プレスリリース
ブリストル マイヤーズ スクイブ、2025年欧州心臓病学会年次総会において世界4大陸におけるカムザイオスのリアルワールドアウトカムを発表
カムザイオス
2025/09/02
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
※本資料は、ブリストル マイヤーズ スクイブが2025年8月29日に発表しましたプレスリリースの和文抄訳であり、内容につきましては英語原文が優先されます。本プレスリリースに記載されている医薬品情報(本邦未承認情報を含む)は、ブリストル マイヤーズ スクイブに関連する最新情報をステークホルダーの皆様にお知らせするものであり、医薬品のプロモーションや宣伝・広告を目的とするものではありません。
- COLLIGO-HCMの結果は、人種的に多様なグローバル患者集団において、左室流出路(LVOT)閉塞を軽減し、症状を改善するというカムザイオスの有効性および安全性プロファイルを強固にするものです
- COLLIGO-HCMは、臨床現場におけるカムザイオスの有用性に関する知見を提供することを目的としたWAYFARER-HCMグローバルデータプログラムの一部です
(ニュージャージー州プリンストン、2025年8月29日)-ブリストル マイヤーズ スクイブ(NYSE:BMY/本社:米国ニューヨーク)は、本日、スペイン・マドリードで開催された2025年欧州心臓病学会(ESC)年次総会の口頭発表セッションにおいて、グローバルリアルワールドデータのレトロスペクティブ研究であるCOLLIGO-HCMの結果を発表しました。解析の結果、カムザイオス(一般名:マバカムテン)は、国際的なリアルワールドで治療を受けた症候性閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の人種的に多様な患者集団において、左室流出路(LVOT)狭窄の軽減および症状の改善との関連性を示しました。COLLIGO-HCMで示された有効性および安全性は、無作為化比較対照試験の結果と一貫しており、ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類II度又はIII度の症候性HOCMに対する初めてかつ唯一承認された心筋ミオシン阻害剤であるカムザイオスの、標準治療としてのエビデンスをさらに強固にするものです。
トロント大学准教授であり、ユニバーシティ・ヘルス・ネットワークのピーター・ムンク心臓センターで心臓医を務めるArnon Adler(M.D.)は、次のように述べています。「HOCMは、患者さんの日常生活に多大な影響を及ぼす可能性のある疾患です。本日発表されたグローバルリアルワールドアウトカムデータは、臨床試験の結果と一貫するものであり、臨床試験ではしばしば不足している患者層を含む多様な患者集団におけるカムザイオスの有効性、安全性プロファイルおよびベネフィットを裏付けるものです」。
COLLIGO-HCMは、ブリストル マイヤーズ スクイブのグローバルリアルワールドデータプログラムであるWAYFARER-HCMの一部であり、世界7カ国(米国、カナダ、ドイツ、英国、オランダ、オーストラリア、イスラエル)、3,000例以上の患者を対象に実施されています。
ブリストル マイヤーズ スクイブのグローバルHEOR免疫・心血管疾患領域バイスプレジデントであるHoma Dastaniは、次のように述べています。「リアルワールドアウトカムデータは、臨床現場から得られる重要な知見を提供し、治療の意思決定を支援する可能性を秘めています。COLLIGO-HCMの有効性および安全性に関するリアルワールドデータは、カムザイオスの確立された臨床プログラムを強固にするものであり、閉塞の軽減および有効かつ持続的な症状の改善を一貫して示しました。当社の臨床プログラムおよび長期継続解析は合計で約6年にも及んでおり、今後も引き続きWAYFARER-HCMグローバルプログラムの一環として、多様な患者集団においてカムザイオスのリアルワールドでの長期的な有効性および安全性が示されることに期待を寄せています」。
COLLIGO-HCMでは、人種的に多様な患者集団(n=278)を対象に、有効性および安全性アウトカムを評価しました。患者集団には、世界4大陸の医療機関で治療を受けた黒人23.2%、アジア系5.4%、中東または北アフリカ系4.3%の参加者が含まれています。ベースライン時、患者の54.7%がNYHA心機能分類II度、45.3%がNYHA心機能分類III度でした。本研究の結果、投与24週時点において、患者の59.9%がNYHA心機能分類で一段階以上の改善を達成しました。全体として、12週間以上の追跡調査を受けた患者の86.5%(208例中180例)および24週間以上の追跡調査を受けた患者の94.4%(162例中153例)がNYHA心機能分類II度以下を達成し、そのうち30.9%(162例中50例)がNYHA心機能分類I度でした。また、これらの患者の割合は投与96週時点まで維持されました。投与36週時点において、ほぼすべての患者(90.3%)が安静時の平均LVOT圧較差30mmHg以下を達成し、患者の76.8%がバルサルバ負荷後のLVOT圧較差30mmHg以下を達成しました。これらの患者の割合は投与96週時点まで維持されました。また、患者の一部(7.2%、278例中20例)は、単剤療法としてカムザイオスの投与を開始しました。ベースライン時にバックグラウンド治療(β遮断薬および/またはカルシウム拮抗薬)を受けていた患者(n=258)のうち、26.4%(258例中68例)が1種類以上の治療を中止し、5%(258例中13例)がカムザイオスの投与開始後にバックグラウンド治療の用量を減量しました。
