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プレスリリース

米国食品医薬品局が、切除不能または転移性尿路上皮がんの成人患者のファーストライン治療薬として、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法を承認

がん領域

2024/03/12

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
小野薬品工業株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2024年3月7日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

  • 第Ⅲ相CheckMate -901試験において、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法は、シスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法と比較して、全生存期間および無増悪生存期間で統計学的に有意な改善を示しました。
  • 今回の承認は、米国で同患者集団に対して承認された最初の免疫療法薬と化学療法の併用療法です。

(ニュージャージー州プリンストン、2024年3月7日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:ジョバンニ・カフォリオ)は、本日、米国食品医薬品局(FDA)が、切除不能または転移性尿路上皮がん(UC)の成人患者のファーストライン治療薬として、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)とシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法を承認したことを発表しました1,2。UCは膀胱がんの最も一般的な型です。この承認は、未治療の切除不能または転移性UC患者を対象に、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法と、それに続くオプジーボの単独療法(304例)をシスプラチンおよびゲムシタビンによる併用療法(304例)と比較評価した第Ⅲ相CheckMate -901試験の結果に基づいています1,3。本試験の主要有効性評価項目は、全生存期間(OS)および盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)です1

本試験では、中央値約33カ月の追跡調査において、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法群は、死亡リスクを22%低減し(ハザード比 [HR] 0.78;95% 信頼区間 [CI]:0.63 - 0.96;p=0.0171)、OSの中央値は、同併用療法群で21.7カ月、シスプラチンおよびゲムシタビン群で18.9カ月でした1,4。オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法群は、病勢進行または死亡リスクを28%低減し(HR 0.72;95% CI:0.59 - 0.88;p=0.0012)、PFSの中央値は、同併用療法群で7.9カ月、シスプラチンおよびゲムシタビン群で7.6カ月でした1

また、探索的解析において、奏効率(ORR)は同併用療法群(175例)で57.6%(95% CI:51.8 - 63.2)、シスプラチンおよびゲムシタビン群(131例)で43.1%(95% CI:37.5 - 48.9)でした1,4。完全奏効(CR)率と部分奏効(PR)率は、同併用療法群で各々22%(66例)と36%(109例)、シスプラチンおよびゲムシタビン群で各々12%(36例)と31%(95例)でした1

フロリダ州オーランドのAdventHealthがん研究所の泌尿生殖器腫瘍科および第I相臨床研究ユニットの医学部長であるGuru P. Sonpavde(MD)および同研究所の会長であるChristopher K. Glanzは、次のように述べています。「この承認は、患者さんがより長く生存できるようにファーストライン治療において新たな差別化できるアプローチが必要とされ、これまで治療が困難であった状況において重要な進歩を示すものです5。CheckMate -901試験で認められた結果と安全性プロファイルに基づき、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法が承認されたことにより、特定の患者さんに対して転移性または切除不能な尿路上皮がんの治療法を著しく変え、新たな希望をもたらす可能性があります1。」

オプジーボの「警告および注意」には、次の事象が含まれています:重度かつ致死的な免疫介在性副作用(肺臓炎、大腸炎、肝炎および肝毒性、内分泌障害、皮膚関連副作用、腎機能障害を伴う腎炎、その他の免疫介在性作用を含む)、infusion reaction、同種造血幹細胞移植(HSCT)の合併症、胎児毒性、および多発性骨髄腫患者におけるサリドマイド類似体とデキサメタゾンの併用療法にオプジーボを追加投与した際(比較臨床試験以外では推奨されません)の死亡率の増加。詳細は「重要な安全性情報」の項目をご参照ください1

ブリストル マイヤーズ スクイブのシニアバイスプレジデント、ジェネラルマネージャー兼米国の血液腫瘍領域責任者であるWendy Short Bartieは、次のように述べています。「尿路上皮がんのファーストライン治療においてオプジーボを化学療法と併用療法することは、膀胱がんを含む多くのがん治療の変革に貢献してきた当社の免疫療法の研究と進歩の歴史における最新の成果です1,6。このマイルストンは、泌尿生殖器がんにおけるオプジーボを含む治療のポートフォリオを顕著に拡大するものであり、尿路上皮がんにおいては病期ステージおよび治療ニーズにわたり、現在3つの適応を提供できることになります1。」

