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プレスリリース

2023年ASCOにおけるデータ発表に基づき、ブレヤンジが、再発または難治性の慢性リンパ性白血病患者を対象としたピボタルな多施設共同試験において、深く持続的な有効性を示した最初で唯一のCAR T細胞療法であることを公表

がん領域

2023/05/31

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年5月25日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

  • TRANSCEND CLL 004試験は、複数の治療歴を有する再発または難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の患者を対象にCAR T細胞療法を評価した最初のピボタルな多施設共同試験です。
  • 主要解析の結果、中央値21.1カ月の追跡調査において、ブレヤンジによる治療を受けた患者の18.4%が完全奏効(CR)を達成し、CR期間の中央値は未達でした。
  • BTK阻害剤(BTKi)およびBCL-2阻害剤(BCL2i)による治療歴を有する再発または難治性のCLLまたはSLLの患者集団において、ブレヤンジは管理可能な安全性プロファイルを示し、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

(ニュージャージー州プリンストン、2023年5月25日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、再発または難治性の慢性リンパ性白血病(CLL)または小リンパ球性リンパ腫(SLL)の成人患者を対象に、ブレヤンジ(一般名:リソカブタゲン マラルユーセル)を評価した非盲検単群多施設共同第Ⅰ/Ⅱ相試験であるピボタルなTRANSCEND CLL 004試験の主要解析結果を初公表したことを発表しました。本解析の結果、中央値21.1カ月の追跡調査において、ブレヤンジは、有効性の主要解析対象患者の18.4%において、本試験の主要評価項目である完全奏効(CR)率を統計学的に有意に改善しました(95% 信頼区間[CI]:8.8-32;p=0.0006)。CRを達成した患者において、病勢進行または死亡は認められず、奏効期間の中央値は未達でした。

TRANSCEND CLL 004試験は、BTK阻害剤(BTKi)およびBCL-2阻害剤(BCL2i)による治療後に病勢進行した再発または難治性のCLL患者を対象とする、CD19を標的とするCAR T細胞療法の最初のピボタルな多施設共同試験です。これらのデータは、2023年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、2023年6月6日午前10時45分(米国東部時間)に口頭発表されます(抄録番号#7501)。

再発または難治性のCLLまたはSLLの患者、特にBTKiおよびBCL2iによる治療後に病勢進行した患者には、重大なアンメットニーズが存在します。こうした患者の多くは、高リスク疾患の特徴を有し、全生存期間が短く、予後が不良です。現在の治療選択肢では完全奏効が得られることは稀であり、奏効の持続性は限られています。

本試験の治験責任医師であり、シティ・オブ・ホープ国立医療センターリンパ腫科准教授であるTanya Siddiqi(M.D.)は、次のように述べています。「BTKiおよびBCL2iベースのレジメンによる治療歴を有する再発または難治性のCLLまたはSLLの患者さんに対する標準治療はなく、治療を継続しても多くの患者さんが病勢進行を経験するため、深く持続的な寛解を達成することは困難です。TRANSCEND CLL 004試験において、liso-celで認められた持続的な完全奏効は驚くべきものであり、複雑かつ歴史的に治療が困難な疾患に対する1回限りの輸注によるT細胞による個別化治療アプローチを臨床に導入するための画期的な一歩といえます。」

ブリストル マイヤーズ スクイブの細胞療法開発責任者でシニアバイスプレジデントのAnne Kerberは、次のように述べています。「TRANSCEND CLL 004試験の結果は、CAR T細胞療法の可能性をより多くの患者さんにお届けし、様々な悪性血液疾患の治療と転帰に違いをもたらすという私たちのたゆまぬ努力を裏付けるものです。ブレヤンジは、CD19を標的とするCAR T細胞療法として、極めて広範囲にわたるB細胞性悪性腫瘍において臨床的に意義のあるベネフィットを示しており、当社は引き続き、アンメットニーズが高く最も治療が困難とされる疾患に対する革新的な治療法の開発に取り組んでまいります。」

TRANSCEND CLL 004試験は、BTKiを含む2種類以上の治療歴を有する、アンメットニーズが高い再発または難治性のCLLまたはSLLの幅広い患者集団(n=117)を対象に行われました。あらかじめ規定した有効性の主要解析対象(PEAS、n=49)は、進行および悪性度の高い疾患を有する患者集団である、BTKiによる治療後に病勢進行し、BCL2iベースのレジメンに不応であった患者サブセットから構成され、CAR 発現生T細胞100x106個を用量としてブレヤンジの投与を受けました。ブレヤンジによる治療を受けた患者全体で、検出不能な微小残存病変(uMRD)が高い割合で認められ、uMRDの割合は血液中で63.3%(95% CI:48.3-76.6)、骨髄中で59.2%(95% CI:44.2-73.0)であり、これは無増悪生存期間の改善と関連していました。全奏効率(ORR)は42.9%(95% CI:28.8-57.8;p=0.3931)、奏効期間の中央値は35.3カ月でした(11.01-未達 [NR])。データは、PEASと、高リスク疾患を有し、中央値が5種類(2~12種類)の複数の治療歴を有する患者を含む、本試験で評価された幅広い患者集団の間で一貫しており、CR率は18.4%(95% CI:10.9-28.1)であり、再発または難治性のCLLまたはSLLの幅広い患者集団におけるブレヤンジの臨床ベネフィットが示されました。

