ブリストル マイヤーズ スクイブ、日本の肥大型心筋症患者の健康関連QOLに関する初めての質的研究の結果を発表

pdf ファイルをダウンロードします。

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社

• 本研究では、症状の進行が緩やかなため変化に気づかず、患者が加齢などの要因と捉えて現状を受け入れてしまう傾向が示されました
• 症状が生活に影響していても、患者は精神的負担や生活上の困難を話すことをためらう傾向がみられました
• 患者の負担やニーズを理解するためには、患者・医師間のより深い対話の必要性が示唆されました

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社はこのほど、肥大型心筋症（HCM: hypertrophic cardiomyopathy）患者の健康関連QOL（HR-QOL: Health-related Quality of Life）に影響を与える要因を特定することを目的に当事者の体験や認識を探る質的研究を実施しました。本研究は、日本におけるHCM患者のHR-QOLに関する初の質的研究であり、研究結果は2025年7月11日付「Future Cardiology」に掲載され、さらに第73回日本心臓病学会学術集会（2025年9月19～21日、高知県で開催）のFeatured Research Session1で発表されました。

本研究では、国内の18歳以上の成人HCM患者のうち、HCMにより日常生活に何らかの負担を感じている患者19名を対象にウェブ、または電話による詳細なインタビュー（半構造化インタビュー）を実施し、テーマ分析手法による質的分析を実施しました。その結果、HR-QOLに関連する以下の3分類10テーマを特定しました。

本研究によると、HCMの症状は、長期的、かつ緩やかに進行するため、本人がその変化に気づかず、加齢など他の要因によるものと諦めてしまっていること、身体の状態に合わせて生活の工夫をすることによって、症状に気づいていないこと、HCMの症状が仕事・家庭・社会生活など多方面に影響を及ぼしているものの、本人は、病気を他者に明かすことに抵抗があり、侵襲的治療に対しても強い抵抗感を抱いていることなどが伺えました。また、患者さんは医師に対して高い信頼を寄せている反面、精神的な負担や日常生活の困難については、医師に相談することにためらいを感じており、生活を変えることも精神的な負担について話すこともできていないことが分かりました。これらのことから、患者の負担やニーズを理解するためには、外来診察時の問診だけでは十分ではなく、医師・患者間のより深いコミュニケーションが必要であることが示唆されました。

今後、質的研究で特定された患者さんの懸念・ニーズに基づいた定量調査を経て、HCM患者さんのQOL向上に資するサポート施策を講じてまいります。ブリストル マイヤーズ スクイブは引き続き、ベスト・イン・クラス、ファースト・イン・クラスのサイエンスを強みに、深刻な病気を抱える患者さんの人生に違いをもたらすというミッションの達成に向けて邁進してまいります。

肥大型心筋症（HCM: hypertrophic cardiomyopathy）について

HCMは、他の心疾患や全身性疾患など心室肥大（心室壁厚の増加）を起こす明らかな原因がないにも関わらず、心室肥大が認められる原発性の心筋症であり、左室流出路閉塞の有無により閉塞性と非閉塞性に大別されます。閉塞性HCM患者さんの臨床症状は、個々でその程度が異なりますが、症状を有する場合、安静時又は労作時の息切れ、疲労、胸痛、立ちくらみ、失神が認められます。これらの症状は、徐々に悪化し、身体的負荷が増え、患者さんやご家族の日常生活に多大な影響を及ぼしています。

ブリストル マイヤーズ スクイブについて

ブリストル マイヤーズ スクイブは、深刻な病気を抱える患者さんのための革新的な医薬品を開発し、提供することを使命とするグローバルバイオファーマ企業です。私たちは、科学的探究を通じて、医療の未来および患者さんの治療機会・治療成果の向上に貢献することを目指しています。詳細は、bms.com/jp、LinkedIn、Facebook、YouTube、Instagramをご覧ください。

本件に関するお問合せ先

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
コーポレート・アフェアーズ
Email: ca@bms.com