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プレスリリース

CAMZYOS (一般名:マバカムテン)の第Ⅲ相試験の長期追跡データにおいて閉塞性肥大型心筋症 (oHCM)患者での確立された有効性と安全性プロファイルを示す

CAMZYOS

2024/09/03

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2024年9月1日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
なお、日本においてマバカムテンは閉塞性肥大型心筋症(oHCM: obstructive hypertrophic cardiomyopathy)の治療薬として製造販売承認申請中です。

  • EXPLORER-LTEコホートにおける最長3.5年までの累積データ解析では心エコー測定項目、バイオマーカー、症状において一貫した改善が認められ、新たな安全性シグナルは認められませんでした。
  • CAMZYOSは閉塞性肥大型心筋症の原因を標的とする薬剤として初めてかつ唯一承認された心筋ミオシン阻害薬です。

(ニュージャージー州プリンストン、2024年9月1日)–ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:クリス・バーナー)は本日、NYHA心機能分類II度又はIII度の閉塞性肥大型心筋症(oHCM)の成人患者を対象としたCAMZYOS(一般名:マバカムテン)のMAVA-Long-Term Extension(LTE)試験のEXPLORER-LTEコホートにおける新たな長期追跡結果を発表しました。本日、ロンドンで開催された欧州心臓病学会(ESC)で発表された長期追跡調査による有効性および安全性に関するデータは、ファースト・イン・クラスのミオシン阻害薬であるCAMZYOSの確立された有効性および安全性プロファイルを裏付けるものです。CAMZYOSは、ファーストラインでの治療後に症状が持続する場合の推奨選択肢としてESCおよびAHA/ACCガイドラインに記載されており、oHCMの標準治療となっています。

患者は、安静時の左室流出路(LVOT)圧較差、バルサルバLVOT圧較差、左房容積係数、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)値を含む心エコー測定項目やバイオマーカーにおいて、最長3.5年(180週)に及ぶ継続治療において一貫した改善を示しました。また、NYHA心機能分類および患者報告アウトカム(PRO)で評価される症状および機能的能力の改善も認められました。最長3.5年間のCAMZYOSの安全性プロファイルは、これまでに確立されたものと一致しており、新たな安全性シグナルは確認されませんでした。

スペイン・マドリッドにあるPuerta De Hierro大学病院循環器科の遺伝性心疾患・心不全ユニット長兼スペイン国立心臓血管研究センター(CNIC)の教授であるPablo García-Pavia(MD,PhD)は、次のように述べています。「CAMZYOSの投与により、3年以上にわたって複数の心機能指標が一貫して持続的に改善したことがわかりました。これは、この治療法がoHCM患者さんの重要な治療ニーズに合致していることを示しています。これら長期データが良好であったこと、さらにはCAMZYOSがESCのoHCM治療ガイドラインに記載されたことは、生涯にわたって継続的な管理を必要とするこの疾患の長期的な治療に重要な役割を果たしていることを明確に示しています。」

データカットオフ時点で、MAVA-LTE試験に登録された231例中211例がCAMZYOSを投与され、185例および99例がそれぞれ156週目および180週目(3.5年)に到達しました。EXPLORER-LTEコホートのデータ解析から得られた主な結果より、ベースラインから156週目および180週目までの間で心エコー測定項目およびバイオマーカーの持続的改善が示されました。心エコーマーカーでは、156週目および180週目のバルサルバLVOT圧較差がいずれも55.3mmHg減少し、平均安静時LVOT圧較差が156週目および180週目でそれぞれ40.2mmHgおよび40.3mmHg減少しました。平均左房容積係数はベースラインから144週目および180週目まで改善が持続し、それぞれ3.5mL/m2および5.5mL/m2減少しました。平均左室駆出率(LVEF)はベースラインから180週目までで11%低下し、平均値(63.9%)は正常範囲にとどまりました。バイオマーカーデータの評価では、NT-proBNP値の中央値は156週目に504ng/L、180週目には562ng/L減少しました。

180週目は、ほとんどの患者(66.3%)がNYHA心機能分類Ⅰ度でした。全体として、108例(46.8%)が試験中にNYHA心機能分類I度およびバルサルバLVOT圧較差30mmHg以下を達成し、データカットオフまで維持されました。HCM症状質問票(HCMSQ)で測定されたPROでは、最初の12週間の治療によりベースラインからの息切れスコアの急速な改善が認められ、156週目および180週目まで持続しました。

ブリストル マイヤーズ スクイブの免疫、心血管、神経科学領域(ICN)開発担当シニアバイスプレジデント兼責任者のRoland Chen(MD)は、次のように述べています。「CAMZYOSの長期追跡調査のデータ解析からこれまでに得られた結果は、従来まで選択肢が限られていたoHCM患者さんに対する本治療薬の確立された安全性と有効性のプロファイルを示すものです。CAMZYOSは、oHCMの原因を標的とする薬剤として初めてかつ唯一承認された心筋ミオシン阻害薬であり、世界中の患者さんの治療展望を再定義するものです」。

EXPLORER-LTEの解析では、CAMZYOS投与による新たな安全性シグナルは認められませんでした。合計20例(8.7%)の患者のLVEFが一時的に50%未満に低下しましたが、治療中断後に全例のLVEFが50%以上に回復し、14例がCAMZYOSによる治療を再開しました。

 

