プレスリリース
米国食品医薬局が根治切除後のステージⅡB/Cの 悪性黒色腫の適格患者に対する術後補助療法としてオプジーボ®を承認1
がん領域
2023/10/17
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年10月13日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- 第Ⅲ相CheckMate -76K試験において、オプジーボは、プラセボと比較して無再発生存期間で統計学的に有意な改善を示しました1。
- CheckMate -76K試験は、米国においてがんの早期ステージに対するオプジーボの5つ目の適応症となる試験になります1。
- オプジーボは、ステージⅡB/C、Ⅲ、およびⅣの根治切除後の悪性黒色腫の適格患者に対する術後補助療法を適応とする唯一のPD-1阻害薬です1。
(ニュージャージー州プリンストン、2023年10月13日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児患者の術後補助療法として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)を承認したことを発表しました1。本承認は、術後補助療法として既承認のオプジーボの適応を拡大するものであり、悪性黒色腫患者に対して治療選択肢を提供するというブリストル マイヤーズ スクイブの実績をより強化するものです1。本承認は、オプジーボ(526例)とプラセボ(264例)を比較評価した第Ⅲ相CheckMate -76K試験に基づいています1,2。
本試験において、オプジーボは、プラセボと比較して、根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者における再発、新たな原発悪性黒色腫の発症、または死亡のリスクを58%低減しました(ハザード比 [HR] 0.42;95% 信頼区間 [CI]:0.30-0.59;P<0.0001)1。1年時点の無再発生存(RFS)率は、オプジーボ群で89%(95% CI:86-92)、プラセボ群で79%(95% CI:74-84)でした3。また、あらかじめ計画された探索的サブグループ解析において、RFSの非層別HRは、ステージⅡBの悪性黒色腫患者で0.34(95% CI:0.20-0.56)、またステージⅡCの悪性黒色腫患者で0.51(95% CI:0.32-0.81)でした3。ステージ別の1年RFS率は、ステージⅡBではオプジーボ群で93%(95% CI:89-95)、プラセボ群で84%(95% CI:77-89)、またステージⅡCではオプジーボ群で84%(95% CI:78-88)、プラセボ群で72%(95% CI:62-80)でした3。
ピッツバーグ大学医学部内科特別教授であり、UPMCヒルマンがんセンター悪性黒色腫センター共同所長であるJohn M. Kirkwood(M.D.)は、次のように述べています。「悪性黒色腫の外科的切除後、患者さんは病気が治ったと思われるかもしれません。しかし、外科的切除を受けたステージⅡBの悪性黒色腫患者さんの3分の1、ステージⅡCの患者さんの半数近くが診断から5年以内に再発するため、がんの再発リスクを低減するのに役立つ新たな治療選択肢が必要とされています4。CheckMate -76K試験で示されたオプジーボによる無再発生存期間の有意な改善は、これらの患者さんにとって重要な進展であると言えます1。」
オプジーボの「警告および注意」には、次の事象が含まれています:重度かつ致死的な免疫介在性副作用(肺臓炎、大腸炎、肝炎および肝毒性、内分泌障害、皮膚関連副作用、腎機能障害を伴う腎炎、その他の免疫介在性作用を含む)、infusion reaction、同種造血幹細胞移植(HSCT)の合併症、胎児毒性、および多発性骨髄腫患者におけるサリドマイド類似体とデキサメタゾンの併用療法にオプジーボを追加投与した際(比較臨床試験以外では推奨されません)の死亡率の増加1。詳細は「重要な安全性情報」の項目をご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブのシニアバイスプレジデント兼米国心血管、免疫、がん領域担当ゼネラルマネージャーのCatherine Owenは、次のように述べています。「ステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者さんは、手術を受けてもなお再発のリスクに直面する可能性があり、それによって予後が左右される場合があります4,5。本承認は、根治切除後のステージⅢおよびⅣの悪性黒色腫に対する既承認の術後補助療法の適応を拡大するもので、根治切除後のステージⅡB/Cの適格患者さんに再発を予防するのに役立つ新たな治療選択肢を提供するものです。ブリストル マイヤーズ スクイブは、悪性黒色腫患者さんの予後を改善するのに役立ち、がんの早期ステージを含むより多くの患者さんに免疫療法を提供するという目標に向けて、引き続き取組んでまいります1。」
FDAはこれまでにCheckMate -238試験のデータに基づき、リンパ節転移を伴うまたは転移性悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児患者の根治切除後の術後補助療法として、オプジーボを承認しています1。
CheckMate -76K試験の追跡調査の最新のデータは、11月に開催されるSociety for Melanoma Research(SMR)年次総会で発表予定です。
CheckMate -76K試験について
CheckMate -76K試験は、根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫患者を対象に、術後補助療法としてオプジーボ480mgを4週間間隔で静脈内投与する群(526例)とプラセボを4週間間隔で静脈内投与する群(264例)を比較評価した無作為化二重盲検第Ⅲ相臨床試験です1,2。
本試験の主要評価項目は、治験担当医師の評価による無再発生存期間(RFS)です1。副次評価項目は、全生存期間(OS)、無遠隔転移生存期間(DMFS)、次治療での無増悪生存期間(PFS2)および安全性評価項目です3。投与は、再発または忍容できない毒性が認められるまで、最長1年間にわたり継続されました1。眼内/ぶどう膜または粘膜黒色腫、自己免疫疾患、副腎皮質ホルモン剤(1日10mg以上のプレドニゾンまたはそれに相当するもの)またはその他の免疫抑制剤による全身療法を要する疾患、および悪性黒色腫の手術以外の前治療歴を有する患者は、本試験から除外されました1。
