プレスリリース
オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法、CheckMate -816試験の3年間の追跡調査において、切除可能な非小細胞肺がん患者に対して長期的かつ持続的な臨床ベネフィットを示す
がん領域
2023/04/03
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年3月30日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- 3年間の追跡調査において、オプジーボと化学療法の併用療法による術前投与が再発、病勢進行または死亡のリスクを32%低減したことを示すデータが、2023年欧州肺がん学会(ELCC)のプロファード・ペーパー・口頭セッションで発表されました。
- 最新の結果において、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法は、化学療法単独と比較して、無イベント生存期間および遠隔転移までの期間を長期的に改善するとともに、全生存期間においても良好な改善傾向が示されています。
- CheckMate -816試験は、免疫療法をベースとした併用療法を用いたNSCLCの術前補助療法における初めての肯定的な第Ⅲ相試験です。
(ニュージャージー州プリンストン、2023年3月30日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -816試験の3年間の追跡調査の結果を発表しました。本結果では、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者の術前補助療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とプラチナ製剤を含む化学療法の併用療法の3回投与が持続的な臨床ベネフィットを示しました。中央値41.4カ月の追跡調査において、オプジーボと化学療法の併用療法は、再発、病勢進行または死亡のリスクを32%低減し、3年間の無イベント生存期間(EFS)率は、オプジーボと化学療法の併用療法群で57%、化学療法単独群では43%でした(ハザード比[HR]0.68;95%信頼区間[CI]、0.49 - 0.93)。また、無作為割付け日から遠隔転移を最初に認めた日、または遠隔転移がないまま死亡した日までの期間と定義した遠隔転移または死亡までの期間(TTDM)では、オプジーボと化学療法の併用療法群は、化学療法単独群と比較して、引き続き良好な結果を示し(HR 0.55;95% CI,0.39 - 0.78)、3年間のTTDM率はオプジーボと化学療法の併用療法群で71%、化学療法単独群では50%でした。
本解析では、全生存期間(OS)のデータは未完成であったものの、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法は、化学療法単独と比較して、引き続き良好な改善傾向が認められました(HR 0.62;99.34% CI:0.36 - 1.05)。3年時点での生存率は、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法で78%、化学療法単独で64%でした。OSの解析は、引き続き継続して実施されます。これらの最新の結果は、2023年3月29日~4月1日に開催される2023年欧州肺がん学会(ELCC)のプロファード・ペーパー・口頭セッションで発表されました。
CheckMate -816試験の治験担当医師であり、Thorax Institute Curie-Montsouris教授兼部門長であるNicolas Girard(M.D.、Ph.D)は、次のように述べています。「CheckMate -816試験の今回の最新の結果は非常に重要なものであり、ニボルマブと化学療法の併用療法の術前投与が3年間にわたり持続的な有効性をもたらすことを示し、再発率が高く、手術のみでは治癒できないNSCLCの大多数の患者さんに希望を与えるものです。免疫療法薬による併用療法の術前補助療法で最初の肯定的な第Ⅲ相試験として、CheckMate -816試験の結果は、切除可能なNSCLCを研究する科学界にこれまでも貴重な知見を与えてきました。今回、この併用療法が様々なタイプの患者さんの再発や病勢進行の予防に役立つことを示すとともに、OSの良好な延長傾向も示された長期間のデータにより、このレジメンは非転移性NSCLCの治療法を変えようとしています。」
探索的解析には、外科的アプローチによるEFS、切除範囲または完全性によるEFS、およびベースライン時の腫瘍サンプルのRNAシーケンスに基づく4遺伝子(CD8A、CD274、STAT-1、およびLAG-3)の炎症シグネチャースコアによるEFSおよび病理学的完全奏効(pCR)が含まれました。オプジーボと化学療法の併用療法群は、化学療法群と比較して、外科的アプローチや切除範囲にかかわらず、手術を受けた患者および腫瘍を完全切除(R0)した患者において、3年時点でEFSの改善を引き続き示しています。オプジーボと化学療法の併用療法群において、ベースライン時の4遺伝子の炎症シグネチャースコアは、pCRが認められた患者では、認められなかった患者と比較して数値が高く、ベースライン時の炎症スコアがより高い患者では、スコアが低い患者と比較して、併用療法によってEFSが改善する傾向が見られました。
3年間の追跡調査において、オプジーボと化学療法の併用療法による術前補助療法の安全性プロファイルは、主要解析時のものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレード3~4の治療および手術に関連する有害事象の発現率は、オプジーボと化学療法の併用療法群で各々36%および11%、化学療法群で各々38%および15%でした。
ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼胸部がん領域、開発担当であるAbderrahim Oukessou(M.D.)は、次のように述べています。「CheckMate -816試験の顕著で持続的な結果は、切除可能なNSCLCのような高いアンメットニーズが残る胸部がんを含め、早期ステージのがんにおける当社の研究への取り組みを後押しし、早期治療に向けた新たな治療選択肢を見出す私たちの期待を高めるものです。BMSは、この革新的なサイエンスの最前線に立ち、切除可能なNSCLCの術前補助療法として最初の免疫療法薬による治療の可能性を裏付ける新たなデータが得られたことを誇りに思います。このサイエンスによって、再発、病勢進行および死亡のリスクの低減を可能とし、患者さんに持続的かつ長期にわたる予後をもたらしていきます。」
CheckMate -816試験のpCRデータは、2021年米国がん学会(AACR)年次総会で最初に発表されました。EFSの結果およびOSの予備データは、2022年AACR年次総会で発表されました。また、pCR、EFSおよびOSの予備データの主要解析は、以前にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に掲載されました。CheckMate -816試験では、OSを含む主な副次評価項目の評価が進行中であり、引き続きデータの収集を進めていきます。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -816試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。
CheckMate -816試験について
CheckMate -816試験は、PD-L1発現レベルにかかわらず、切除可能なステージⅠB~ⅢAの非小細胞肺がん(米国がん合同委員会/国際対がん連合病期分類第7版による)患者の術前補助療法として、オプジーボと化学療法の併用療法を化学療法単独と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。主要解析には、患者358例がオプジーボ360mgと組織型に基づくプラチナ製剤を含む化学療法2剤との併用療法を3週間間隔で3回投与する群、またはプラチナ製剤を含む化学療法2剤を3週間間隔で3回投与する群のいずれかに無作為に割り付けられ、その後、手術が施行されました。本試験の主要評価項目は、無イベント生存期間(EFS)および病理学的完全奏効(pCR)でした。副次評価項目は、全生存期間(OS)、Major Pathological Response(MPR)および死亡または遠隔転移までの期間(TTDM)等でした。
肺がんについて
肺がんは、全世界でがんによる死因の第1位となっています。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、診断の最大84%を占めています。NSCLCと診断された患者の過半数が非転移性疾患であり(約60%、そのうち最大半数が切除可能)、今後がん検診プログラムが強化されるにつれて、さらに大きな割合を占めるようになると予測されています。非転移性NSCLC患者の多くが手術で完治するものの、切除したにもかかわらず30%~55%が再発し、がんで亡くなられます。長期的なアウトカムを改善するために、手術前に投与(術前補助療法)および/または手術後に投与(術後補助療法)する治療選択肢が必要とされています。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫しない可能性、オプジーボ(ニボルマブ)と化学療法の併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。