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プレスリリース

骨髄異形成症候群(MDS)に伴う貧血の治療薬として、ルスパテルセプトの製造販売承認を申請

がん領域

2023/05/18

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本プレスリリースに記載されている情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、本日、赤血球成熟促進薬であるルスパテルセプトについて、低リスク骨髄異形成症候群(MDS)に伴う貧血に対する適応症の取得を目的として、日本国内における製造販売承認申請を行いました。ルスパテルセプトは、MDSに伴う貧血の治療における新規作用機序を有する治療薬で、2022年9月21日に希少疾病用医薬品に指定されています。

今回の承認申請は、国際予後判定システム改訂版(IPSS-R)によるリスク分類がVery low、lowまたはintermediateリスクのMDS患者を対象とした国内第Ⅱ相試験(MDS-003試験)、国際共同第Ⅲ相試験(COMMANDS試験)および海外第Ⅲ相試験(MEDALIST試験)の結果にもとづいています。

MDSは、正常な赤血球、白血球、血小板を十分に生成することができなくなることで、貧血や頻繁または重篤な感染症を起こす可能性のある、互いに密接に関連する一連の血液がんのグループです1,2。MDSの疾患の経過とともに約80%~90%の患者が貧血を発症します3。貧血を呈するMDS患者の多くは、正常な赤血球の循環量を確保するために定期的に輸血が必要となりますが4、頻繁な輸血によって鉄過剰症、輸血反応、輸血血液からの感染など多くのリスクにさらされ5、輸血の負荷が高くなると低リスクMDS患者の生存率を低下させることが報告されています6

日本におけるMDSの罹患率は、人口10万人あたり、年間約3.0例と報告されており7、厚生労働省による2020年の患者数調査では、日本のMDS患者の総数は約22,000人と報告されています8。現在、MDSに伴う貧血に適応を有する薬剤は非常に限られており、既存治療と比較して、より有効性および利便性が高く、幅広い患者に使用可能な貧血治療薬が望まれています。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社研究開発本部長の杉田真は次のように述べています。「これまで、MDSに伴う貧血の基本的な支持療法は輸血でした。また、国内ではMDSに伴う貧血の治療選択肢も限られていました。今回、低リスクMDSに伴う貧血の治療薬として、ルスパテルセプトの承認申請を提出できたことを大変嬉しく思います。ルスパテルセプトが、低リスクMDS患者さんにとって、有効な新しい治療選択肢となることを願っています。」

 

臨床試験について


国内第Ⅱ相試験(MDS-003試験)は、IPSS-Rによるリスク分類がVery low、Low又はIntermediateの骨髄異形成症候群に伴う赤血球輸血を必要としない貧血を有する患者を対象とした単一群試験で、主要評価項目は1~24週目までの期間の血液学的改善‐赤血球反応(HI-E)です。国際共同第Ⅲ相試験(COMMANDS試験)は、赤血球造血刺激因子製剤の治療歴のない、Very low、Low又はIntermediateの骨髄異形成症候群に伴う赤血球輸血が必要な貧血を有する患者を対象としたランダム化実薬対照オープンラベル試験で、1~24週目までの、Hgb値の平均1.5g/dL以上の上昇を伴う12週間(84日間)以上の輸血非依存性(RBC-TI)です。海外第Ⅲ相試験(MEDALIST試験)は、赤血球造血刺激因子製剤の投与に対して不応、不耐容または不適格で、環状鉄芽球を有し、Very low、Low又はIntermediateの骨髄異形成症候群に伴う赤血球輸血が必要な貧血を有する患者を対象としたランダム化プラセボ対照二重盲検試で、主要評価項目は、1~24週目までの期間の、8週間(連続56日間)以上のRBC-TIです。

 

ルスパテルセプトについて


ルスパテルセプト(製品名:Reblozyl®)は、2023年4月時点で、β-サラセミアに伴う貧血の治療、または赤血球造血刺激因子製剤(ESA)に不応もしくは不耐容または不適格で赤血球輸血が必要な低リスクの環状鉄芽球を伴う骨髄異形成症候群(MDS-RS)に伴う貧血の治療に対して、米国や欧州等の国で承認されています。

参考文献

  1. Mount Sinai. Myelodysplastic Syndrome. Available at: https://www.mountsinai.org/care/cancer/services/mds. Accessed May 2023.
  2. Myelodysplastic Syndromes Foundation. What is MDS? Available at: https://www.cancer.org/cancer/myelodysplastic-syndrome/about/what-is-mds.html. Accessed May 2023.
  3. Zeidan AM, Linhares Y, Gore SD. Current therapy of myelodysplastic syndromes. Blood Rev. 2013 Sep;27(5):243-59.
  4. Johns Hopkins Medicine. Myelodysplastic Syndrome. Available at: https://www.hopkinsmedicine.org/kimmel_cancer_center/types_cancer/myelodysplastic_syndrome.html. Accessed May 2023.
  5. Rasel M, Mahboobi SK. Transfusion Iron Overload. PubMed. 2021. Available at: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK562146/. Accessed May 2023.
  6. Malcovati L, et al. Haematologica. 2006;91:1588–1590
  7. 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録).2020. Available at: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html Accessed May 2023.
  8. 「政府統計の総合窓口(e-Stat)」.統計で見る日本.患者調査.令和2年度患者調査.閲覧(報告書非掲載表)119表.Available at: https://www.e-stat.go.jp Accessed May 2023.

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


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