FDAは、これまでにUCの根治的切除を受けた後に再発リスクが高いUCの成人患者の術後補助療法としてオプジーボを承認しています。またFDAは、プラチナ製剤を含む化学療法中またはその後に病勢進行、またはプラチナ製剤を含む化学療法の術前補助または術後補助療法後12カ月以内に病勢進行した局所進行または転移性UCの成人患者の治療薬としてオプジーボを承認しています1

本日の承認に至ったブリストル マイヤーズ スクイブの生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)は、FDAにより優先審査の対象に認められ、一刻も早く安全かつ有効な治療薬を患者さんに提供することを目的とするFDAのリアルタイムオンコロジーレビュー(RTOR)パイロットプログラムの下に承認されました7。審査は、他の複数の国の規制当局による同時審査が可能であるFDAのProject Orbisイニシアチブの下でも実施されており、現在もこれらの国では審査が継続しています。

 

CheckMate -901試験について


CheckMate -901試験は、未治療の切除不能または転移性尿路上皮がん患者を対象に、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法と、それに続くオプジーボ単剤療法をシスプラチンおよびゲムシタビンによる併用療法と比較評価した無作為化非盲検第Ⅲ相臨床試験です3

CheckMate -901試験では、シスプラチンに適格な患者608例が、オプジーボ360mgとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法を3週間間隔で最大6サイクルまで投与し、その後オプジーボ単剤療法で480mgを4週間間隔で投与する群、またはシスプラチンおよびゲムシタビンを3週間間隔で最大6サイクルまで投与する群のいずれかに無作為に割り付けられました。投与は、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで、最長2年間にわたり継続されました1。本試験の主要評価項目は、全生存期間(OS)および盲検下独立中央評価委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)です1,3。本試験は、オプジーボとヤーボイの併用療法を標準治療である化学療法と比較評価するため進行中です。

シスプラチン適格な患者のOSおよびPFSの結果は、同評価項目の最終有効性解析に基づくものです4

 

CheckMate -901試験における安全性プロファイルの抜粋


重篤な副作用が、オプジーボと化学療法の併用療法の患者の48%で発現しました1。オプジーボと化学療法の併用療法群で頻繁(2%以上)に報告された重篤な副作用は、尿路感染症(4.9%)、急性腎障害(4.3%)、貧血(3%)、肺塞栓症(2.6%)、敗血症(2.3%)および血小板減少症(2.3%)でした1。多く(患者の20%以上)報告された副作用は、悪心、疲労、筋骨格痛、便秘、食欲減退、発疹、嘔吐および末梢神経障害でした1。致死的な副作用が、オプジーボと化学療法の併用療法の患者の3.6%で発現しました。これらには敗血症(1%)が含まれています1。副作用のため、オプジーボおよび/または化学療法は患者の30%で投与が中止され、67%で投与が延期されました1

 

尿路上皮がんについて


膀胱がんは米国で6番目に多いがんであり、2024年には83,190人が新たに診断されると推測されています2,8。尿路上皮がんは、膀胱の内側を覆う細胞から発生することが最も多く、膀胱がんの約90%を占めています2,8。尿路上皮がんは、膀胱に加えて、尿管および腎盂を含む尿路の他の部分に発生することがあります2。尿路上皮がんの大多数は早期に診断されますが、切除術を受けた患者の約50%が、一般的に術後2年以内に進行、再発します9,10,11,12,13。また、尿路上皮がん患者の約20~25%が転移性疾患を発症し、治療選択肢が限られていることもあり、ファーストラインおよびセカンドライン治療には、治療における課題は依然として残されています13,14,15

 

ブリストル マイヤーズ スクイブ:がん患者さんのためのより良い未来を目指して


ブリストル マイヤーズ スクイブは、「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」というビジョンを掲げています。がん研究で私たちが目指すのは、より良い健やかな日々をもたらす医薬品を患者さんにお届けすること、そして、がんの治癒を可能にすることです。私たちはこれまでも、さまざまながん腫において生存期間を改善してきました。その実績を足掛かりに、ブリストル マイヤーズ スクイブの研究者は、患者さん一人ひとりに合わせた個別化医療の新たな地平を拓くとともに、革新的なデジタルプラットフォームによって得たデータをインサイトに変え、研究の着眼点を明らかにしています。ヒトの生物学と疾患の関係に対する深い知見、最先端の技術および独自の研究プラットフォームにより、私たちは、あらゆる角度からがん治療にアプローチします。

がんは、患者さんの人生のさまざまな場面に深刻な影響を及ぼします。ブリストル マイヤーズ スクイブは、診断からサバイバーシップまで、がん治療のすべての側面に違いをもたらすべく尽力しています。がん治療のリーダーである私たちは、がんと闘うすべての人々の力となり、より良い未来を築くべく取り組んでいます。