根治切除後のステージⅡB/Cの悪性黒色腫の成人および12歳以上の小児患者(体重40kg以上)の術後補助療法として、FDAが承認したオプジーボの用法用量は次のとおりです:オプジーボ240mgを2週間間隔、またはオプジーボ480mgを4週間間隔で30分間かけて点滴静注し、投与は再発または忍容できない毒性が認められるまで、最長1年間にわたり継続します1。体重40kg未満の12歳以上の小児患者に対してFDAが承認したオプジーボの用法用量は次のとおりです:オプジーボ3mg/kgを2週間間隔、または6mg/kgを4週間間隔で30分間かけて点滴静注し、投与は再発または忍容できない毒性が認められるまで、最長1年間にわたり継続します1。
悪性黒色腫について
悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚にある色素産生細胞(メラノサイト)の無秩序な増殖を特徴とする皮膚がんの一種です6。米国では、2023年に約97,610人が新たに悪性黒色腫と診断され、関連死亡者数は約7,990人に上ると推定されています7。新たに診断されたステージⅠおよびⅡの悪性黒色腫のうち、約16.5%がステージⅡであり、そのうち約半数がⅡBまたはⅡCに分類されます4。ステージⅡBまたはⅡCの悪性黒色腫に対する標準治療は手術(切除)ですが、切除後のステージⅡBの患者の3分の1、および切除後のステージⅡCの患者の半数近くが、診断から5年以内に再発を経験します4,8。悪性黒色腫は進行するにつれて治療が困難になり、生存率も低下します6。
オプジーボの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。卓越した科学的知見、最先端の技術および創薬プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、オプジーボが本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうか、販売承認が得られたとしてもその使用が著しく制限される可能性、またそのような製品候補の本プレスリリースに記載された追加の適応症の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。
参考文献
- Opdivo Prescribing Information. Opdivo U.S. Product Information. Last updated: October 2023. Princeton, NJ: Bristol-Myers Squibb Company.
- ClinicalTrials.gov: NCT04099251. Effectiveness Study of Nivolumab Compared to Placebo in Prevention of Recurrent Melanoma After Complete Resection of Stage IIB/C Melanoma (CheckMate76K). https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04099251. Last updated September 7, 2023.
- Long GV, Del Vecchio M, Weber J, et al. Adjuvant therapy with nivolumab versus placebo in patients with resected stage IIB/C melanoma (CheckMate 76K). Presented at: Society for Melanoma Research 2022 International Congress; October 17-20, 2022; Edinburgh, Scotland.
- Garbe C, Keim U, Amaral T, et al. Prognosis of Patients With Primary Melanoma Stage I and II According to American Joint Committee on Cancer Version 8 Validated in Two Independent Cohorts: Implications for Adjuvant Treatment. J Clin Oncol. 2022;40(32):3741-3749. doi:10.1200/JCO.22.00202
- Jang S, Poretta T, Bhagnani T, et al. Real-World Recurrence Rates and Economic Burden in Patients with Resected Early-Stage Melanoma. Dermatol Ther (Heidelb). 2020;10(5):985-999. doi:10.1007/s13555-020-00404-9
- What Is Melanoma Skin Cancer? American Cancer Society. https://www.cancer.org/cancer/melanoma-skin-cancer/about/what-is-melanoma.html. Published August 14, 2019. Accessed September 5, 2023.
- Key Statistics for Melanoma Skin Cancer. American Cancer Society. https://www.cancer.org/cancer/types/melanoma-skin-cancer/about/key-statistics.html. Revised January 12, 2023. Accessed September 5, 2023.
- Treatment of Melanoma Skin Cancer, by Stage. American Cancer Society. https://www.cancer.org/cancer/types/melanoma-skin-cancer/treating/by-stage.html. Revised March 22, 2022. Accessed September 5, 2023.