プレスリリース
ブリストル マイヤーズ スクイブ、高頻度マイクロサテライト不安定性またはミスマッチ修復機構欠損の進行大腸がんにおいて、オプジーボとヤーボイの併用療法を化学療法と比較評価する第Ⅲ相CheckMate -8HW試験が主要評価項目を達成したことを発表
がん領域
2023/12/08
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2023年12月7日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- オプジーボとヤーボイの併用療法は、治験担当医師が選択した化学療法と比較して、無増悪生存期間で統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。
- オプジーボとヤーボイの併用療法は、化学療法と比較して、高頻度マイクロサテライト不安定性またはミスマッチ修復機構欠損の進行大腸がんにおいて、有意なベネフィットを示した唯一の免疫療法薬2剤による併用療法です。
(ニュージャージー州プリンストン、2023年12月7日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:クリス・バーナー)は、本日、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の進行大腸がん(mCRC)患者のファーストライン治療薬として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とヤーボイ(一般名:イピリムマブ)の併用療法を治験担当医師が選択した化学療法と比較評価する第Ⅲ相CheckMate -8HW試験が、あらかじめ計画された中間解析において、2つの主要評価項目のうちの1つである盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)を達成したことを発表しました。
オプジーボとヤーボイの免疫療法薬2剤による併用療法は、化学療法と比較して、PFSで統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。オプジーボとヤーボイの併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されたデータと一貫しており、確立されたプロトコルによって管理可能でした。新たな安全性シグナルは認められませんでした。
ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデント兼消化器・泌尿生殖器がん領域グローバルプログラム責任者であるDana Walker(M.D.、M.S.C.E.)は、次のように述べています。「MSI-H/dMMRのmCRCに対するオプジーボとヤーボイの併用療法のベネフィットは、過去にCheckMate -142試験で確立されています。同試験では、この免疫療法薬2剤による併用療法が、フルオロピリミジンを含む併用化学療法の前治療後に病勢進行した患者さんにおいて、持続的で強い抗腫瘍活性を示しました。このたび、CheckMate -8HW試験の肯定的な結果により、MSI-H/dMMRのmCRC患者さんのファーストライン治療において、オプジーボとヤーボイの併用療法がPFSを有意に改善した無作為化データが示されました。これらの結果は、PD-1とCTLA-4を2重に阻害するベネフィットのさらなる裏付けであると同時に、高いアンメットニーズを有する患者さんのアウトカムの改善を目指し、併用療法による戦略に注力し続ける当社のコミットメントの証でもあります。」
CheckMate -8HW試験は、MSI-HまたはdMMRのmCRC患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法をオプジーボ単剤療法または治験担当医師が選択した化学療法のいずれかと比較評価する無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。本試験の2つの主要評価項目は、ファーストライン治療においてオプジーボとヤーボイの併用療法を治験担当医師が選択した化学療法と比較評価したBICRの評価によるPFS、および全治療ラインにおいてオプジーボとヤーボイの併用療法をオプジーボ単剤療法と比較評価したBICRの評価によるPFSです。本試験は、もう1つの主要評価項目であるオプジーボとヤーボイの併用療法とオプジーボ単剤療法を受けた患者でのPFSおよび副次評価項目を比較評価するため進行中です。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -8HW試験のデータの評価を完了させ、今後の学会で結果を発表するため治験担当医師と連携していくとともに、規制当局との協議を進めていく予定です。
ブリストル マイヤーズ スクイブは、CheckMate -8HW臨床試験にご参加いただいた患者さんおよび治験担当医師の皆様に感謝の意を表明します。
CheckMate -8HW試験について
CheckMate -8HW試験は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはミスマッチ修復機構欠損(dMMR)の進行大腸がん(mCRC)患者を対象に、オプジーボとヤーボイの併用療法をオプジーボ単剤療法または治験担当医師が選択した化学療法(ベバシズマブまたはセツキシマブとの併用または非併用によるmFOLFOX-6またはFOLFIRI)と比較評価する無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。
