プレスリリース
ブリストル マイヤーズ スクイブ、乾癬性関節炎の成人患者におけるソーティクツ®(一般名:デュークラバシチニブ)のプラセボに対する優越性を示した第3相POETYK PsA試験の最新データを発表
ソーティクツ
2025/06/19
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2025年6月11日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- POETYK PsA-1試験において、ソーティクツ投与患者は、プラセボ投与患者と比較して16週時に関節・皮膚症状および疾患活動性・生活の質測定項目において統計的に有意な改善が認められました。
- POETYK PsA-2試験においても、上記測定項目において臨床的な改善効果が継続し、52週時までその効果が継続したことが示されました。
- 両試験において、新たな安全性シグナルは認められず、ソーティクツの安全性プロファイルはこれまで確認されたものと一貫していました。
(ニュージャージー州プリンストン、2025年6月11日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク/CEO:クリス・バーナー)は本日、生物学的製剤による前治療を受けていない疾患活動性を有する乾癬性関節炎(PsA)の成人患者を対象にソーティクツ®(一般名:デュークラバシチニブ)の有効性および安全性を評価した第3相POETYK PsA-1試験(IM011-054)のデータを発表しました。本試験では、主要評価項目を達成し、16週時点でソーティクツ群が、プラセボ群と比較して有意に高いACR20改善率が認められました(それぞれ54.2%、34.1%、p<0.0001)。16週の投与期間中におけるソーティクツの安全性プロファイルは、臨床試験プログラム(第3相POETYK PsA-2試験および中等症から重症の尋常性乾癬に関する第3相PsO試験)で報告されているものと一貫していました。POETYK PsA-1試験のデータは、2025年6月11~14日までスペイン・バルセロナで開催されている欧州リウマチ学会(EULAR)総会において、抄録No. LB0001として発表されています。
Providence Swedish Medical Centerのリウマチ学研究の責任者であり、ワシントン大学医学部(シアトル)の臨床学教授であるPhilip Mease, MDは、次のように述べています。「乾癬性関節炎は、複雑で多面的かつ不均一な疾患であり、安全で有効な新しい経口剤を医療従事者に新たな治療選択肢として提供する必要性が明確になっています。関節・皮膚症状の改善ならびに生活の質の向上は、重要な治療目標であり、本試験の結果は、この疾患に対する新たな治療薬としてのソーティクツの可能性を示しています」。
ソーティクツ群の患者においては、様々な臨床測定項目(16週時の疾患活動性、患者報告アウトカム、PsAの関節症状等)に改善が見られました。重要な点として、PASI75達成率、HAQ-DI(健康評価質問票 - 機能障害指数)スコア、SF-36のPCSスコア(身体的健康度サマリースコア)、MDA(最小疾患活動性)などの主な副次評価項目においても改善が認められました。さらに、ACR50改善率およびACR70改善率についても向上が認められました。FACIT-Fatigueスコア(疲労スコア)、DAS28-CRPスコア(疾患活動性スコア)、指趾炎の消失に関する併合解析において、名目上有意に改善が認められました。
PsA-1試験の有効性評価項目(16週時)
カテゴリー |
評価項目 |
ソーティクツ群 |
プラセボ群 |
P値 |
臨床的有効性 |
ACR20 response, % |
54.2 |
34.1 |
<0.0001* |
ACR50 response, % |
24.7 |
13.5 |
0.0002** |
|
ACR70 response, % |
11.6 |
5.4 |
0.0039** |
|
PASI 75 response,a % |
51.9 |
7.1 |
<0.0001* |
|
MDA response, % |
19.0 |
10.2 |
0.0012* |
|
DAS28-CRP score, mean CfB |
-1.33 |
-0.83 |
<0.0001** |
|
患者報告アウトカム |
HAQ-DI score, mean CfB |
-0.39 |
-0.22 |
<0.0001* |
SF-36 PCS score, mean CfB |
6.06 |
3.71 |
<0.0001* |
|
FACIT-Fatigue score, mean CfB |
4.6 |
2.0 |
<0.0001** |
|
PsAの関節外症状 |
LEI enthesitis resolution,b % |
50.3 |
45.1 |
0.1781 |
SPARCC enthesitis resolution,c % |
47.1 |
36.1 |
0.0018** |
|
Dactylitis resolution,d % |
57.6 |
44.1 |
0.0100** |
*統計学的に有意
**名目上有意
ACR20=米国リウマチ学会の改善基準20%、ACR50=米国リウマチ学会の改善基準50%、ACR70=米国リウマチ学会の改善基準70%、BSA=体表面積、CfB=ベースラインからの変化量、LEI=Leeds Enthesitis Index、SPARCC=Spondyloarthritis Research Consortium of Canada、sPGA=医師による静的総合評価
aベースラインのBSAが3%以上かつsPGAスコアが2以上の全無作為化症例を対象に評価した(プラセボ群170例、ソーティクツ群162例)。bベースラインのLEIスコアが1以上の患者を対象に、POETYK PsA-1試験とPOETYK PsA-2試験の患者を併合して評価した(プラセボ群317例、ソーティクツ群318例)。cベースラインのSPARCCスコアが1以上の患者を対象に、POETYK PsA-1試験とPOETYK PsA-2試験の患者を併合して評価した(プラセボ群407例、ソーティクツ群393例)。dベースラインの圧痛性指炎数(tender dactylitis count)が1以上の患者を対象に、POETYK PsA-1試験とPOETYK PsA-2試験の患者を併合して評価した(プラセボ群188例、ソーティクツ群210例)。