複数の治療歴を有する患者サブグループを含む、本試験で治療を受けたすべての患者(n=117)において、ブレヤンジは管理可能な安全性プロファイルを示し、新たな安全性シグナルは認められませんでした。グレードを問わないサイトカイン放出症候群(CRS)は患者の84.6%、グレード3のCRSは患者の8.5%で発現しました。グレード4~5のCRSは報告されませんでした。グレードを問わない神経系事象(NE)は患者の45.3%、グレード3のNEは患者の17.9%で報告され、グレード4のNEは1例(0.9%)報告されました。グレード5のNEは報告されませんでした。

TRANSCEND CLL 004試験の結果は、規制当局と協議していく予定です。ブリストル マイヤーズ スクイブは、TRANSCEND CLL 004試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。

 

TRANSCEND CLL 004試験について


TRANSCEND CLL 004試験(NCT03331198)は、再発または難治性の慢性リンパ性白血病または小リンパ球性リンパ腫の患者を対象に、ブレヤンジを評価した非盲検多施設共同第Ⅰ/Ⅱ相試験です。本試験の第Ⅰ相用量漸増パートでは、安全性および続く第Ⅱ相拡大コホートの推奨用量を評価しました。本試験の第Ⅱ相パートでは、第Ⅰ相パートの単剤療法群における推奨用量でブレヤンジを評価しています。本試験の第Ⅱ相パートにおける主要評価項目は、2018年の慢性リンパ性白血病に関する国際ワークショップ(iwCLL)のガイドラインに基づく独立評価委員会の評価による、不完全な骨髄回復を伴う完全寛解を含む完全奏効率でした。

 

CLLとSLLについて


慢性リンパ性白血病(CLL)は、成人の白血病の中で最も一般的な型の一つです。CLLでは、骨髄中の造血幹細胞が異常なリンパ球となって過剰に増加し、これらの異常細胞は感染症に対する抵抗力が弱くなります。異常細胞の数が増えるに従い、正常な白血球、赤血球および血小板が減少します。小リンパ球性リンパ腫(SLL)もリンパ球に影響を与える疾患で、がん細胞は主にリンパ節に多くみられます。CLLとSLLには複数の治療法があるものの、分子標的薬による治療歴を有する再発または難治性のCLLまたはSLLに対する標準治療はなく、新たに有効な治療法の必要性が高まっています。再発または難治性疾患の患者の治療選択肢は限られており、一般的には治療回数を重ねるごとに奏効期間が短くなります。

ブレヤンジについて


ブレヤンジは、CD19を標的とするCAR T細胞療法で、4-1BB共刺激ドメインを有することでCAR T細胞の増殖と持続性を高めます。患者自身のT細胞を利用して、T細胞を収集、遺伝子改変してCAR T細胞を作り出し、1回限りの治療として患者に輸注します。ブレヤンジは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)非特定型(インドレントリンパ腫に起因するものを含む)、高悪性度B細胞リンパ腫、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、およびグレード3B濾胞性リンパ腫を含む大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)の成人患者で、一次化学免疫療法に難治性または一次化学免疫療法後12カ月以内に再発した患者、一次化学免疫療法に難治性または一次化学免疫療法後に再発し、併存疾患または年齢により造血幹細胞移植に不適格な患者、または2種類以上の全身療法による治療歴を有する再発または難治性のLBCL患者の治療として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を受けています。ブレヤンジは、中枢神経系原発悪性リンパ腫患者の治療としては適応がありません。

また、ブレヤンジは、日本および欧州連合では再発または難治性のLBCLの二次治療薬として、さらに日本、欧州連合、スイスおよびカナダでは、2種類以上の全身療法による治療歴を有する再発・難治性のLBCLに対して承認されています。ブリストル マイヤーズ スクイブのブレヤンジ臨床開発プログラムには、再発・難治性LBCLのより早期治療ラインでの臨床試験やその他の種類のリンパ腫および白血病の患者に対する臨床試験が含まれています。詳細については、clinicaltrials.govをご覧ください。

 

ブレヤンジの適応症および安全性情報について


米国でのブレヤンジの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して


ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

ブリストル マイヤーズ スクイブの細胞療法の基盤となっているサイエンスや現在進行中の研究については、こちらをご覧ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の試験結果が現在までの結果と一貫しない可能性、ブレヤンジ(リソカブタゲン マラルユーセル)が本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認を現在想定している時期に受けられないまたは全く受けられない可能性、販売承認が得られた場合にその使用が著しく制限される可能性、また承認された場合でも、そのような製品候補が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。