 

オプジーボの適応症および安全性情報について


米国でのオプジーボの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業の提携について


2011年、ブリストル マイヤーズ スクイブは、小野薬品工業と締結した提携契約により、当時、小野薬品工業がすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を獲得しました。2014年7月23日、ブリストル マイヤーズ スクイブと小野薬品工業は、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInX(旧Twitter)YouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

 

将来予測等に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年民間有価証券訴訟改正法の趣旨の範疇に含まれる「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は過去の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、オプジーボとシスプラチンおよびゲムシタビンの併用療法が本プレスリリースに記載された追加の適応症で商業的に成功するかどうか、販売承認が得られたとしてもその使用が著しく制限される可能性、また本プレスリリースに記載された追加の適応症でそのような併用療法の承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2023年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測等に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測等に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません。

参考文献

  1. Opdivo Prescribing Information. Opdivo U.S. Product Information. Last updated: March 2024. Princeton, N.J.: Bristol Myers Squibb Company.
  2. American Cancer Society. About Bladder Cancer. Available at https://www.cancer.org/cancer/types/bladder-cancer/about.html. Accessed February 06, 2024.
  3. ClinicalTrials.gov: NCT03036098. Study of Nivolumab in Combination With Ipilimumab or Standard of Care Chemotherapy Compared to the Standard of Care Chemotherapy Alone in Treatment of Participants With Untreated Inoperable or Metastatic Urothelial Cancer (CheckMate901). Available at https://clinicaltrials.gov/study/NCT03036098&rank=1. Accessed February 06, 2024.
  4. van der Heijden MS, Sonpavde G, Powles T, et al. Nivolumab plus Gemcitabine-Cisplatin in Advanced Urothelial Carcinoma. N Engl J Medicine. 2023; 389:1778-1789. doi:10.1056/NEJMoa2309863
  5. SEER. Cancer Stat Facts: Bladder Cancer. Available at https://seer.cancer.gov/statfacts/html/urinb.html. Accessed February 06, 2024.
  6. American Cancer Society. Treating Bladder Cancer. Available at www.cancer.org/cancer/types/bladder-cancer/treating.html . Accessed February 06, 2024.
  7. U.S. Food & Drug Administration. Real-Time Oncology Review Pilot Program. https://www.fda.gov/about-fda/oncology-cener-excellence/real-time-oncology-review. Accessed February 06, 2024.
  8. Bilim V, Kuroki H, Shirono Y, et al. Advanced Bladder Cancer: Changing the Treatment Landscape. J Pers Med. 2022;12(10):1745. doi:10.3390/jpm12101745
  9. World Health Organization: Bladder Cancer. Available at https://www.iarc.who.int/cancer-type/bladder-cancer/. Accessed February 08, 2024.
  10. Dason S, Cha EK, Falavolti C, et al. Late Recurrences Following Radical Cystectomy Have Distinct Prognostic and Management Considerations. J Urol. 2020;204(3):460-465. doi:10.1097/JU.0000000000001028
  11. American Cancer Society: Bladder Cancer Early Detection Diagnosis and Staging. Available at https://www.cancer.org/cancer/types/bladder-cancer/detection-diagnosis-staging.html. Accessed February 06, 2024.
  12. Mari A, Campi R, Tellini R, et al. Patterns and predictors of recurrence after open radical cystectomy for bladder cancer: a comprehensive review of the literature. World J Urol. 2018;36(2):157-170. doi:10.1007/s00345-017-2115-4
  13. Svatek RS, Siefker-Radtke A, Dinney CP. Management of metastatic urothelial cancer: the role of surgery as an adjunct to chemotherapy. Can Urol Assoc J. 2009;3(6 Suppl 4):S228-S231. doi:10.5489/cuaj.1203
  14. Vassiliou V, Katsila T, Sodergren SC, Kardamakis D. Radiotherapy in Metastatic Urothelial Carcinoma: Rationale and Clinical Applications. Anticancer Res. 2022;42(8):3767-3778. doi:10.21873/anticanres.15867
  15. Apolo AB, Nadal R, Girardi DM, et al. Phase I Study of Cabozantinib and Nivolumab Alone or With Ipilimumab for Advanced or Metastatic Urothelial Carcinoma and Other Genitourinary Tumors. J Clin Oncol. 2020;38(31):3672-3684. doi:10.1200/JCO.20.01652