POETYK PsA-1試験においては、これまでに報告されたデータと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。ソーティクツ群、プラセボ群ともに認められた主な有害事象(AE)は、上気道感染(それぞれ5.1%、3.0%)でした。重篤なAE(それぞれ1.8%、2.4%)および中止に至ったAE(それぞれ2.4%、1.8%)は16週時までまれでした。
ブリストル マイヤーズ スクイブのバイスプレジデントで、免疫系疾患および心血管疾患領域のシニアグローバルプログラムリードであるDennis Grasela, PharmD, PhDは、次のように述べています。「今回の発表は、当社のPOETYK PsA-2試験で得られた強固な結果に基づくものであり、ソーティクツが乾癬性関節炎を抱える患者さんのためのファースト・イン・クラスの経口TYK2阻害薬となり得ることを示しています。この進行性の慢性疾患に対するソーティクツの可能性は、免疫介在性疾患に変革をもたらす薬剤を追求する当社のコミットメントを示すものです。POETYK PsA-1、PsA-2試験での成果について、各国の規制当局と意見交換を行う機会を心待ちにしています」。
POETYK PsA-2試験で52週時まで臨床効果の継続的な改善と各種のアウトカムを維持
さらに、生物学的製剤未治療、もしくは過去にTNF阻害剤での治療を受けたことがある疾患活動性を有するPsA患者について検討した第3相POETYK PsA-2試験(抄録No. OP0095)の最新データも、今回の学会で発表されました。同試験の結果、16週時においてソーティクツ群はプラセボ群と比較して優れた有効性が確認されました。また、52週時までの期間中、ソーティクツによる治療を継続した患者やプラセボからソーティクツに切り替えた患者で臨床効果が継続され、ソーティクツによる治療を継続した患者では各種のアウトカムが維持されました。
16週時のACR20は、ソーティクツ群で54.2%、プラセボ群で39.4%でした(p=0.0002)。52週時のACR20は、ソーティクツによる治療を継続していた患者で62.2%、16週後にプラセボからソーティクツに切り替えた患者で67.3%でした。ACR50およびACR70についても同様の傾向が認められました。さらに、ソーティクツ群では、52週時において、主な副次評価項目(PASI 75達成率、MDA改善率、HAQ-DIスコア、SF-36 PCSスコア)がプラセボ群と比較して継続的に維持されていました。ソーティクツは52週時まで良好な忍容性を示し、安全性プロファイルはPsAおよびPsOを対象とした過去の結果と一致していました。ブリストル マイヤーズ スクイブは今後、主要な治験責任医師と連携して、POETYK PsAプログラムの追加データを学会で発表することを予定しています。ソーティクツは、中等症から重症の尋常性PsOの成人患者の治療薬として世界各地で承認されています。ブリストル マイヤーズ スクイブは、POETYK PsA-1試験、POETYK PsA-2試験に参加していただいた患者様、治験責任医師の方々、そして治験実施機関に感謝しております。
第3相POETYK PsA試験について
ソーティクツの第3相POETYK PsA試験には、18歳以上の疾患活動性を有する成人PsA患者を対象に有効性および安全性を評価する2つの第3相、多施設、無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験<POETYK PsA-1(IM011-054;NCT04908202)およびPOETYK PsA-2(IM011-055;NCT04908189)>が含まれています。
POETYK PsA-1試験では、生物学的製剤未治療の疾患活動性を有するPsA患者670例を対象としています。POETYK PsA-2試験では、生物学的製剤未治療、もしくは過去にTNF阻害剤での治療を受けたことがある疾患活動性を有するPsA患者約730例を対象としています。両試験とも、52週間の治療期間が設定されており、最初の16週間はプラセボ対照期間、その後16週時から52週時までは再割り当て後実薬による実薬投与期間となっています。なお、POETYK PsA-2試験にはアプレミラストによる安全性参照群も含まれています。
両試験の主要評価項目は、16週時にACR20改善率を達成した被験者の割合です。また、16週時点ではPsA疾患活動性に関する重要な副次評価項目も評価されました。POETYK PsA-1試験では、主な副次評価項目の1つとして、16週における関節の構造的損傷の進行抑制についても評価しました。両試験において52週間の投与を完了した患者は、非盲検継続投与試験に参加することができます。
乾癬性関節炎(PsA)について
PsAは、不均一な慢性免疫介在性疾患であり、炎症性関節炎、腱付着部炎(骨に付着する腱や靭帯におきる炎症)、指趾炎(手指や足指の関節の腫れ)、皮膚・爪の乾癬病変など、複数の関節症状・皮膚症状を伴います。また、乾癬患者の最大30%においてPsAを発症することが報告されています。この疾患は、PsAによる身体機能低下、痛み、疲労により、患者の精神症状の健康状態にも大きな影響を及ぼします。PsA患者では、心血管疾患、メタボリックシンドローム、うつ病、不安などの重篤な合併症のリスクも増大します。
ソーティクツについて
ソーティクツは、TYK2に選択性を持ってアロステリックに阻害する、国内で初めて承認された1日1回経口投与のTYK2阻害剤です。TYK2は細胞外からの刺激シグナルを細胞内に伝達するために働くリン酸化酵素(キナーゼ)群のひとつであるヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーの分子で、乾癬を含む自己免疫疾患の病態に寄与するインターロイキン(IL)-23、IL-12、I型インターフェロンなどの炎症性サイトカインの受容体に結合して下流にシグナルを伝達する役割を担っています。ソーティクツはTYK2に対するアロステリック阻害作用により、これらのシグナル伝達経路を抑えます。ソーティクツは、2022年9月に「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬および乾癬性紅皮症」を適応として承認を取得しています。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルバイオファーマ企業です。詳細は、bms.com/jp、LinkedIn、Facebook、YouTube、Instagramをご覧ください。
本件に関するお問合せ先
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
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