] 0.71、95%信頼区間 [CI]:0.58 - 0.86)。リスク低減率は、主要解析時の結果と一貫しており、最短25.7カ月の追加の追跡調査による差はわずか1%でした(主要解析時の最短5.9カ月の追跡調査では、リスク低減率は30%でした;HR 0.70)。PD-L1発現レベルが1%以上の患者において、オプジーボは、プラセボと比較して、疾患が再発することなく患者が生存した平均期間を6倍以上延長しました。DFSの中央値は、オプジーボ群で52.6カ月、プラセボ群で8.4カ月(HR 0.52、95% CI:0.37 - 0.72)であり、再発または死亡のリスクを48%低減しました。
- NUTRFS(副次評価項目):全無作為化患者において、膀胱、尿管または腎盂以外で疾患が再発することなく患者が生存した期間として定義されるNUTRFSの中央値は、オプジーボ群で25.9カ月、プラセボ群で13.7カ月でした(HR 0.72、95% CI:0.59 - 0.88)。PD-L1発現レベルが1%以上の患者におけるNUTRFSの中央値は、オプジーボ群で52.6カ月、プラセボ群で8.4カ月でした(HR 0.53、95% CI:0.38 - 0.74)。
- DMFS(探索的評価項目):全無作為化患者において、原発腫瘍から遠隔臓器またはリンパ節への転移なく患者が生存した期間として定義されるDMFSの中央値は、オプジーボ群で47.1カ月、プラセボ群で28.7カ月でした(HR 0.74、95% CI:0.60 - 0.92)。PD-L1発現レベルが1%以上の患者におけるDMFSの中央値は、オプジーボ群で未達、プラセボ群で20.7カ月でした(HR 0.58、95% CI:0.40 - 0.84)。
- PFS2(探索的評価項目):無作為化から後続全身療法後の病勢進行、2番目の後続全身療法の開始、あるいは死亡までの期間として定義されるPFS2の中央値は、全無作為化患者集団において、オプジーボ群で61.2カ月、プラセボ群で47.1カ月でした(HR 0.79、95% CI:0.63 - 0.98)。PD-L1発現レベルが1%以上の患者におけるPFS2の中央値は、オプジーボ群で未達、プラセボ群で39.4カ月でした(HR 0.54、95% CI:0.37 - 0.79)。
- 安全性:グレード3~4の治療に関連する有害事象が、オプジーボ群の18.2%、プラセボ群の7.2%で発現しました。この結果は、主要解析時の結果と一貫していました。
ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼泌尿生殖器がん領域開発プログラム責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「私たちが目指すのは、再発を防いで長期転帰予後を改善する安全かつ有効性の高い治療選択肢を提供し、患者さんに希望をもたらすことです。そのために、ブリストル マイヤーズ スクイブは、がんの早期段階を重要な研究対象と捉え、尿路上皮がんのようにアンメットニーズの高い難治性がんを含む、さまざまながん腫に取り組んでいます。CheckMate -274試験の追跡調査で示された持続的効果は、早期がんにおいて進行中の当社の研究を後押しし、それによって患者さんの予後が変わる可能性への期待を高めるものです。CheckMate -274試験では、現在も盲検性を維持している全生存期間を含め、その他の主な副次評価項目の評価も進行中であり、今後も慎重に継続していきます。」
ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -274臨床試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。
CheckMate -274試験について
CheckMate -274試験は、根治切除後の再発リスクが高い筋層浸潤性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとプラセボを比較評価した多施設無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です。患者709例が、オプジーボ240 mgを2週間間隔で投与する群またはプラセボ群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、最長1年間の投与を受けました。本試験の主要評価項目は、全無作為化患者(すなわちIntention-To-Treat集団)およびPD-L1発現レベルが1%以上の患者サブセットにおける無病生存期間(DFS)です。主な副次評価項目は、全生存期間(OS)、非尿路上皮無再発生存期間(NUTRFS)および疾患特異的生存期間(DSS)です。主な探索的評価項目は、無遠隔転移生存期間(DMFS)、生活の質(QoL)、2次治療までの無増悪生存期間(PFS2)です。
尿路上皮がんについて
膀胱がんは世界で10番目に多いがん腫であり、毎年573,000人以上が新たに診断されています。膀胱の内側に並ぶ細胞で最も多く発生する尿路上皮がんは、膀胱がんの約90%を占めています。尿路上皮がんは、膀胱に加えて、尿管および腎盂を含む尿路の他の部分に発生することがあります。尿路上皮がんの大多数は早期に診断されますが、再発率と病勢進行率が高くなっています。根治切除術を受けた患者の約50%が再発し、特に、膀胱または腎臓を切除してから最初の3年以内に再発する場合が多くなっています。転移性がんとして再発した患者の予後は不良であり、全身療法を受けた場合、全生存期間の中央値は約12~14カ月です。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年9月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、将来の試験結果が現在までの結果と一致しない可能性、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。
※Matthew D. Galsky医師は、ブリストル マイヤーズ スクイブの有償顧問です。