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プレスリリース

中等症から重症の潰瘍性大腸炎の経口治療薬「オザニモド」の製造販売承認を申請

Company Info

2024/02/26

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本プレスリリースに記載されている情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、本日、1日1回経口のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体調節剤であるオザニモドについて、中等症から重症の潰瘍性大腸炎に対する適応症の取得を目的として、厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる炎症性疾患で、指定難病に該当します。特徴的な症状は、血便を伴うまたは伴わない下痢と、痙攣性または持続的な腹痛です。重症になると、発熱、体重減少、貧血などの全身の症状が起こります。また、腸管以外の合併症として、皮膚の症状、関節や眼の症状が出現することもあります1。厚生労働省の患者調査によると、2020年の日本における潰瘍性大腸炎の総患者数は184,000人と推計されています2。発症は小児、若年者、高齢者のいずれの年代でも見られる一方、発症年齢のピークは若年層(20代)であり、性差はありません。

潰瘍性大腸炎は、重症度や罹患範囲・QOLの状態に応じて治療が行われます。軽症から中等症の患者のほとんどは初回治療で寛解を得ることができる一方、これらの患者の多くは再燃を繰り返し、より重症で薬剤抵抗性へと進行します3,4,5。そのため、潰瘍性大腸炎患者に対しては、症状の改善はもとより、重症化させない治療として、高い有効性と良好な安全性プロファイルを有する、長期使用が可能な利便性の高い経口治療薬が望まれています。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社研究開発本部長の杉田真は次のように述べています。「潰瘍性大腸炎の患者さんの多くは、再燃と寛解を繰り返すことから長期間の医学的管理が必要となります。また、働く世代の比較的若い患者さんが多く、経済的、社会的な影響が大きいとされる疾患です。近い将来、オザニモドが中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんにとっての新たな治療選択肢のひとつとなることを期待しています。」

 

国内2/3相臨床試験(RPC01-3103試験)について


今回の承認申請は、日本人の中等症又は重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象とした国内第2/3相試験(RPC01-3103試験=J-True North試験)の結果にもとづいています。本試験は、経口アミノサリチル酸製剤又はコルチコステロイドの投与歴がある中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験です。

 

オザニモドついて


オザニモドは経口のスフィンゴシン1リン酸(S1P)受容体調節剤であり、S1P受容体1および5に高親和性で結合し、リンパ球遊走の上流で作用する、潰瘍性大腸炎に対する新規作用機序の治療薬です。オザニモドは、リンパ球を末梢リンパ組織内に保持することで、リンパ球の体内循環を制御し、病巣へのリンパ球の浸潤を阻害します。オザニモドはZeposia®の製品名で、再発型多発性硬化症の成人患者および中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎の患者に対する治療薬として、多くの国で承認されています。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルバイオファーマ企業です。詳細は、bms.com/jpLinkedInFacebookYouTubeInstagramをご覧ください。

参考文献

  1. 公益財団法人 難病医学研究財団/難病情報センター. 潰瘍性大腸炎(指定難病97 [Internet]. [Cited 2024 Feb..8]. Available from: https://www.nanbyou.or.jp/entry/62
  2. 厚生労働省大臣官房統計情報部. 令和2年患者調査(傷病分類編). 2020. Available from: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/r02syobyo.pdf
  3. Ng SC, Kamm MA. Therapeutic strategies for the management of ulcerative colitis. Inflamm Bowel Dis. 2009 Jun;15(6):935-50.
  4. Hyams JS, Davis P, Grancher K, et al. Clinical outcome of ulcerative colitis in children. J Pediatr. 1996 Jul;129(1):81-8.
  5. Wang Y, Parker CE, Feagan BG, et al. Oral 5-aminosalicylic acid for maintenance of remission in ulcerative colitis. Cochrane Database Syst Rev. 2016 May 9;2016(5):CD000544.