EXPLORER-HCMおよびMAVA-LTE試験について


二重盲検無作為化プラセボ対照並行群間比較第Ⅲ相試験であるEXPLORER-HCM(NCT03470545)試験には、(NYHA心機能分類II度又はIII度)の閉塞性肥大型心筋症の成人患者251例が登録されました。すべての参加者は、測定可能な左室駆出率(LVEF)が55%以上で、少なくとも1回のピークLVOT圧較差が50mmHg以上(安静時または診断時の誘発)でした。このほか、スクリーニング時にベースライン時のバルサルバLVOT圧較差が30mmHg以上であることを必須条件としました。試験参加者の92%がβ遮断薬またはカルシウム拮抗薬によるバックグラウンド治療を受けていました。主要評価項目は複合機能評価項目とし、30週目に評価されました。評価項目の定義は、最高酸素摂取量(pVO2)が1.5mL/kg/分以上改善し、NYHA心機能分類が一段階以上改善した患者の割合、またはpVO2が3.0mL/kg/分以上改善し、NYHA心機能分類が悪化しなかった患者の割合としました。主な副次的評価項目は、30週目の運動後LVOT圧較差、pVO2、NYHA心機能分類、カンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)および肥大性心筋症症状質問票(HCMSQ)への影響としました。

EXPLORER-LTEはMAVA-LTE試験(NCT03723655)のコホートであり、EXPLORER-HCM試験を終了したoHCM患者を対象とした進行中のCAMZYOSの5年投与用量盲検試験です。EXPLORER-LTEコホートの全参加者は、CAMZYOSを1日5mgより開始し、4週目、8週目、12週目に治験実施医療機関で読影したバルサルバLVOT圧較差とLVEFの心エコー測定結果のみに基づいて用量を調節しました。24週目には、運動後LVOT圧較差を心エコーで評価し、投与量を調整することも可能としました。24週以降は、読影したバルサルバLVOT圧較差が30mmHg超、LVEFが50%以上であれば用量調節を可能としました。

 

CAMZYOS(マバカムテン)について


CAMZYOS(一般名:mavacamten)は、ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類II度又はIII度のoHCMの成人患者を対象に、機能的能力および症状の改善を目的として米国で承認された初めてかつ唯一の心筋ミオシン阻害薬です。欧州では、oHCM(NYHA心機能分類II度又はIII度)の成人患者に適応されています。また、CAMZYOSは2024年3月末時点で米国、欧州を含む40か国以上で承認されています。CAMZYOSは、心筋ミオシンに対する選択的かつ可逆的なアロステリック阻害剤です。CAMZYOSは、「on actin」(アクチンの張力を生み出す)状態にすることでミオシンヘッドの数を調節します。これにより、張力が発生することで形成されるクロスブリッジ(収縮期)と残存形成されるクロスブリッジ(拡張期)の割合が減少します。ミオシンとアクチンの過剰なクロスブリッジ形成と超弛緩状態による調節障害は、HCMの特徴的な機序です。CAMZYOSは、ミオシン集団を全体的にエネルギーの温存と補充が可能な超弛緩状態へと移行させます。CAMZYOSのミオシン阻害作用によってHCM患者の動的左室流出路(LVOT)閉塞が減少し、心臓充満圧が改善します。

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルなバイオファーマ製薬企業です。ブリストル マイヤーズ スクイブに関する詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedInTwitterYouTubeFacebookおよびInstagramをご覧ください。

 

将来予測に関する記述の注意事項


本プレスリリースは、特に医薬品の研究、開発および商業化について、1995年米国民事証券訴訟改革法に定められている「将来予測に関する記述」を含んでいます。歴史的事実ではないすべての記述は、将来予測であるか、将来予測であると見なされるものです。そうした将来予測に関する記述は将来の実績ならびに将来の業績、目標、計画および目的に関する現在の予想および予測に基づくものであり、今後数年間で予測が困難あるいは当社の支配下にない遅延、転換または変更を来たす内的または外的要因を含む内在的リスク、仮定および不確実性を伴い、将来の業績、目標、計画および目的が、本文書で記述または示唆されている内容と大きく異なる結果となる可能性があります。これらのリスク、仮定、不確実性およびその他の要因には、特に、今後の市販後試験の結果が本試験の結果と一貫しない可能性、CAMZYOS(マバカムテン)が本プレスリリースに記載された適応症で商業的に成功しない可能性、販売承認が得られたとしても、その使用が著しく制限される可能性、そのような製品候補のそのような適応症での承認の継続が検証試験における臨床的有用性の証明および記載を条件とする可能性が含まれています。将来予測に関するいかなる記述も保証されるものではありません。本プレスリリースの将来予測に関する記述は、ブリストル マイヤーズ スクイブの事業と市場に影響を与える多くのリスクおよび不確定要素、特にブリストル マイヤーズ スクイブの2023年12月31日に終了した事業年度通期報告書(Form 10-K)、その後の四半期報告書(Form 10-Q)および当期報告書(Form 8-K)など、当社が米国証券取引委員会に提出した報告書にリスク要因として記されている不確定要素と共に評価されるべきです。本プレスリリースに記載された将来予測に関する記述は、本プレスリリースの発表日時点での予測であり、準拠法で特段の定めのない限り、ブリストル マイヤーズ スクイブは、新たな知見、今後の出来事等に因るか否かを問わず、一切の将来予測に関する記述について、公に更新または修正する義務を負うものではありません.

 

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