患者約830例が、オプジーボ単剤療法群(オプジーボ240mgを2週間間隔で6週間投与し、その後オプジーボ480mgを4週間間隔で投与)、オプジーボとヤーボイの併用療法群(オプジーボ240mgとヤーボイ1mg/kgを3週間間隔で4週間投与し、その後オプジーボ480mgを4週間間隔で投与)、または治験担当医師が選択した化学療法群のいずれかに無作為に割り付けられました。本試験の2つの主要評価項目は、ファーストライン治療においてオプジーボとヤーボイの併用療法を治験担当医師が選択した化学療法と比較した盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)、および全治療ラインにおいてオプジーボとヤーボイの併用療法をオプジーボ単剤療法と比較したBICRの評価によるPFSです。本試験には、安全性、および全生存期間(OS)を含む有効性の複数の副次評価項目が含まれています。
本試験は、もう1つの主要評価項目である全治療ラインにおいてオプジーボとヤーボイの併用療法をオプジーボ単剤療法と比較したPFS、および副次評価項目の評価のため進行中です。
dMMRまたはMSI-Hの大腸がんについて
大腸がん(CRC)は、身体の消化器系の一部である結腸または直腸に発生するがんです。CRCは世界で3番目に多いがん腫です。2020年には、約1,931,000人が新たに診断されたと推定されています。また、男女を合わせたがんによる死亡原因の第2位となっています。
ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)は、DNA複製時のミスマッチエラーを修復するプロテインが欠損または機能していない場合に生じ、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の腫瘍が発生する原因となります。進行CRC患者の約5~7%において、dMMRまたはMSI-Hの腫瘍が認められます。これらの患者は、従来の化学療法でベネフィットを得られない場合が多く、一般的に予後不良です。
ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して
ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および独自の研究プログラムにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。
がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。
オプジーボについて
オプジーボは、身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。
業界をリードするオプジーボのグローバル開発プログラムは、ブリストル マイヤーズ スクイブのがん免疫療法における科学的知見に基づいており、さまざまながん腫を対象に、第Ⅲ相試験を含む全段階において広範な臨床試験が実施されています。今日に至るまで、オプジーボの臨床試験プログラムには、35,000人以上の患者さんが参加しています。
オプジーボの臨床試験は、治療におけるバイオマーカーの役割、特に、一連のPD-L1の発現状況においてオプジーボが患者さんにどのようなベネフィットをもたらすかについて理解を深めることに役立っています。
オプジーボは、2014年7月に承認を取得した世界初のPD-1免疫チェックポイント阻害薬となり、現在、米国、欧州、日本および中国を含む65カ国以上で承認されています。2015年10月、ブリストル マイヤーズ スクイブは、オプジーボとヤーボイの併用療法において転移性悪性黒色腫の適応でがん免疫療法薬の併用療法として初めて承認を取得し、現在、米国と欧州を含む50カ国以上で承認されています。
ヤーボイについて
ヤーボイは細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CLTA-4)に結合する遺伝子組み換えヒトモノクローナル抗体です。CTLA-4は、T細胞の活性化を抑制する調節因子です。ヤーボイはCTLA-4と結合し、CTLA-4とそのリガンドであるCD80/CD86との相互作用を阻害します。CTLA-4が阻害されると、腫瘍浸潤エフェクターT細胞の活性化と増殖など、T細胞の活性化と増殖が促されることが明らかになっています。また、CTLA-4のシグナル伝達が阻害されると、制御性T細胞の機能が低下し、抗腫瘍免疫応答を含むT細胞の反応性が全体的に向上する可能性があります。2011年3月25日、米国食品医薬品局(FDA)は、切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として、ヤーボイ3mg/kg単剤療法を承認しました。現在、ヤーボイは切除不能または転移性悪性黒色腫患者の治療薬として50カ国以上で承認されています。ヤーボイに関しては、複数のがん腫で、幅広い開発プログラムが進められています。
オプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報について
米国でのオプジーボとヤーボイの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について
2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、Twitter、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
将来予測等に関する記述の注意事項
本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、本プレスリリースに記載された併用療法の今後の試験結果が良好でない可能性、およびそのような併用療法の本プレスリリースに記載された追加の適応症の開発と商業化が成功するかどうかは不明であるという点が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2022年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。