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プレスリリース

抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤 オータイロ®、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に係る製造販売承認を取得

がん領域

2024/09/24

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

※本プレスリリースに記載されている情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。

 

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は本日、抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤「オータイロ®カプセル40mg」(一般名:レポトレクチニブ、以下オータイロ®)について、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)を効能又は効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。オータイロ®はROS1融合遺伝子によってコードされるROS1受容体チロシンキナーゼ(RTK)に対して阻害活性を有し、RTKを介した細胞増殖に関わるシグナル伝達を阻害することで抗腫瘍効果を示すチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)です。

本承認は、ROS1、NTRK1~3又はALK融合遺伝子陽性の進行固形癌患者を対象とした国際共同第1/2相試験(TRIDENT-1試験)のうち、ROS1融合遺伝子陽性のNSCLC患者を対象とした第2相パートの各コホート(EXP-1~4)より得られた結果に基づいています。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社研究開発本部長の杉田真は次のように述べています。「ROS1融合遺伝子陽性NSCLCはNSCLCの1~2%に存在する希少ながんですが、たとえ希少であっても深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発・提供するという我々のミッションに基づき、有効な治療薬の開発に挑戦してまいりました。本日の承認により、治療を待ち望むROS1融合遺伝子陽性のNSCLC患者さんとその家族に対して、この新たな選択肢によって貢献できることをうれしく思います」。

なお、オータイロ®の「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の適応判定に必要なROS1融合遺伝子の検出には、体外診断用医薬品「AmoyDx®肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」(株式会社理研ジェネシス)を使用します。「AmoyDx®肺癌マルチ遺伝子PCRパネル」のオータイロのコンパニオン診断薬としての使用目的追加については、2024年9月19日に厚生労働省より承認を取得しています。

 

国際共同1/2相臨床試験(TRIDENT-1試験)について


TRIDENT-1試験は、NSCLCを含むROS1、NTRK1~3又はALKの遺伝子再構成を有する進行性固形がん患者を対象に、オータイロ®の安全性、忍容性、薬物動態、抗腫瘍活性を評価する国際共同第1/2相臨床試験です。本試験の第1相パートの評価項目には、安全性と薬物動態の評価項目が含まれています。本試験の第2相パートでは、ROS1融合遺伝子陽性のNSCLC及びNTRK融合遺伝子陽性進行固形がんを対象に有効性及び安全性を評価しています。

第2相パートにおいて、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発のNSCLC患者における主要評価項目であるRECISTガイドライン1.1版に基づく盲検下独立中央判定(BICR)による奏効率[95%信頼区間(CI)*]は、それぞれ、ROS1-TKIの治療歴のない患者(EXP-1)で77.8%[65.5, 87.3](49/63例)、1種類のROS1-TKIの治療歴を有する患者(EXP-4)で37.7%[24.8, 52.1](20/53例)、1種類のROS1-TKI及び1種類の白金系抗悪性腫瘍剤による治療歴のある患者(EXP-2)で43.5%[23.2, 65.5](10/23例)及び、2種類のROS1-TKIの治療歴がある患者(EXP-3)で29.4%[10.3, 56.0](5/17例)でした。副作用発現頻度は、95.8%(299/312例)であり、主な副作用は、浮動性めまい57.7%(180/312例)、味覚不全48.7%(152/312例)、錯感覚30.4%(95/312例)、便秘26.3%(82/312例)、貧血25.3%(79/312例)、運動失調20.2%(63/312例)でした。

*Clopper-Pearson法

 

オータイロ®について


オータイロ®は、ATP競合性のROS1、TRK A/B/Cを選択的に阻害する経口の低分子チロシンキナーゼ阻害剤です。臨床開発は、Turning Point Therapeutics社によって2017月2月より開始され、2022年8月の買収以降は、ブリストル マイヤーズ スクイブが開発を継続しました。TRIDENT-1試験の結果をもとに、米国では2023年11月に局所進行又は転移性ROS1陽性NSCLCの成人患者の治療を適応症として製造販売承認を取得しています。

販売名

オータイロ®カプセル40mg

一般名

レポトレクチニブ

製造販売承認日

2024年9月24日

効能又は効果

ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

用法及び用量

通常、成人にはレポトレクチニブとして1回160mgを1日1回14日間経口投与する。その後、1回160mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

製造販売元

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

 

肺がんについて


厚生労働省「人口動態統計」によると、肺がんはがん関連死亡原因の第1位であり、2021年のがん関連死約38万人のうち、約20%にあたる76,212人(男性53,278人、女性22,934人)が肺がんによって死亡しています。また、NSCLCは肺がん全体の約85%を占めており、NSCLC患者の約1%~2%が、制御不能な細胞増殖をもたらすROS1遺伝子の変異を特徴とするROS1融合遺伝子陽性疾患を呈します

参考文献

日本肺癌学会バイオマーカー委員会編 肺癌患者におけるバイオマーカー検査の手引き(2024年7月作成) [Internet]. [Cited 2023 Sep 19]. Available from: https://www.haigan.gr.jp/publication/guidance/inspection/
国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計) 2023 [Internet]. [Cited 2023 Oct.2]. Available from: https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/index.html#a7
澤端章好, 淺村尚生, 呉屋朝幸, 他. 2002 年の肺癌治療例の全国集計に関する報告. 日呼外会誌 [Internet]. 2010 [cited 2023 Sep 19];24(1):110-24. Available from: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacsurg/24/1/24_1_110/_pdf.

 

ブリストル マイヤーズ スクイブについて


ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルバイオファーマ企業です。詳細は、bms.com/jpLinkedInFacebookYouTubeInstagramをご覧ください。

 

本件に関するお問合せ先


ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
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Email: ca@bms.com