プレスリリース
第Ⅲ相CheckMate -227試験の6年間のデータが、転移性非小細胞肺がん患者のファーストライン治療においてオプジーボとヤーボイの併用療法による長期の持続的な生存ベネフィットを示す
がん領域
2023/09/13
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年9月11日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- 転移性非小細胞肺がんに対する免疫療法薬による第Ⅲ相試験で報告された最長の追跡調査のデータにおいて、オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、PD-L1発現レベルにかかわらず、6年時点で一貫して持続的な生存ベネフィットを示しました。
- PD-L1発現レベルが1%未満の患者での探索的解析において、オプジーボとヤーボイの併用療法の6年全生存率は、化学療法群と比較して、3倍以上でした。
- 最新データは、国際肺癌学会(IASLC)の2023年世界肺癌学会の公式プレスプログラムで発表されます。
(ニュージャージー州プリンストン、2023年9月11日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、第Ⅲ相CheckMate -227試験Part1の6年間の追跡データを発表しました。本データでは、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法は、化学療法と比較して、PD-L1発現レベルにかかわらず、転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)患者のファーストライン治療において長期の持続的な生存ベネフィットを示しました。追跡調査の結果は、国際肺癌学会(IASLC)の2023年世界肺癌学会において、口頭発表されます(抄録#OA14.03)。また2023年9月11日、午前2時32分~午前2時42分(米国東部夏時間)/午後2時32分~午後2時42分(シンガポール時間)に、公式プレスプログラムで発表されます(#WCLC23)。
最短6年(73.5カ月)の追跡調査において、mNSCLCを対象とした免疫療法薬による第Ⅲ相試験で報告された最長期間の結果は以下のとおりです。
- 主要評価項目の解析対象であるPD-L1発現レベルが1%以上の患者集団の追跡結果において、6年生存率はオプジーボとヤーボイの併用療法群で22%、化学療法群で13%でした(ハザード比 [HR] 0.78;95% 信頼区間 [CI]: 0.67 - 0.91)。
- PD-L1発現レベルが1%未満の患者の探索的解析では、6年生存率はオプジーボとヤーボイの併用療法群が化学療法群の3倍以上でした(併用療法群16% vs 化学療法群5%;HR 0.65;95% CI:0.52 - 0.81)。
- 奏効例のうち、腫瘍量が80%以上減少した患者の割合は、PD-L1発現レベルが1%以上(併用療法群15% vs 化学療法群3%)および1%未満(併用療法群8% vs 化学療法群1%)のサブグループのいずれもオプジーボとヤーボイの併用療法群は、化学療法群よりも高かった。腫瘍量が80%以上減少した患者の6年全生存率(OS)はオプジーボとヤーボイの併用療法群は、化学療法群よりも高かった(PD-L1発現レベルが1%以上で併用療法群59% vs 化学療法群42%および1%未満で併用療法群77% vs 化学療法群0%)。
- 免疫療法薬2剤、オプジーボとヤーボイによる併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告された本試験のデータと一貫しており、確立されたプロトコルによって管理可能でした。また、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
スイス、ローザンヌにあるLausanne大学病院の腫瘍科の教授であり腫瘍内科および胸部悪性腫瘍プログラムの委員長であるSolange Peters(M.D.、Ph.D.)は、次のように述べています。「免疫療法は進行肺がんの治療を変革しており、幸いなことに診断は多くの患者さんにとって以前と同じ意味を持つものではなくなりました。この6年間の結果により、オプジーボとヤーボイの併用療法により、前年と比較して、顕著に長期の持続的な臨床生存ベネフィットを示しています。CheckMate -227試験における免疫療法薬2剤のレジメンで長期の有効性が認められたことは、オプジーボとヤーボイの併用療法が転移性非小細胞肺がんの適格な患者の予後を変えるという重要性を裏付けています。」
ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼胸部がん領域グローバル開発担当であるAbderrahim Oukessou(M.D.)は、次のように述べています。「私たちは、オプジーボとヤーボイの併用療法が、化学療法と比較して、6年間の追跡調査でほぼ2倍の全生存率を継続して示していることを非常にうれしく思います。これは、転移性非小細胞肺がんを対象にした免疫療法薬による第Ⅲ相試験としてはこれまでで最長のものです。さらに、オプジーボとヤーボイの併用療法は、治療が困難で、高いアンメットニーズに直面している患者集団であるPD-L1発現レベルが1%未満の患者集団において生存期間を3倍以上延長しました。私たちが2023年WCLCで発表した結果は、免疫療法薬の併用療法により生存期間の期待を変革するという当社のレガシーに基づいています。将来を見据えて、標的療法や低分子療法だけでなく、新たな免疫療法薬の併用療法に研究を拡大して、胸部がんを抱えておられるできるだけ多くの人々のための解決策を見つけられることを期待しています。」
オプジーボとヤーボイの併用療法は、現在までに、mNSCLC、転移性悪性黒色腫、進行腎細胞がん、悪性胸膜中皮腫および食道扁平上皮がんの5つのがん腫を対象とした6つの第Ⅲ相臨床試験でOSの有意な改善を示しました。
CheckMate -227試験について
CheckMate -227試験は、ファーストラインの転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)患者を対象に、非扁平上皮がんおよび扁平上皮がんの組織型にかかわらず、オプジーボを含むレジメンをプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法と比較評価した複数のパートで構成された国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です。
Part1では、オプジーボとヤーボイの併用療法(化学療法と比較)について、二つの主要評価項目を設定しました。一つは、PD-L1発現患者における全生存期間(OS)(Part1aに組み入れられた患者で評価)、もう一つは、PD-L1発現の有無にかかわらず、腫瘍遺伝子変異量(TMB)が10変異/メガベース(mut/mb)以上の患者における無増悪生存期間(PFS)(Part1aおよび1bに組み入れられた患者で評価)です。患者には以下の用量を投与しました。
- Part1a:PD-L1発現(1%以上)患者を対象に、オプジーボ(3mg/kgを2週間間隔)とヤーボイ(1mg/kgを6週間間隔)の併用療法、オプジーボ単剤療法(240mgを2週間間隔)、または化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)。
- Part1b:PD-L1非発現(1%未満)の患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法、オプジーボ(360mgを3週間間隔)と化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)の併用療法、または化学療法(3週間間隔で最大4サイクル)。
Part1では、主要評価項目であるPFS(PD-L1発現の有無にかかわらず、TMBが高レベル(10mut/mb以上)の患者におけるオプジーボとヤーボイの併用療法と化学療法との比較)およびOS(PD-L1発現レベルが1%以上のファーストラインのmNSCLC患者におけるオプジーボとヤーボイの併用療法と化学療法との比較)の両方を達成しました。
肺がんについて
肺がんは、世界的にがんによる死亡の主な原因となっています。肺がんは、非小細胞肺がんと小細胞肺がんの2種類に大きく分類されます。非小細胞肺がん(NSCLC)は、肺がんの中で最も一般的な型の一つであり、およそ84%を占めています。生存率は、診断された際の進行度(ステージ)とがんの種類によって異なります。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
ヤーボイについて
ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイはCTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞の活性化と増殖など、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、ヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として50カ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。
オプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の市販後試験の結果が本試験の結果と一貫しない可能性、本プレスリリースに記載された適応症でオプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法が商業的に成功しない可能性、販売承認が得られた場合でもその使用が著しく制限される可能性、および本プレスリリースに記載された適応症でのそのような併用療法の承認の継続が追加の検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。