カムザイオス投与開始後の平均左室駆出率(LVEF)は、ベースライン値は66%であり、追跡調査期間を通じて61%以上を維持しました。LVEFが50%以下に低下したため、カムザイオスの投与を一時的に中止した患者は11例(4%)、投与を永続的に中止した患者は3例(1.1%)でした。カムザイオス投与を永続的に中止した後、全例のLVEFが50%超に回復しました。米国におけるリスク評価・緩和戦略(REMS)プログラムなど、LVEF評価のための心エコー施行要件は国によって異なります。LVEFが50%以下の患者の割合は、カムザイオスの既知の安全性プロファイルと一貫しており、心エコーの評価要件にかかわらず、すべての医療機関で一貫していました。新規発症の心房細動は8例(2.9%)で報告され、これは他のリアルワールドエビデンス研究やHOCMを対象としたカムザイオスのピボタル試験でこれまでに報告されたデータと一貫しています。
カムザイオスは、NYHA心機能分類II度又はIII度の症候性HOCMの標準治療となっており、ファーストラインでの治療後に症状が持続する場合の推奨治療選択肢としてESCおよび米国心臓学協会(AHA)/米国心臓病学会(ACC)のガイドラインに記載されています。
以上
COLLIGO-HCMについて
COLLIGO-HCMは、国際的なリアルワールドでの症候性HOCM患者におけるカムザイオスのアウトカムを評価することを目的とした、国際多施設共同観察研究です。本研究では、世界各地のHCMセンターにおける既存の診療記録および電子カルテから後ろ向きデータを収集し、ベースライン時および追跡調査時の患者特性、症状、心エコー所見および有害事象を解析しました。研究参加施設の所在地域は、米国、カナダ、英国、オーストラリアおよびイスラエルでした。
WAYFARER-HCMについて
WAYFARER-HCMは、ブリストル マイヤーズ スクイブのグローバルリアルワールドデータプログラムです。本研究は、臨床現場からさらなるエビデンスを収集して医療従事者および保険者を含む治療の意思決定者に情報を提供し、カムザイオスの有効性に関する既存の知識基盤を強化・拡大することを目的としています。WAYFARER-HCMプログラムには、臨床施設における匿名化された診療記録および医療機関や薬局の医療保険請求データを含む、カムザイオスの投与を受けた症候性HOCM患者の有効性アウトカムに関する解析が含まれます。現在までに発表されたWAYFARER-HCMプログラムには、世界7カ国(米国、カナダ、ドイツ、英国、オランダ、オーストラリア、イスラエル)の3,000例以上の患者が含まれています。
カムザイオスについて
カムザイオスは、ニューヨーク心臓協会(NYHA)心機能分類II度又はIII度の症候性閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の成人患者を対象に、機能的能力および症状の改善を目的として米国で承認された初めてかつ唯一の心筋ミオシン阻害薬です。欧州では、症候性(NYHA心機能分類II度又はIII度)HOCMの成人患者に適応されています。また、カムザイオスは世界5大陸にわたる50以上の国と地域で承認されています。カムザイオスは、心筋ミオシンに対する選択的かつ可逆的なアロステリック阻害剤です。カムザイオスは、「on actin」(アクチンの張力を生み出す)状態にすることでミオシンヘッドの数を調節します。これにより、張力が発生することで形成されるクロスブリッジ(収縮期)と残存形成されるクロスブリッジ(拡張期)の割合が減少します。ミオシンとアクチンの過剰なクロスブリッジ形成と超弛緩状態による調節障害は、HCMの特徴的な機序です。カムザイオスは、ミオシン集団を全体的にエネルギーの温存と補充が可能な超弛緩状態へと移行させます。カムザイオスのミオシン阻害作用によってHCM患者の動的左室流出路(LVOT)閉塞が減少し、心臓充満圧が改善します。これらの心臓に対する作用が、症候性HOCM患者における症状および機能的改善につながります。
カムザイオスの適応症および安全性情報について
米国でのカムザイオスの適応症および安全性情報については、原文リリースをご参照ください。
ブリストル マイヤーズ スクイブについて
ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんを助けるための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命としています。私たちは大胆にサイエンスを追求し、医療の未来と患者さんのためにできることを考え続けています。詳細については、BMS.comをご覧くださるか、LinkedIn、X、YouTube、FacebookおよびInstagramをご覧ください。
本件に関するお問合せ先
ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
コーポレート・アフェアーズ
Email: ca@bms.com